5歳のささやかなフェスタ(誕生会)



アレックスの入院で一時は開催が危ぶまれていたコイの5歳の誕生会。
なんとかその1週間前に退院できたので、よかったねぇ、おうちでコイのお祝いができるね!と一安心したところだった。
しかーし、退院直後、私はぐったりしていたため、誕生会でケーキを焼くことはおろか、まともな料理さえ作れるかどうか微妙な状態…
だって何にもしたくなかったんだもん、ほんとに。とにかくゆっくりしたかった。
だから、友達家族は何組か呼ぼうと漠然と考えてはいたけど、直前まで行動を起こさなかったし。
料理は出前で済ませようと思っていたし。(幸いサンパウロにはパーティ用デリバリー寿司などの業者がいるのよ〜)
ケーキは早々にお菓子屋に注文しちゃったし。
ご、ごめんよ、手を抜きまくりで…。と、後ろめたさいっぱいに、まったりと準備を進めていた。


ところが当日の2〜3日前に、突然、ちょこっとだけ料理の神様が降りてきたようだ。
何も特別なごちそうにしなくても、いつもの料理でコイが好きなものを作ればいいじゃないか。
そういえばちょうど金曜日にフェイラがあるじゃないか。
よぉし!
ムクムクとヤル気が起き、結局、金曜の夜から一人台所にこもり、土曜の夕方のパーティに向けて、もくもくと仕込みをしたのであった。
ビールやジュースは近所のスーパーで大量に買い込み、自宅まで配送してもらった。
こんなときスーパーの配送サービスは便利よねぇ。わざわざ週末にダンナの車をあてにしなくても、重い洗剤やお米や水やビールを心置きなく買えるんだもの。
ブラジルに来たばかりのことは、そんなこと知らなかったからなぁ。


さて当日(都合によりほんとの誕生日より一日早い土曜日)、夕方から続々と友達家族が集まってきた。声をかけたのは、コイがぜひ来て欲しいとせがんだお友達とその家族。
なぜか女の子ばかりになっちゃって、なんとも華やかな誕生会になっちゃった。いつもは男所帯の我が家…今日はもちろんパパたちも来てくれたんだけどね、やっぱり圧倒的に女性優位だったねぇ。
まずは子どもも大人も全員で乾杯!おたんじょうびおめでとう〜!と一斉に声をそろえ、コップをカチン。
このときのコイのうれしそうな顔…。あぁ、この日をみんなで迎えることができて、本当に良かったと心底思った瞬間。
あんな顔、初めて見たかも。しっかりと自分のためのお祝いであることを理解し、前々から楽しみにし、「あと何回寝たらコイくんのフェスタ?」と指折り数え…そのうえで迎えたこの瞬間。
やっぱり3歳とも4歳とも違う、5歳の誕生日だなぁ、と実感した。



そして私の料理もなんとか次々とテーブルに並べることが出来た。ラインナップは、こんな感じ。
(わ、わたしとしたことが、バタバタしすぎて料理の写真を一枚も撮ってないよ!)


・ちらしずし
・ナスのグラタン
・煮豚と煮卵 →ここまではコイのリクエス

・ローストビーフ 
・キュウリの辛味漬け
・キャベツの味噌漬け   
・和風チキンサラダ →このあたりは私が食べたかったからつくった


これに加え、からあげと、厚揚げのきのこあんかけもスタンバイしてたんだけど、結局作らずに終わってしまった…
結構、足りるものなのね。上記のメニューで、皆さんなんとかお腹は満足してくれたよう。ホッ。
肝心の主役はちらしずしにのっかっているエビばかりつまんでいて、あとは遊びに夢中で、食べてたんだかどうなんだか微妙。
食欲が戻ったアレックスは、はじめての酢飯もなんのその、ちらしずしを大食い。さすがだ…。


子どもは子どもで遊び、大人は大人で飲み、食べ、しゃべる。これぞ、ホームパーティの醍醐味だねぇ。
料理も好評で一安心。ね、いつもの料理ばかりだけど、なんとかなるもんです、ええ。
とりわけ煮豚・煮卵と、ローストビーフが人気のようで、レシピ本を借りていった友達もあり…。うれしいねぇ、素直に。
(そういえば唯一のブラジル人ママ友達には、和風サラダのドレッシングby栗原はるみが大好評!きっと日本食を食べなれていないと思うんだけど、喜んでもらえて良かった〜)


そんなわけで、私もコイもいい気分〜〜〜。
ひととおり飲んで食べたら、これまた配達サービスで届けてもらったケーキ(お気に入りのチョコ専門店、Cacao Showのもの)をテーブルに並べ、イチゴとロウソクをトッピング。
いよいよ部屋を暗くして、パラベンスの大合唱だ。ハッピーバースデーのポル語版、誰もがばっちり歌えている駐在2年目、って感じ。
これまた至福の表情でうっとり5のロウソクを見つめるコイ…。うれしいんだねぇ。よかったねぇ。
満足げにふーっと吹き消して、周りから拍手が沸き起こった。
あやうく病院でしんみりケーキを囲むところだったのに、こんなに多くの友達に囲まれて、あぁ本当に幸せだったね…。


このケーキもかなり私好みで、さすがチョコ専門店らしく、チョコの部分がとても美味しかった。
余力があれば本当は手作りしたかったんだけどね。(材料だけは揃えておいたのに)


夜遅くまでテンションが高いまま、みんなが帰った後もいただいたプレゼントのおもちゃで遊びたいと言い、12時近くまで頑張って起きていたコイ。
もちろんアレックスも兄のテンションに付き合って、深夜近くまで目がぱっちり。
ま、今日だけは特別よ。


急な声がけにもかかわらず一緒に祝ってくれたお友達、パパママたち、本当にどうもありがとう。
私の出産5周年記念日は、いつにも増して格別な一日になりました。本当にありがとう。
この日までに元気を取り戻してくれたアレックスにもありがとう、だね。