ポル語で日本語を


ひょんなことから、大学のクラスメートであるフランス人のラウラちゃんに、日本語を教えることになった。
ラウラちゃんと、その彼氏のパウロくん。ポルトガル生まれだけど幼少時にフランスに移り住んだという彼は、ポル語よりフランス語がペラペラで、二人の会話は完全にフランス語である。
…という二人に日本語を教えるって…。


英語もできるというから、英語で教えてくれてもいいよ、と言ってくれてたけど、今の私は英語じゃなくてポル語のほうがまだマシ。
幸い、ラウラちゃんもパウロくんも、私よりはポル語上手だから、下手な人のポル語も理解してくれるはず。
私としても、ポル語と日本語の比較に興味があるし、やるならポル語でやりたい。
というわけで媒介語はポル語で。


それにしても、日本語を見たこともない人に、どうやって日本語を教えるのか。
これ、案外、難しいよね。
コイに教えるのともわけが違う。
しゃべれない、読めない、文字を知らない、あいうえおすら、知らない…。


というわけで、レッスン開始にあたって、準備が結構大変だった。
このところ、ガラス事件を忘れるくらい忙しかったのは、そのせい。久々にブログ以外で夜中までPCに向かったよ(笑)
ネットで調べたり、日本から取り寄せたテキストを見たりして、自分なりの教材を作ってみた。
初回は、日本語って何ぞや?というウンチクを語ろうと思って、それについても資料を作った。
何がポル語と違うのか。どう違うのか。どれだけ特殊な言語なのか…というあたりを、ちょこっと解説したくて。
実はそれが一番難しかったんだけど。


そして迎えたレッスン初日。そりゃ緊張もしたけど、まぁ、勝手知ったるラウラちゃんが相手だからねぇ。まったくのゼロな関係じゃなかったから、緊張もすぐに溶け。
二人とも、青く澄んだ眼をまんまるくして、始めて見るひらがな表や漢字一覧に驚いてくれた。
私のポル語による解説も、どうやらわかってくれた…はず。
レッスンの最後には、「いい授業でした。とても気に入ったよ!」とのおほめの言葉までいただき、うれしい限り。


授業の進め方とか、ペースはどうだったかなぁ、とか。
内容、詰め込みすぎじゃなかったかなぁ、とか。
いろいろと反省するところはあったけど、ま、気に入ってくれたようなので一安心。


次回まで、また教材の準備をしなきゃならないけど、楽しいから、好きだから苦にならない。
くもんの宿題をさぼってでも(苦笑)、教材作りに励む私。
そういえばくもんももうかれこれ開始より丸2年とちょっと経過した。
今はようやくFというレベルに来ている。いわゆる文法部分は終わって、Fからは読解問題と語彙強化問題が中心だ。
これは、かーなーり、難しいです。全然聞いたこともない単語が平気で出てくる。で、辞書を引くと、ちゃんと何食わぬ顔で載ってる。って、当り前か。
でも、きっとくもんで文章問題をやらなかったら出会わないであろう語彙ばかりなので、これも試練、というか経験として頑張ろうと思ってる。


ところで今の教室の先生は、採点、かなり甘いっす。
サンパウロの教室では、かなりやり直しさせられ、自由作文ではかなり重箱の隅まで突かれましたけど、今の先生、かなりスルーしてくれてます。
い、いいのか?
たぶん、外国人にしてはがんばってるな〜、という目線で採点してくれてるような気がする。
私は、それじゃ嫌なんだけどね。せっかくだから、細かいところまで見てほしいんだよね。
あまりに気になるようになったら、先生にちゃんと言ってみようと思う。きっと、わかってくれる先生だから。



さて、こんなふうに、午前中は大学で頭を駆使し、午後は初レッスンで頭を駆使し…おまけにくもんの文章を読み…
いやぁ、頭を使うと、不思議と体まで疲れるのねぇ。
というか、眠くて眠くて。夜、起きていられなった。疲れてるんだなぁ、と実感する眠気。
我慢せず、9時半にはベッドに入りましたよ。
なのに、いつもの朝の時間に起きるのがつらかった。睡眠時間、いつもより長いのにね。
疲れるのは、何も、運動や肉体労働だけじゃないのよねぇ。という当たり前のことを実感。