韓国フェアin名寄


名寄で韓国フェアがあった。
名寄と韓国?何か関係、あったっけ???と思ったら、今、韓国で日本語を学んでいる大学生が、研修のため名寄を訪れているんだそうだ。
市民との交流を深めようと、有志が企画したイベントが、この韓国フェア。
父に孫二人とともにお留守番してもらい、久々に母と娘、女二人でお出かけして来ましたよ。


会場のホテルの宴会場はものすごい人だかり!
正直、あの人出にはビックリですよ。
廊下に設けられた韓国料理の屋台コーナーには長蛇の列…
ステージのあるホールの席はすぐに満席…
恐るべし、韓国パワー???


もともと、札幌や旭川と言った都会と違って、イベントがあまり多くない地域だから、こういった機会を十分楽しもう!という市民が多いのかも知れない。
ともあれ、この大盛況ぶりは素晴らしいことだ。





私と母も、屋台の「韓国おでん」(はんぺんみたいな練りものでした)と「豚バラキムチ」(厚切り豚バラが美味しかった)をつまみ、ステージの出し物を見学。
見た目は日本人と変わらない大学生の男女20数名が民族服を着て、韓国ポップスと思しき歌を元気な振り付きで歌ってくれました。
もちろん韓国語でね。


会場奥には物産コーナーがあり、ヨン様グッズやキムチなどの食品を買うことができる。
私の好物、辛ラーメンの姿も発見!カップ入りと袋入りの2タイプがあったけど、売り子の韓国人女子いわく「袋の方が美味しいです」と。
その通り〜。私も袋の方が断然好き!ってことで、5袋入り500円でお買い上げ〜。ひと袋100円ならブラジルより安いわん♪



その売り子さんたちは、さっきまでステージで歌っていた学生さんたちなんだけど、まぁ皆さん驚くほど日本語が上手!
ちゃんとした敬語で、発音もしっかりとしていて、とにかく流暢なのだ…。
彼らは、韓国国内の複数の大学の日本語学科から選抜されて来た優秀な学生さんたち。すでに日常会話には不便のないレベルであった。
一応、「日本語のどんなところが難しい?」と聞いてみたら、


「ざじずぜぞの発音」


と複数の学生さんが回答した。
確かに、韓国人が言うと「じゃじじゅじぇじょ」に聞こえちゃうね。ちょっと舌っ足らずなざじずぜぞというか。
その反面、フランス人が苦手な「らりるれろ」は完璧。
母国語の違いによって、発音のクセは全然違うんだなぁと改めて納得であります。


一眼レフを下げたおじさまが彼女たちの近くにいた。
聞くと、彼が今回の引率教授であった。もちろん日本語ペラペラの韓国人日本語教師である。
これは日本語教師としての話を聞くいい機会!と思い、あれこれ、話し込んでしまった…。
先生も、私がいまブラジルに住んでいるという点に興味を持ってくれ、話は尽きなかった。


先生は、韓国の大学で4年間みっちり日本語を学び、その後日本に5年半、留学で住んでいたそうだ。
先生いわく、日本に住んで2年目くらいの時、「完全に自分がバイリンガルになった」という感覚が訪れたんだそうだ。
その体験は、ある日のスーパーマーケット。韓国人居住者がほぼ皆無のその町のスーパー
に行った時、急に、周りが全員韓国語を話しているような錯覚に陥ったんだそうだ。
耳に入る言葉すべてが韓国語…


もちろん、それは実際にはすべて日本人による日本語だったわけなんだけど、つまり、日本語が、母国語である韓国語に聞こえてしまうほど普通に耳に入ってきたということ。
それからは、本当に「ラク」に日本語を話せるようになったんだそうだ。
日本にいて、韓国語で話すより日本語で話す方がラクになったんだそうだ。それってスゴイ!!


日本から戻ってすでに5年以上経過しているので、当時ほどうまく日本語を話せないけど…と謙遜する先生だったけど、いえいえどうして。かなりナチュラルです。
ちょっとなまってる日本人のオジサン、っていうくらい。


先生からはいろいろ興味深いお話を伺った。先生も家族(奥さんと1歳の息子さん)を連れて日本に来たんだそうで、子供の言葉問題についてもかなり深く語り合った。
子どもって覚えるのは早いけど、忘れるのも早いですよね…と一般論を振ってみたら、
子どもは語学を「学んで」いるのではなく、「習得して」いるだけだから、身についていないのだ。忘れるのも早いのだ、と。
耳で聞いて、口で真似ていることを繰り返すのは「習得」であって、本や字を見て覚えようとする「学習」とは違う種類の脳の使い方なのだ、と。


なーるーほーどー。
私もそうだ。
ポル語の家庭教師の先生と、「会話」を中心にやっていた時より、くもんで「読み書き」の特訓を始めてからの方が、断然、ポル語の覚えが良くなった気がする。
単語やセンテンスを「目で見て」「書いて」覚える方が、頭に残っている。
それが、習得と学習の違いなのかなぁ…と、自分の体験を振り返って実感した次第。


だから、コイに、英語やポル語をずっと覚えててもらおうと思ったら、会話もそうだけど読み書きを続けさせることが大事、というわけね。
「子ども自身は、いろんな言語をやらされてイヤだなぁと思うかもしれないけど、子ども時代の語学環境は誰でも自由に作れるわけではない。親の都合で海外で暮らさせている子供に対し、申し訳ないと思うこともあるかもしれないけど、語学環境については何物にも代えられない子どもへのプレゼントなんですよ」と。
そんな力強い言葉も頂いて、なんだか思いがけない場所ですっかり勇気づけられてしまった。


先生のお知り合いがサンパウロ大学で日本語を教えていらっしゃるとかで、ぜひいつかブラジルにも行ってみたいと言う先生。
私が韓国を旅行することがあればいつでもガイドしますよ日本語で!とありがたいお申し出も。
そんな再会がいつか実現すれば、本当に素敵だなぁ…と思う。
アン先生、出会えて良かったです。ありがとうございました!!!