カンピオナート・カラテ


コイの放課後の習い事第2段は空手。サッカーに続いて、今度は空手のお披露目行事、Campeonato Karateがあった。


ブラジルでは、それこそ、私立の幼稚園や学校…日系、非日系を問わず、必ずと言っていいほど課外活動のオプションに武道が入っている。
それはジュドーだったり、カラテだったり、テコンドーだったり、アイキドーだったり、学校によってまちまちだけど。
ちなみにコイの学校ではカラテとカポエイラがあり、アレックスの幼稚園では柔道とカポエイラがある。サンパウロではカポエイラのある学校は、知る限りでは少なかったけど(アイキドーとジュドーはあったな。)、さすが発祥の地とされるサルバドールだ。
残念ながら課外活動は2つまでしかできないので、コイはカポエイラをあきらめたのだけれど。


そんなわけで、コイみずからの希望で、「サッカーと空手!」ということだったのだ。空手が具体的にどんなものなのか、コイも私もよくわからずに、とにかく道着を買って会したのが今年の4月。


それから2か月ちょっと。さっそく、カンピオナート(選手権、大会)が行われるという。
コイのレベルで何ができるのか、まったく想像も出来なかったけど、本人はやたらと張り切っている。まだ始めて間もないから、きっと当日は見学しているだけなんだろうと思ってた私だけど、本人はやる気満々である。
頼もしいもんだ。



当日は、体育館に特設会場が即席で設けられ、なかなか本格的な雰囲気。
いつも指導に当たっている先生とは別に、黒帯の強そうなブラジル人選手が数名ずらりと並んだ。一人、茶色の帯の少年もいた。
みんなかっこいいぞ!



胸のワッペンには、ニッポンの文字が…。
よくわからないけど、流派?はShotokanというのかな。松濤館?!
コイの道着(キモノ、と呼ばれている)にもshotokanの文字が入っているから。


そして茶帯の少年の模範演技?のあと、大きい子から順に、二人ずつマットの上に立って、なにやら試合らしきものが始まった。
右が赤、左が青の選手。二人が同時に、同じ動きをしているようだ。
コイが時々練習している「カタ」のようだ。どうやら、プリメイロ・カタ(直訳すると第一の型)をやっている。


一通り終わったら、3人の判定員が青か赤の旗をあげる。多くの旗を得た方が勝ち、ということで、結果は「ハンテイ アカ!」などと日本語の単語で告げられる。
武道の世界では、多くの単語が日本語のまま使われているのね。そういうことも、今まで知る由もなかったから、コイのおかげでまた新しい発見ができて楽しい!


この子がハンサムでねぇ〜。金髪ですらっとして。不思議とキモノも似合うこと。




女の子の試合もありましたよ。6歳くらい?時々笑顔を見せながらの型。
かわいい。


そしていよいよコイも登場。ほんとにやるんだ〜。
最初におじぎをするシーンに、思わず感激。それだけで感動の母であります。(親ばか全開!!!)


ドキドキしながら型の動きを見つめ、そのすきにシャッターを切り…
でも太陽光の入らない午後の体育館は、なかなかいい色で撮るのが難しいよ。うう。
コイは、親のひいき目かも知れないけど、真剣さがあふれる顔つきで、動きもシャープで、すごくかっこよかった。
まだどうせ何もできないだろう、と思いながら見ていたから、一つ一つの動きが「すごいっ!!!」とうなってしまうような。


そして結果は、1回戦、2回戦と見事に勝利。
判定が出た後のあのうれしそうな顔といったら!
日ごろ、誰かと競争するとか、評価されるとか、そういう機会がまだない6歳の彼だから、今日の体験はとても印象的だったんだろうな。


3回戦がもう決勝だった。それほど人数の多くない大会だからね。
相手は格上の黄色帯の、年上の子。こりゃ難しいだろう…と思ったら、コイだってなかなか上手にやっているよ。
シャープさの質が違うというか、その子独特のスタイルがあって、個性的な演出。コイはどちらかというと基本に忠実なオーソドックスな感じ。
結果は、2対1で負け…。で、2位の座に輝きましたとさ。
母としては、一人でも判定員がコイを選んでくれたことがうれしかった。コイが終始、やる気を見せていたのがとても良かった。



その試合は「組手」というスタイルのものだったようだ。コイいわく、二人のうちどっちがかっこよく出来たかが決め手だそうだ。
厳密なルールは全然わかんないけど、たぶん、そういうことなんだろうね。


続いて、大きい子たちによる、防具をつけた戦いが始まった。へぇー、カラテって、こういう格好もするんだ。
ちょっとテコンドーみたい???
空手って寸止めじゃなかったっけ?みんな普通にキックしているようですけど…。
と、なんだかわからないまま、なんだかすごーーーい…と思いつつ見ていた。いつかは、コイもこんな風に戦うのかな、って想像しながら。



サッカーにしても空手にしても、本人が好きで、いつも楽しみにしてやっているというのがすごくいいと思う。
スポーツが好きな男の子は、私は好きよ。いつまでこのヤル気が続くかは謎だけど、本人がやりたいという限り、頑張って続けてほしいものだわ。