治安についてこのごろ思うこと


サンパウロとサルバドール、どっちが治安悪い?と聞かれることがよくある。
どっちが悪いって…
ここはブラジルなんで…治安が悪いことには違いない両都市だけれども。
そもそも治安って何じゃ?と思わなくもない今日この頃。


日本では、信じられないような恐ろしい犯罪がひんぱんに起きているよね?
「誰でもいいから殺したい」的な、猟奇的な殺人。
先日の秋葉原の事件には言葉もありませんよ。どうして最近の日本では、ああいう、精神的に病んでいる若者による事件が後を絶たないんだろう。
ああいうことをやってしまう人は精神的な病気なのであって、病気ならある程度予防医学ってものもあるわけだし…もっとなんとかならないのかな、と思う。
だって繰り返される一方じゃないの。
予備軍はいっぱいいる、なんて言われながら、だったらそういう予備軍に対するケアみたいなものはできないのかい???


人の命がどれだけ重いかってこと、どうしてわからないんだろうな。


と、日本のほうがそういう意味でよっぽど危険な国なんじゃないの、と思わなくもない今日この頃。


ブラジルの治安はなぜ悪いかというと、
貧しい人が盗みを働く。
麻薬関係者が闘争する。


大きくはこの2点なんじゃないのかな、と思う。
泥棒は本当に日常茶飯事と言っていいほど、どの町でも、頻繁に起こっていると思う。数え切れないほど。
被害の規模の大小こそあれ。基本的に、犯人に抵抗しなければ、命までとられることはないと言われている。
犯人が欲しいのは人の命ではなく、お金だからね。シンプルな理由から起こりうる犯罪。


これを防ぐには、街を歩いているときお金を持っているように見られないようにするとか。
きれいに着飾ってたり、しっかり化粧してたり、いい腕時計やバッグを持っていたり…
そんな様子で街に出るのは危険。特に、日本人であるだけでお金持ちに見られるブラジルだから、せめて隠しきれない人種的な特徴(顔とか髪の色とか)以外は、なるべく現地化しないと。特にサルバドールではね、日本人が極端に少ないから、サンパウロのとき以上に装いには気をつけている。
着飾る時は、往復ともに自家用車を利用するときに限る。


あとは、車に乗っているときに襲ってくる泥棒を防ぐために、信号待ちで赤でも車が来てければ通過するとか。停車中にピストルを突きつけられる事件が多いのでね。
これはサンパウロもサルバドールも同じ。


少し前は、マンションを狙う集団強盗もよく耳にしたけど、最近は聞かないなぁ。犯罪にも流行があるのだろうか。
マンションは、通常、門番が24時間いて、人の出入りをチェックしているから、めったなことで悪い人は入らないはずだけれど。(うまくだまされる門番もいなくはないと思うけど)
セキュリティレベルの高い物件とそうでもない物件があるので、家を決めるとき、マンションの安全確認と、周囲の環境確認は一番大事なポイントになる。
家の築年数がどうとか、家賃が高いとか安いとか、湯船があるとかないとか、プールがあるとかないとか、そういうことじゃなくて、家選びは安全面をまず重視するべき。


そして麻薬関係者の闘争。これに巻き込まれてしまって失われる尊い命もあるけれど、こういった闘争は、基本的にはファベーラと呼ばれるスラム街の中で起こるとされている。
だから、スラム街に近寄らなければ、とりあえずこの手の犯罪にかかわることはないはず。


ファベーラといえば、サルバドールには、サンパウロ以上にファベーラが存在するような気がする。まぁサンパウロも広いから、中心街から離れていけば結構あるんだろうけれど、少なくとも普通に生活する範囲にはそれほどファベーラを目にすることはなかった。


ところがサルバドールは、ちょっと車で走れば、それこそ5分も走れば、一番近いファベーラが現れるという感じで、一応高級住宅街とされているこの辺りであっても、ファベーラは身近な存在だ。
我が家からセントロへ行く途中とか、我が家から空港へ行く途中とか、市内で一番大きな病院の裏手とか、それこそどこにでもファベーラが存在する。


仕事柄、市内のあちこちをまわっているダンナも同じことを感じている。サルバドールのファベーラの多さは、サンパウロの比ではない。出張で行ったレシフェの比でもない、と。


ファベーラが多いということは、生活レベルの低い人、というか低収入の人も多いわけで、そうなると道路の物乞いなども多くなるんだけど、それはサンパウロもサルバドールも変わらないかなぁ。


ともあれ、サンパウロであれサルバドールであれ、基本的なことに気をつけて外出していればそんなに言われるほど恐ろしくないわけで。
そうね、あとは、心の持ちようとして、何かあったとき(泥棒に絡まれた時とか)に、ポル語である程度対応できる度胸があると違うかも。
私は最初、サンパウロに来たばかりで全然言葉がわからなかったとき、街に出るのが本当に怖かったから。助けて、さえも言えるレベルではなかったからね。度胸がなくて。


そんな私ですが、今は普通に、ほかのブラジル人と同じように街を歩き、大学にも通い、日本人の行かないような店にも行ってます。
自分が恐ろしいと思う場所、ヤバイと感じる場所(本能的にそういう場所を感じることってあるよね?)は行かなければいいのであって。
普通に、ごく普通に、基本的なことに気をつけて行動すれば、ブラジルだってそんなにおびえるほどの国じゃないと思うんだよねぇ。


普通に、ごく普通に秋葉原を歩いていて、突然わけもなく殺される可能性がある日本のほうがよっぽど怖い…
そう思いません、在ブラジルの日本人の皆さん???