1年でパスポート更新

アレックスは出生地主義の国・ブラジルで生まれたので、ブラジル人である。
なので、ブラジルのパスポートを去年、取得した。
で、このパスポート。赤ん坊の場合、何と、たったの1年で期限切れとなるんですよ。
なんと非効率的な!


それに気付いたのが、期限切れになる2週間ほど前。
実は近い未来に飛行機に乗って国外に出る予定があるため、むむむ、これは早急に更新手続きをしないとマズイぞ、と。
早速、ダンナの会社の弁護士らに相談し、手続きを進めてもらうことにした。
で、先日、アレックスを連れて、パスポート発行手続きが行われる「連邦警察 Policia Federal」に行って来た。
ここは、赴任して間もない頃、右も左もわからない頃に最初に連れて来られたところだ。
ここで、外国人登録などをして、身分証明書を作成してもらったのだった。
だからかれこれ1年ぶりくらいになるのかなぁ…。相変わらず遠いよなぁ…。(LAPAという地区にある)


さてこのパスポート更新。これが非常に大変なことである。
最初、「連邦警察に朝4時過ぎに集合」と、なんとも恐ろしい指令が出ていた。朝4時過ぎ?窓口開くのは8時だよ?


というのは、最近、パスポート取得手続きが非常に厳しくなった(不正防止の為、チェック体制を強化したからだとか)。
1日に最大600人しか受け付けないそうで、サンパウロ市内ではここだけでしか出来ないんだそうだ。(ん、一部のショッピングセンターでも受け付けるって言う話もあったような?)
ともあれ、この600人にもぐりこむためには、冗談じゃなくて前日の夜から連邦警察前に並ぶらしい。
だから朝4時に行っても、もしかしたらもう遅いのかも知れない…。


それにしてもだ。
うちには泣く子も黙る「赤ん坊」がいるんだぞ!
この国では、銀行でもスーパーのレジでも何でも、列という列では赤ん坊抱っこ母さんが優先される。
その赤ん坊張本人のパスポートを作るんだぞ!
必ずや、赤ん坊優先レーンがあるはずだ…と訴えたら。やっぱりそうだったよ。普通に、朝8時前に着くように行けばいいことになったよ。
ホッ。


そして当日。8時10分前くらいに着いたんだけど、すでに赤ん坊レーンには10組以上の親子が並んでいた。
その後方には、赤ん坊ナシの一般客が、まさに建物をぐるりと囲むように長い長い列を作っていた。
600人って…どこまでなんだろう?


まず赤ん坊連れを入れて、続いて一般客を入れているようだった。入り口でセーニャ(番号)をもらった。
さて建物の中に入ってからは、写真を撮るためのブース(いくつもあった)に入るために少しまた並んだ。
でもせいぜい10組程度。


写真はキャノンの普通のデジカメを使って撮っていた。去年は各自が事前に写真館などで撮影し持参したものだけど、今回は連邦警察内で全員撮影することになっていた。
ほんと、ブラジルのこういうシステムって、すぐにコロコロ変わるんだよなぁ、もう。
少し前までは、このパスポート申請手続きだって、代理人にすべておまかせすればOKだったそうだ。
今は必ず保護者が同伴し、サインしなきゃいけないんだもんなぁ。まぁ不正防止を考えればそれがベストなんだろうけど。


なんとかアレックスを一人でイスに座らせ、ワンショット正面撮影にトライ。
なんだか怒った様な目が三角なような顔をしちゃったけど、まぁ目はつぶってなかったし、とりあえずOKをもらう。
ここで、古いパスポートを係員に渡し、代わりにパスポート引換証をもらった。6日後に新しいパスポートが完成しているようだ。
ほんとに6日後に取りに来て大丈夫だろうか…という気はするけれど。だってここはブラジルだし。


この後は、同時に迫っている我々家族の滞在ビザ更新手続きを行った。今のビザは2年で切れるんだよね。
これはいつ頃新しいものを受け取ることが出来るのだろう。ここはブラジル、先が見えないよ。
とりあえず、パスポートに、「現在ビザ切り替え手続き中」などと書かれたハンコを押してもらった。これがしばらくの間、私たちの身分証明書ということになる。


帰りの道路は激しく混んでいた。行きは20分ちょっとだった道のり、帰りは1時間半もかかったよ。
帰宅して初めて知ったけど、この日、朝から地下鉄がストに入っていたんだって。11時にスト解消されるまで、大変な混乱で、そのため仕方なく自家用車やタクシーで移動した人もかなりいたんだそうだ。
だからか。あんなに渋滞してたのは…。
心なしか長蛇の列に迫力がなかったのも、もしかしたら地下鉄の影響でいつもより並ぶ人の数が少なかったのかも。


ともあれ、無事に手続きが終了してよかった良かった。旅行までにパスポート取りに行かないとなぁ。
もう一仕事だ。