カルナヴァル出場レポ:その②楽しければOK?の本番


【いざ本番!サンバをどう踊るか?】

そこからはもう、とにかく踊るのみ。動き続けるのみ。歌い続けるのみ!
笑顔を絶やさず、観客席に目を配り、目が会ったらスマイル!
な〜んて心がけたのは私だけじゃないはず。ここに来たら、誰もが主役気分間違いなし。気持ちいいよ〜〜〜。


肝心の踊り方だけど、たとえばヨサコイのように、きちっと振り付けが全部決まっていてそれを覚えなければいけないわけでは全くない。
難しいサンバステップだって、全然できなくたって構わない。
出場前に聞いていたのは、とりあえずサビの部分の共通振り付け(せいぜい4小節〜6小節くらいのもの)を、手だけ揃えて踊れば問題ない、ということ。
それなら、これまでの練習会でバッチリ習得済みだ。まかせて!!

っと思ったら。
同じ衣装を身につけた前後のブラジル人たち。ぜーーーんぜん、振りを覚えてないんだよ。
どう見ても、過去3回の練習会に参加してないと思われ。
いや、それは別にいいんだけどね、当日その場で多少でも周りを見て、決めのポーズくらい覚えようと思わないか普通???
そんな様子も全くなし。
ヤル気マンマンでこの日を迎えた「真面目な」日本人の私たち夫婦から見たら、あんたたち本気でパレードに出てるの??ヤル気あるの???
本気で後ろからどついたるねん!と思っちゃったよ…
振りと言ったって、それこそ観客席の人たちでもすぐに真似できるような振りなんだよぅ。
その程度だもん、ちゃんと揃えようよ〜。
とにかく、隊列といい振りのいい加減さといい、あまりにアバウトな青衣装グループなのであった。げんなり。


ま、途中からは、踊る阿呆なんだからそれぞれが楽しめればいいのか…と開き直り、楽しく踊ったけどね。
これが結構疲れるね。しかも、頭の羽帽子がズレるズレる。何度も直しながら踊った。
ずっと歌を口ずさむからのども渇く。気温は結構低いはずなのに、体はホカホカと火照る。
これが、カルナヴァルに出るってことなんだ…。


写真は、たまたま見に来ていた友達が、たまたま私たちを見つけてくれて撮影してくれた一枚。すごい!よくわかったね〜。
中央の横顔がまぎれもなく私だよ!爪がほら、青いでしょ?
Yちゃん、ありがとう…。踊っている最中の写真は、これが唯一だよ。



【踊り終えたら…】


ゴールまでは結構あっという間に思えた。バテリアだまりを過ぎて、まだしばらくあったはずなのに、あれぇ、もう終わりなの?って感じ。
ゴール地点も、きらめくライトに照らされて。振り返ると、巨大な山車がまだパレードを続けていて、次々に踊り終えた人たちがフィニッシュしてくる。
体がビールを求めていて、目が自然とビール売りを探していて。やっと見つけてプシュウと缶を開けて、ひとくち飲んだときのおいしさったら!!!
どんな高級レストランで味わうショッピよりも美味しく感じられたよ。


すぐに帰りのバスに戻る人、そのままパレードを見守る人、まだまだ踊っている人、抱き合ってキスする人…。ゴール地点の人々の様子はさまざま。
私たちも、最後まで我がチームを見届けることにした。
へぇ、こういう山車だったんだー。色がテーマだし、あぁそういえばアートという言葉も歌詞に登場したから、絵筆やパレットがモチーフになってるんだ…
そんなことにいちいちうなずきつつ、結局、最後の最後までその場所にいた。

人がだいぶ去った頃、おやおや、ひときわセクシーな衣装でインタビューに答えているお姉様がひとり。
よく見ると、先日の練習会でテレビに出ている人とも知らず無謀にも声をかけ、一緒に写真撮影してもらったバテリアの女王、タニア嬢ではないですか!
これはぜひともまた一緒に記念撮影を…と思い、テレビクルーが去るのを待って周りをウロウロ。こ、これじゃまるで、追っかけファンの男の子状態?
完全に怪しい日本人カップル…。


その様子を見たあるクルーの男性がひとこと、彼女はシンパチカ(友好的・好感度抜群)だから写真もOKだよ〜、ボクがシャッター押すからさぁ行きな行きな!と背中を押してくれた。
あ、ありえない…。日本じゃありえないことだ…。(さらに、彼自身もタニアの横で写真におさまってた。あ、ありえない〜)


で、勇気を出してお願いしたのがこの1枚。
ね〜。パレードに出たゾ!という立派な証拠写真ができました。ありがとうタニア。
彼女、以前も会って話しかけたことを覚えていてくれたよ。カルナヴァル楽しかった?って聞いてくれた。
もちろんよ!ゴスターモス!!と答えたら、うれしそうにしていたよ。

【踊る阿呆は見る阿呆へと】

衣装のまま駐車場まで約1キロ半の道のりを歩いて戻った。
さすがに足が疲れていた。のろのろと、ゆっくりと、燃え尽きたひと状態でなんとか車にたどり着き、着替えた。
そしてまた長い道のりを戻り、観客席に入った…そして驚いた。
あらまぁ、ずいぶん人が少ないのね。サンパウロのカルナヴァルなんてこんなもん???
さっき、踊りながら観客席を見回したときも、あまりの人の少なさにガックリ来ちゃったけど、やっぱり少なかったんだ。
おかげで、遅く席についた割には、結構前のほうのいい場所でパレードを見下ろすことが出来たんだけどね。


自分の2チームあとのImperio Casa Verdeの途中あたりから見ることが出来た。
去年も大活躍した日本人メストレ・サラの翼くん、今年も立派に踊ってました。写真にはうまくおさまらなかったけど…やっぱりアルキバンカーダ(上部のベンチ席)からは踊り子が遠いなぁ。


このあと、TucuruviとVila Mariaを見て私はダウン…。だって、あまりに寒かったし、眠かったんだもの。
あと1チームで終わりだったんだけど、これにて今年のサンパウロカルナヴァル見物は終わりということにした。
周りを見ると、結構皆さんお疲れのようで。ベンチで横になって寝ている人も結構いました。


それでも今年は、ほぼ時間通りに進んでいたので、去年みたいに最後のチームのときはもう夜が明けて太陽が…という状態にはならなかったけど。
踊るのと、前後の徒歩移動は、三十路なかばの体には結構こたえたようです(苦笑)。