ビザ更新中にご用心


我々をキャンセルの危機に追い込んだのは、ビザ問題であった。
我が家は現在、アレックス出生に伴い、短期就労ビザから永住ビザに更新手続き中である。
手続き開始からかれこれ半年経つんだけどね、さすがブラジル、手続きにえらく時間がかかっている。
もちろんまだ永住ビザは下りていない状態。


ということは、我々は、一時的に「ビザなし」状態ということである。
パスポートには一応、「現在、ビザ更新中である」旨、明記されている。であれば、普通に考えて、特に問題なさそうでしょ?
ビザ更新中って明記されているんだから。怪しい不法滞在者でも何でもないわけでしょ。
ところが、その明記の中に、見逃してはならない一文があった。
「ビザ提出を求められた場合、入国は必ずしも保障されない」のような但し書きが。


つまり。
入国審査官か出国審査官か航空会社のカウンターのお姉さんだか知らないけど、我々のパスポートを見た人が、現在ビザなしであることに気づき、「ビザがないとダメだ」ともし指摘してきた場合、ブラジルに入国できないこともありうるよ〜、ということ。


それは困る。ブラジルに帰れないのは困る。
それ以上に、
日本のパスポートだからといって、日本に強制送還されたらもっと困る。


じゃあどうするかと言うと、旅行会社が勧める方法は、「旅先で観光ビザを取得すること」。
何ビザでもいいから、とにかくパスポートにビザがついてればOKというわけ。
しかしそれも馬鹿らしい話でしょうが。居住してるのに観光ビザですか?しかも1通7千円くらいかかるのよ?
それ以前に、私たちの旅行先カンクンには、ビザを発行する官庁(ブラジル大使館とか領事館とか)が存在しないのよ。
観光ビザを取るためだけにメキシコシティまで飛行機で2時間かけて行きますか?
そもそも観光ビザが1週間以内に降りるという保証があるんですか?


もう本当にありえないことだらけのブラジル。変すぎ。


で、これについても、あらゆる人に体験談を聞きまくった。だって、同じ状況でブラジル国外に出かけている知り合いがたくさんいるもの。
その結果、そのような但し書きがあることすら知らずに、全く問題なく入出国出来ている人ばかり。
念のため、たまたま旅行先に領事館があったので観光ビザを取った、という人もいたけれど。
同じようなビザ更新中の強制送還という話は、身近では一件も聞いていない。


結局、担当係官のご機嫌次第、というレベルの話らしい。しかも、交渉次第ですんなり通れるケースも多いという。
じゃあ大丈夫じゃん、私たちも知らん顔していようよ。
と思ったけど、それは周囲が許さない…。


そんなこんなで、知人の強力な助けもお借りし、公的書類(この人たちは現在ビザ更新中ですけど、いつからいつまで国を不在にしますよ、という連邦警察の証明書)を作成し、万が一の場合に備えた。
それが功を奏し、周囲の理解も得られ、なんとか出発1週間前になってやっと、旅行に行けることが決まったのであった。
ありがたや〜〜〜。(その節は本当に本当にありがとうございました!!!)


それにしても、ビザ更新中の人にどうしてそんなに厳しいのか…
ある人は、「永住ビザが欲しいということは、ブラジルにいたいということ。その申請最中の人が、ブラジルを不在にするのは、本気でブラジルに永住したいのではないんじゃない?と思われても当然よ」とおっしゃっていた。
むむむ。なるほど。それは一理あるかも。
でもさぁ、更新中であっても、仕事でどうしても海外にというビジネスマンだって多いでしょうし。
永住ビザが7年かかってやっと降りたという人もいる。じゃあその間7年間も海外に出ちゃいけないんですか?


なんかそのあたりがすっごく不思議なブラジルなのである。


結果オーライで、最終的に旅行に行けて、しかもすっごくすっごくいい旅だったので、良かったんだけどね。
しかも、用意した公的書類を見せることなく、普通に出入国が出来たんだけどね、やっぱり。(一応、ブラジル在住かどうかは聞かれたけれど)


同じような状況で、海外旅行を検討されている方、こんな話もあるんだよ…ということをちょっと頭に入れておかれるとよろしいかと思います。
そして、心配な方は、連邦警察などへご相談されることをお勧めします。
我が家はおそらく、永住ビザが下りるまでは、もう海外旅行は出来ないわね…。
(今回の件で、エネルギーを使いすぎた。正直、疲れましたわ、ビザ問題は→でもキャンセル料10万円を発生させないために頑張った。)
今後は、永住ビザ申請者らしく、おとなしく国内にいることにするよ…とほほ。


(なお、この手続きについては、システムが1年や半年でコロコロ変わることがあるので、去年は状況が違っていたり、来年はまた変更されるかも知れません。ご了承くださいまし。)