ヴィラマリアパレード本番出場レポート


その日、私は朝から日本人学校の入学説明会に行き、なんだかドタバタとしていた。
昼寝をして夜に備えようと思ってたけど、帰宅したのが午後3時近く。それから子どもたちを4時に迎えに行き、夕食の支度をし、バタバタと化粧をし…
みんな我が家に集合し、サンバ会場に向かって出発したのが7時半ごろだった。
ちなみに、パレード出場予定時間は午前1時5分である。まだ6時間も前なのに!
というのも、ヴィラマリア参加者は全員とりあえずクアドラ(チームの本拠地である練習場)に集まれとの指示があったのだ。そこでグループ全員がまとまったうえで、バス100台で5000人が大移動するという。ひぇーーー。


ちなみに去年は別のチームだったけど、直接サンバ会場に行き、本拠地から到着した軍団に合流した。それで何の問題もなかったんだけど。
さすが?優勝を狙うチームは気合の入れようが違うのね。バスに乗り込むときからもう全員の気持ちを高めて、まとまっていくぞ!ということのようだよ。ふぅん。


それにしてもチーム本拠地はかなり遠い場所にある。サンバ会場からも遠いし、治安もよろしくない。そんなところに車を置いて、パレード後また車を取りに行くのも困る。


ということで、我々はいったんサンバ会場に自家用車を置き、サンバ会場からタクシーで集合場所へ移動することにした。パレード後はもう集合場所に戻る必要がないからね。


で。去年は確か8時過ぎに家を出て、余裕で駐車場に入れたから、今年も大丈夫だろう…と思ってたら。周辺の混雑状況が全然去年と違うーーー!!!
駐車場への長い列が出来ていた。ええ?どうしたよ今年のサンパウロ???
それでも、去年と同じ屋内の駐車場にギリギリ入ることができた。そこで今度はタクシーを探す。
しかし、これがなかなか見つからない…。
やっと見つかったと思ったら、今度は道路がありえないくらいの大渋滞…。
集合時間の10時までに着くだろうか?ハラハラしながら運転手をせかし、なんとかギリギリで到着…。
会場で仲間たちと合流し、他のグループの人たちと写真を撮ったりして過ごす。なんだ、まだまだ時間に余裕がありそうじゃないの。

この写真は、バイアーナと呼ばれる熟女(?)軍団の、衣装を着る前の状態。メ、メイクが…。


こちらは、女忍者?九の一軍団。美しい…。これがヴィラマリアのパシスタですわ。




さて、私。なんだかすでにこの時点でかなりの疲労感が…。
今日は妙に蒸し暑いし、余計にのどがかわく。それに加えてこの衣装、通気性が悪くて厚いよ!!!
これでパレード最後まで頑張れるかな…。


そうこうしているうちに、バスに乗り込むよう指示がある。同じ衣装のグループごとにバスに乗る。バスは、普段はサンパウロ市内の路線バスとして使われているものだった。なんか不思議な感じ。それが本当に100台くらい連なって、賑やかにサンバ会場に向かう。
バスが通る道中は、ヴィラマリアのおひざ元。住民たちは窓から顔を出したり、通りに出てきたりして、バスの中の踊り子に向かって手を振って激励してくれる。
地域をあげてのお祭りなんだな、と、なんだか微笑ましくなる光景。




20分ほど走っただろうか、やっとサンバ会場に戻ってきた。
整列が始まり、整列係の表情にも緊張感が走る。ああ、相変わらず怖いよこの人たち…。
一列7人横並び!!!と厳しく声がかかる。前ならえのようにして、列を揃える。やっぱりこのチーム、厳しいんだなぁ。




少しずつ隊列は前進し、スタート地点の巨大な照明が目に飛び込んでくる。いよいよ私たちのグループの番!
気持も高まってきて、いい感じ。
しっかり大きく口をあけて歌を歌いながら、元気に棒を上下に振って行進開始だーーー。


