雨に打たれて初登校


雨期ですなぁ…
と、毎日つぶやきたくなるくらい、ここんとこよく雨が降る。


どしゃぶりの朝6時50分に、コイは初めてのスクールバスに乗り、登校初日を迎えた。ほんっと、ものすごい雨で、肌寒かったから、バイーアなのにパーカーを着せようかと思ったくらい。


その雨も少しして弱まり、アレックスを幼稚園に連れていく頃には止んでいた。
そう、アレックスも今日からサルバドールでの幼稚園デビューしたのだ。


お昼過ぎ、私はコイの学校へ行ってきた。その時は晴れ。ギラギラ太陽の夏って感じ。
そこで私は、受付で用件(課外活動のことを知りたい)を伝え、あぁそれならあっちに行ってあそこを降りたところに受付事務所があるから…と言われ、一人、野放しにされた。
この広い敷地で、迷路のような校舎で、一人にされちゃってあぁどうしましょう???と思ったけど、まぁいいや、適当にうろついてみようと。
これを日本の学校でやったら間違いなく不審者扱いで、即刻、つまみだされるであろうよ(笑)
しかしここはオープンなのねぇ、適当にうろうろしていても、誰にも気に止められない。
ちょうど、小さい子のお迎えの時間だったからかなぁ。親らしき人の姿が他にもあったから。


うろついていると、ちょうどカポエイラの課外活動の部屋に出くわした。でも今は、小さい子のクラスしかないんだって。残念。
そして課外活動事務所を探してまた歩く…。しかし右も左もわからないので、廊下で出会う「大人」に質問してみる。
すると流暢な英語で答えが返ってきたりする。そうだった、ここは授業が英語で行われる学校だったよ。
そうとは気づかないくらい、門番も生徒も受付のお姉さんもみんな、普通にポル語なんだけどね。へぇ、英語オンリーのアメリカ人の先生も存在するんだ〜と逆に感心しちゃったくらい。
どういう学校だ、ここは。
そして私も英語よりポル語で話しているって、どうなんだ?


かくして、やっと課外活動事務所にたどりつき、概要を説明してもらった。
少し、体験レッスンを受けさせることが必要のようだ。また後日、コイと一緒に出直そう。


それからまたうろうろし、総合受付に戻り、今度はコイのクラスの様子を見学させてほしいと申し出た。
すると冷たく「授業中は見学禁止です。どうしてもというなら、窓の外から少しだけのぞいてください」と。ほうほう、そうですか、わかりましたよ…
と、コイの教室の方に向かったら、ちょうど昼休みで外の広場で遊んでいる最中だった。
親の心配もよそに、普通に、他の友達と一緒に笑いながら、じゃれあいながら遊んでいた。全く、たいしたもんだよ、我が子ながら…。


子どもたちを監視していた女の先生の近くに寄ってみたら、さっきの受付の冷たさとは正反対で、心良く歓迎された。
いろいろ話を聞かせてくれ、教室まで入れてくれた。おやつの様子や、自由遊びの様子、帰りの会の様子まで見せてくれたよ。
生徒数はひとクラス20人ちょっと。ちょうどいいんじゃないかな。
様子を見ていると、英語がわからないコイに、他の子が教えてくれたりしていた。いいなぁ。こうやって子どもと子どもが助け合って、言葉を覚えていくのって。
きっとすぐに授業にもついていけるようになるよね。がんばれよ、コイ!




帰りはコイと一緒にスクールバスに乗せてもらってきた。高校生くらいの子も一緒だった。
やっぱり話してる言葉はポル語だ。うーん、みなさんホントに英語しゃべれるの?ってくらい、ポル語な世界…。
ま、バイリンガルなんでしょう、ということで。


それからアレックスを迎えに幼稚園へ。今日は初日だから、少し早めにと思って、空模様も確認せずにベビーカーで出かけた。
アレックスもまた、堂々たる様子で、もうずっと昔からここの園児だったみたいな顔して、他の子にまじって絵本を見ていた。
でも私の顔を見ると、喜んで寄って来た。そしてもう友達にバイバイと手を振っている…。ほんとは帰りたかったのか?(笑)
先生にも「よく食べ、よく眠り、とても静かでいい子だ」と褒められる。うーん、とても静かで…というくだりは疑問ですけど。


そしてベビーカーを押し帰途に着いたら…ポツポツと降り出した。
わわ、まずい。これは本降りになるのも時間の問題…。
大急ぎで押し進むも、雨のスピードにはかなわなかった。ついに大降りに!
うーん、どうしよう。どこかの軒下で少し待てば、きっと10分もしたらやむだろうと思った。
街角のバールのおじさんも、こっちで雨宿りしていけ、と手招きしてくれる。
うーん。


でもいいか。もう濡れちゃってるし。
傘をさしたブラジル人たちから、あらまぁずぶぬれで気の毒に…という顔をされながら、不思議な日本人ねぇと思われながら(その視線が結構痛いんだけど!)、びっしょりになって帰って来た。
雨も、冷たくないから、慣れちゃえば気持ちいい。
家に帰ってすぐにシャワーを浴びた。それでもうOKだもん。


くやしいことに、シャワーを浴び終わったころ、雨はすっかり上がっていた。
一日に何度も、こういう雨が降る。そして何事もなかったように、雨上がりの空はギラギラに輝く。
空のパワーがものすごいなぁ、と感じるサルバドールである。