コロニア語…コイよ、おまえもか!


ブラジルに住む日系人、特に現在50代以上くらいの、1世もしくは2世くらいの方々が使う「日本語・ポル語ミックス言葉」のことを「コロニア語」と呼ぶらしい。
このコロニア語、最近の我が家の共通語になりつつあるからコワイ…。
コロニア語の主導者は、コイである。


コイのコロニア語…具体的にどういうことかというと。
水泳パンツのウエスト調整ひもを指差して、
「ママ〜、ここアマハーして〜」(アマハー:結ぶ という意味の動詞・ポル語)


アレックスを見て、
「ママ〜、アレックスがメーザにセンタしてるよ〜」(メーザ:机、センタ:座る)


…という具合に、日本語の文章に、ところどころポル語の単語が混ざるのだ。
もちろんコイは、机という日本語も、結ぶという日本語も知っている。だから全部を日本語で言えばよさそうなのに、なぜかところどころポル語が入っちゃうんだなぁ。
単語によっては、ポル語でしか言えないものも出てきた。たとえば、ヘランパゴ。確か「稲光」という意味なんだけどね、いなびかり、より先にヘランパゴで覚えちゃったんだな。


コイのポル語は着実に上達しているから、そんなふうにポル語を混ぜて話しているときには、
「アマハーって言うんだったら、全部をポル語で話してみたら?」と切り返してみる。
すると、ちゃんと文章にしてポル語で言えるんだから、すごい。結構、時制とか一人称・ニ人称の動詞活用がちゃんと合ってたりするから、すごい。
私が間違った活用で話すと、しっかり訂正してくるから、こわい。
「エウ コンプロウ…」とやると、
「ママ! エウはコンプレイだよ。コンプロウはヴォセでしょ」と来る。しかもその発音がすごくブラジル人っぽかったりして、くやしい。


もちろん、日本語もちゃんと覚えてくれないと困るので、逆に「全部を日本語で話してみて」と切り返すようにもしている。
そうすると、意外な単語の日本語版を知らなかったりする。
いつだったか、アメリカ生活の長かった小学生が、とっても簡単な熟語…「校庭」だったかな、コウテイ、という音を聞いても意味がわからなかった…というエピソードを読んだことがある。
なるほど、それも納得。
日本にいるより、日本語に接する時間もチャンスも少ないんだから、語彙も少なくなって当然だよね。
もう少し大きくなって、本格的に「国語」を学ぶようになったら、日本にいるときよりも意識して本を読ませたほうがいいなぁ、と思う次第。


それにしても子どもは吸収が早いね、特に言語習得に関しては。くやしいねぇ。
さして努力してるわけじゃないだろうに。
私も負けずにコロニア語で、覚えたての表現や単語を交えてコイに対抗している今日このごろ。
最近は外で友達と会っているときも、なんとなくコロニア語になってたりして…。
私も立派な日系1世かしら?