今回は左サイドの客席に友人たちが見に来てくれているので、踊りながらも目は友人を探している。でも…な、なんなんだこの観客数は…。去年はまばらだったから、友人の姿も簡単に見つかったのに、今年は満席じゃないのー。
でも、おかげでとても気持ちよく踊れたよね。大観衆に見守られ、1階席のお客さんとは目と目を合わせ、カメラマンにレンズ向けられれば満面の笑み…みんな許して、今だけ私はスターよっ(勘違い度100%)!って感じで、5000人の踊り子みんなが私と同じような気持ちでノリノリに輝いていたのではないかな。


それにしても暑い。暑い暑い。
どんどんマツケン服の中に汗が蓄積されていくのがわかるよ。ゴ、ゴールはまだ…???
ずっと歌い続けるものだから、息も上がって来る。これはすごいシェイプアップ効果を期待できそうだぞ。


約30分ちょっとの行進だっただろうか。今年は暑かったので長く感じたけれど、列の後半で踊っていたので、実質30分程度だったんだろうな。きらめく最後の照明スタンドをくぐると、達成感と安心感と疲労感で満たされた自分がいた。



本当は隊列は左側の道路にすぐはけるように指示されたけど、次々にゴールしてくる他のグループの様子が見たくて、私たちは数人でゴール地点に居残っていた。同じ考えの人はたくさんいて、さまざまな衣装の踊り子がゴール地点にあふれている。




バテリアや、ハイーニャや、パシスタなどのきれいどころと記念撮影したり。
役目を終えた巨大な山車をじっくり観察したり。
これもまた、踊りの後の楽しみなり。
残念ながらユカチャンの姿には出会えなかったけれどね…。




マツケン服のままいったん駐車場に戻り(これがまた遠い道のり…)、着替えて、今度は観客席に向かった。これまた遠い道のり…。踊り終わった後の、この歩行移動はキツイよなぁ。駐車場、もっと近ければなぁ。
ふらふらになりながらも、アルキバンカーダ(スタンドの自由席)のSetor Bへ上ると、うぇぇぇーー、まだまだお客さんがいっぱいだよぅ。
例年、3つ目のパレードが終わったくらいで、結構な数のお客さんが帰っちゃうんだよね。だから席も結構空くはずだったんだけど。今年はなんだか、みんな頑張って残ってるよ。


そんな具合だから、どこかにいるはずの友人たちとは一か所に集合できず。適宜、バラけての観賞となりました。
どうしたんだサンパウロ。この賑わい。過去2年と比べて全然違うぞ。


ヴィラマリアの次の次、トン・マイヨールから観賞することが出来た。このチームの練習を見に、サンボドロモに来たことがあった。その時はバテリアと先発隊(コミッサォン・ジ・フレンチ)だけの練習だったんだけど、バテリアに動きがあって可愛いなぁと思っていた。本番で、衣装をつけて元気いっぱいに叩きまくるバテリアは、本当に素敵だったよ。テーマはMPB。ブラジルのポピュラー音楽だ。著名な歌手や作曲家(トム・ジョビンとかかな?)の巨大な人形の山車があった。




その次がホーザス・ジ・オウロ。ホーザスとはバラの花の意味、チーム名は和訳すると「金のバラ」。なんとも豪華なんだけど、衣装もピンクベースで華やか。しかも今年のテーマはバラの香りというそのものズバリなテーマ。
山車から、バラの芳香剤がぶわーーーっと出てくる演出だった。こういうのは、テレビでは味わえない生の魅力だよね。
このチームもすごくいい印象。でも実は後半、眠気に負けてウトウト半目状態だったんだけどね。





みんなが同じ状況だったので、残念ながら今年も最後の1チーム(これまた去年と同じネネ・ダ・ヴィラ・マチウジ)を見ることなく会場を後にした。時計は朝の5時半くらいになっていたかな。ようやく少し、お客さんも帰り始めた感じ。
最後まで私はフリースを着込むことなく、ショートパンツのままで観覧した。そのくらい、夜でも気温がそれなりに高かったのだ。
去年は、寒さに耐えられず早々に引き揚げる人が多かったように思える。今年は、この気候も幸いしたんだね、サンパウロのカーニバルの大盛況…。


帰宅したら子どもたちが一部すでに目覚めていて、青ざめる親たち…。わ、わたしたち今から寝たいんですけど…あなたがた一人で起きててくれますか…。
ババさんに9時過ぎまで家にいてもらい、とりあえず6時半から9時まで眠った。泥のように眠った。