ブラジル人家庭へ招かれて

土曜の午後、まったりと過ごしていたら電話が鳴った。
そういえばこっちへ来てから、携帯じゃなくて家の電話がよく鳴るようになったなぁ。
日本ではメールか携帯でのやりとりが主だったから、最初は電話が新鮮だった。
しかし今では、やっぱり電話が一番確実な連絡手段。なんせ、メールはよく不調になるしね、こっちのプロバイダ、ちゃんとメールが届いてるかどうか至って不安…ということが多々ある。


と、前置きは置いといて、今日の電話の主は、コイの幼稚園の唯一無二の親友(他に同世代の男児がいないのだ)・マックスのお母さんからだった。
最初、バネッサと名乗られて、ん?と思ったけどすぐに思い出した。先日の父母会で連絡先を交換したんだった。
ひととおり挨拶を交わした後、「マックスがコイと話したがっている」というのでコイに変わったら、なにやら子供同士、ポル語でやりとりしている。
で、「いまからママに話すから」とコイがポル語で言って、私に日本語で「今からマックスのうちに遊びに行ってもいい?」と通訳してきた。
うぬぬ。な、なんて生意気な!ママに通訳してくるなんてっ!
まぁ、これが実態だからしょうがない(笑)


かくして、私はコイとアレックスを連れて徒歩5分程度のマックスのマンションへと出かけたのだ。
実は、日系人ではないブラジル人のお宅にお邪魔するのはまだ2度目…。1度目はお隣さんちに、ちらっと挨拶に伺っただけだったから、ちゃんと家に入って時を過ごすのは初めて。
ちょっとドキドキしている私をよそに、コイはマックスの顔を見るやいなや、がんがん部屋の中に進んでいく。うれしくて仕方がないみたいだ。
私も、マックスのお母さん、そして同居しているおじいちゃんとおばあちゃん、それに近所に住んでいてたまたま遊びに来ていたひいおばあちゃん(92歳!・写真左)、そしてこれまたたまたま遊びに来ていたおばあちゃんのお友達…(多いな…)と頬を寄せ合ってのブラジル式挨拶を交わし、ソファに腰掛けた。


テーブルにはおばあちゃんお手製の巨大ゴイアバ(グァバ)ケーキと巨大プジン(プリン、コンデンスミルクたっぷり風味)が並んでいて、早速私にも振舞われた。
お願いだからあまり大きくカットしないで…と心の中で祈ったが、やはりブラジルサイズにカットされ、びびった。
でも、すでにブラジル生活も10ヶ月、甘いケーキの味にも慣れている私。おいしくペロリといただきました。ちなみに飲み物は甘いガラナです… ええ、紅茶とか緑茶などが出てくるはずはなく。


子どもたちは、時折おもちゃを貸した貸さないでケンカをしたりしながらも、さすが親友同士、よく遊んでいる。
マックスのおじいちゃんも、そんな二人を目を細めてうれしそうに眺めている。
私はアレックスを見ながら、マックスのお母さんと世間話。
えーと何を話したんだっけ? 私のつたないポル語でどこまで間が持つか心配だったけど、根がおしゃべりな私、なんとか2時間ほどの滞在時間をつないだ。
そうそう彼女は、あのNaturaの販売員だったのだ!う、うれしい、こんな身近にいたなんて…
そんなわけで、半分くらいはカタログを見ながら商品の説明を聞いたりしてたかも。


マックスは時々私のところに近寄ってきて、「カオーリ!」と呼びかけ、可愛いポル語で話しかけてくれる。
それがとても愛らしくて、私も頑張って返答しちゃう。
彼はこんなことを言っていた。コイと一緒に今夜泊まってもいい?って。
ええ、どうぞどうぞ〜 と言いたいところだったけど、今夜は食事の約束をしているので無理よ〜と泣く泣くお断り。
名残惜しいけどね、また遊びに来るからね… とマックスの家を後にした。


とても楽しかったけど、やっぱり言葉が自由自在に操れないのって、ほんと、しんどいなぁ。
そこがクリアされれば、もっともっと楽しめるのに。


ところでマックスの家は、やはりもれなく土足の家であった。
リビングに敷いてある薄いカーペットの上や、ベッドの上にも靴のままで構わず上がるのだ。
うーん。どうしても納得いかないよなぁ、靴文化。
コイは幼稚園でも土足だろうから違和感なく過ごしていたけど、私はやっぱり居心地がちょっと…。
そしてさすがにアレックスをそのカーペットの上でハイハイさせることは出来なかったよ。
だって絶対、雑菌だらけでしょ?靴の裏って。
キレイ好き、掃除好きなブラジル人が、なぜ土足を許せるのか。本当に謎!!!


と、話はかなりズレてしまったわね。あらら。