カルナヴァル出場レポ:その①本番前の雰囲気

ついに念願かなって、カルナヴァルのパレードの中にわが身を置くことができました…。
去年、初めて間近にパレードを見たときは、うわぁすごい衣装!すごい熱気!こんなとこに出られるようになるのはいったいいつになるやら…と思ってたけど。
正直言って、はい、そこのアナタ!明日にでもパレードに出られますから!
出たい気持ちがあれば、全然サンバステップなんて知らなくても、言葉なんて通じなくても、全く問題ありませんから!
そのくらい誰でも気軽に簡単に出られる、それがサンパウロのカルナヴァルのパレードでございます。
そのことを、今回、身を持って実感いたしましたよ。
さぁ、では当日の動き。詳しく追ってみましょ〜。来年出場したいと思っている方へのガイドという意味を込めて書いてみたいと思います。


【集合時間と交通手段】


パレード初日の金曜日、出場7チーム中、2チーム目が私たちの「X-9 Paulistana(シス ノーヴィ パウリスターナ)」でした。
パレード開始予定時間は深夜の0:10…。せいぜい準備と言っても、衣装だって家から着ていくんだし、1時間前くらいに集合でしょ?と思いきや。
なんと21時半集合とのこと。2時間半も早く行ってないといけないんですねぇ。


会場までの交通手段は、我が家は今回、自家用車を選びました。去年は観客として友人達とともにタクシーを利用したけど、今年はねぇ、何と言っても巨大な羽付きの衣装が二人分ありますから。
踊り終わった後、安い観客席(スタジアムのベンチ状態)で見る予定だったし、ならば巨大な衣装はどうするよ?車にしまっておくしかないでしょ?まさか羽付きで鑑賞するわけにはいかないでしょ?
パレード当日の駐車場は混みあって大変という噂だったので、本当は車はイヤだなぁと思ったけど、上記のような理由で今年は自家用車にした。
で、結果としてはこれが大正解。
21時半集合という早い時間ということもあってか、駐車場はまだまだガラガラ状態。せいぜい最初のチームと、私たちのチームの参加者くらいしか来てなかったのではなかろうか。
周辺の道路も全く渋滞することなく、自宅からいつもどおり約20分で到着〜。
駐車場は、サンボドロモ(パレード専用会場)に隣接する見本市会場の屋内を利用していた。これなら雨が降っても大丈夫ねぇ。
入ってくる車は皆、やはり出場者のようだった。それぞれカラフルな羽衣装をトランクから出し、車のわきでいそいそと身に付け、集合場所へと向かっていた。


一方、グループ単位で出場を決めた日本人参加者たち(レッスン仲間、学校つながり母仲間などなど)は、マイクロバスを手配して乗り合わせていった模様。
私たちももう少し早く出場を決意していたら、ここに混ぜてもらっていたかも…。そのほうがまぁ、安心だしね。中には出場し慣れたベテランさんもいるのでね。


【待機中の持ち物と過ごし方】
せっかく着飾ったカルナヴァル、ぜひ記念撮影はしたいよね?デジカメは持ち歩きたいよね?
だけど踊るためには身軽でなければいけない。衣装以外のものは身につけるべきではない。
当然、華麗な衣装の影からポシェットやウエストポーチが見えたら興ざめだよねぇ。
一説によると、メガネや大ぶりのピアスなども避けたほうがいいという。というのは、踊っている途中にそれらが落下しても、パレードは進み続けるから立ち止まって落下物を拾うことはできない…という理由らしい。
落ちてもあきらめがつくものなら、自由に身につけなさい、ということらしい。


で、どうするか。
みんな、衣装の内側に小さな隠しポケットを縫い付けるんですねぇ。女性ならブラの中に小額紙幣を隠すとか。
私もその例に習い、最低限の荷物…ビール代とかハンカチとか隠しポケットにしまってスタンバイした。
デジカメは、ダンナの首にぶらさげてもらった。男性の衣装は丈が長くゆったりとしているので、内側にカメラ程度はぶらさげられるのだった。
ここを出たら、パレード終了まで戻れないからね。いつも荷物をたくさん持ち歩く私としては、こんなんで大丈夫だろうか?と不安だったけど、とにかく手ぶらが一番。
だってこれから踊るんだから。


中には、海外旅行時に使う腹巻型パスポート入れを活用したという賢い人も!確かにあれはいいかも!



