夏を彩る紫…クワレズマ

夏になると、街のあちこちで明るい紫色を目にする。
日本から来た誰もが「ん?あれは何ていう花?」と不思議に思うんじゃないかしら。
年末に遊びに来た義父も、そういえばリベルダージの大阪橋から見下ろす景色の中にこの紫を見つけて「あの花は何?」って聞いてきたものなぁ。
そのときは私もハッキリと名前を知らなかったから、答えてあげられなかったんだけれど。


その花は、こちら。


サンパウロの皆さんにはおなじみですね?
それこそ、犬も歩けばこの花に当たる、ってくらい街路樹としてはポピュラーですよね。
名前は、クワレズマ。
この街で長年観光ガイドをしているTさんに教えてもらいました。


ワレズマ?

その音だけを聞くと、なんだかあまりにピンと来なくて、思わず「ポル語では何ていうんですか?」と聞いてしまった私。
あらぁ、これ、ポルトガル語よ〜!とTさん。
ええ?日本語だと思った?
「喰われ妻?」とか?


食われた妻って… そんな花って…。
私はそこまで想像できなかったけど(笑)、なんだか日本語の響きにも聞こえません?クワレズマ。


さっそく辞書で調べてみようっと。思ったら、ク…って、Kから始まるわけじゃないよなぁ。
Kは、ポル語のアルファベットには存在しないのですよ。外来語には使うけれど。(最近は、あえてオシャレ感を出すためか?Kの字もよく見かけるけれどね、商品名とかレストラン名とかに)
じゃぁやっぱりQから始まるのか?と思って調べたら、そうでした。


Quaresma と書くのでした。
和ポ辞典には、一言「シュロ属の樹木」とだけ書かれていました。
こーんなにブラジルではポピュラーな花なのに、あらまぁ、辞書ではずいぶんあっさりした紹介なのね。紫のムの字もなかったよ。


結構華やかな紫なので(お金持ちのご夫人が夜の集まりで着るドレスみたいな色じゃない?)、サンパウロの夏を彩るのにずいぶん貢献している花だと思います。
このほかにも、可愛いピンクや濃いピンクで、やはり木に咲く花があって、それらも素敵です。
私は基本的に「木に咲く花」が好きなので、そういった花が咲き乱れるサンパウロの夏は結構好きかも。


こんなふうに、ジャルジン地区の高級シュラスコ屋さんの背景にも、紫がほんのり見えてますね?



夏が終わる前に書いておきたいネタだったんだけれども…ブラジルは今日、3月20日から秋になってしまったよ。カレンダーにもしっかり「Outono(秋)」とかかれておりますよ。日本の春分の日より一日早いんだね。