駐車場を出たら、同じチームに出場する日本人駐在妻仲間たちにばったり会った。
これからバスの近くで記念写真を撮ったりするから一緒にどう?とお誘いいただき、ぜひぜひ!と彼女達に付いていく事にした。



マイクロバスチームは総勢20数名いただろうか。一大勢力。みんながカラフルな衣装を身につけると、かなり圧巻だ。
私と同じ青い羽衣装のひと、緑のひと、赤いひと、サンパウロのビルをモチーフにした衣装のひと… 5種類くらいの衣装それぞれ5人ずつくらい、日本人がエントリーしていることになる。
なお、上の写真は「パシスタ」と呼ばれる上級ダンサーチームで出場した日本人女性たち。みなさん私と同じ駐在妻でありますよ…(中には永住組もいらっしゃいます)
今回、パシスタ約30人中、6人をこの日本人が占めたんですよ。
すごいでしょ?素敵でしょ!
彼女達はこのあと、ブラジル最大のテレビ局「GLOBO」にもインタビューされ、かなり注目を集めていました。
いいなぁ、いつか私も…(その前にダイエットとサンバの上達が必須である→何年先のことやら?)

わいわい言いながら記念撮影をし、そのうち、どこからともなく「そろそろ集合場所にいくらしいよ〜」という情報が入り、みんなでぞろぞろと移動しはじめた。


あちこちに羽衣装を身につけた人々が群がっていて、それはそれで見応えアリ。
どこのチームなんだかよくわからないけど、きっとみんなも、さっきまで普通に働いていたおじさんだったり、子どもの世話をしていたお母さんだったりするんだろうな。
そんなふうに思うと、なんだかぐんぐん楽しさが増してきた。普通の人たちの、特別な一日。それがカルナヴァル!


しかしものすごい人の数だ。いったいどこが我々のチームなんだか、よくわかんない。
とりあえず同じ色の服の人を探して、その周辺にいることにする。
に、してもだ。まだ10時過ぎなんですけど。出発まであと2時間、どう過ごすよ???
特にすることもないので、周りの人々ウオッチングをしたりする。途中、出場者向けの軽食コーナーもあり、おにぎりを持参しない場合でも空腹時は対応できそう(笑)
私は、トイレに行きたくなるのが怖かったので、なるべく水分はとらないことにした。
パレードは約1時間、その間トイレ、行けないものねぇ。
YOSAKOIソーラン経験者のダンナいわく、開始前の待ち時間のまったり具合も、ヨサコイと同じなんだそうだ。
数年前の札幌でのパレードを懐かしみ、私とはまた別の感情を持って、ダンナは今回のパレードを満喫していたようだよ。


まだかまだかと思っていたら、いつのまにか人々の群れは、スタート地点近くに到達していた。
おぉ、あるよあるよ、巨大な山車のかずかず。自分のチームの山車すら、どれだか判別できないけどね。だって、初めて見るのだから。
山車に乗る役の人が、クレーンで吊り上げられていた。すごいねぇ、こうやって山車に乗るのね。それこそ、スタンバイ中からトイレ厳禁(クレーンを呼ばなきゃ降りられない)だから、水分補給は要注意だね、彼ら。


去年は最初のチームのスタートが1時間近く予定より遅れていたけど、今年はなんと、ほぼ定刻どおりにスタートしたらしい。
観客席に家族が見に来ている仲間が、携帯で家族と連絡をとったところ、もう最初のチームが来てるよ!ということだった。



【出発直前、位置取り問題】


いよいよ我々のチームの曲が流れ始めた。少しずつ群れが前進し始めた。


さてここで少々問題になったのが、パレード中の位置取りである。
特に、誰がどこ…と決まっているわけではない。なんとなく、端っこが好きな人は端、中央部を狙う人はそのあたり…という感じで、なんとなーくまったりと隊列が組まれる。
しかしそんな中でも端っこが実は人気のようで。みんな、列の左右両サイドを狙う。要するに観客席に一番近いところだ。
私たちも実は右サイドを狙っていた。右サイドには、バテリアが止まって演奏する「バテリアだまり」があり、そこを間近に見たいと思ったからだ。
ほかにも、家族が右サイドで見ているからぜひ右端を…という人もいた。なるほど、それはよぉぉーくわかる理由だ。
結局、右側に人がわんさとたまる状態になり、さすがに見かねた隊列担当者が何人かを中央部に流れるよう指示を出した。
私たちもそんなわけで中央部に追いやられた…。ま、それほど右へのこだわりも強くなかったらよかったんだけどね。
ちなみに、テレビに映りたい場合は中央部らしい。カメラが中央部にあるんだってさ。
(結局私たちは映らなかったけどね!)



そうこうしているうちに、気付いたら、こうこうと輝くパレード花道が見えてきた。
これまで練習で3度来ているけど、おおお、観客が入ってライトがフルで点灯している状態は格別だね!
わくわくしながら、少しずつ少しずつ花道に入っていった…。