カラダが求める味って

我が家の夕食、基本はやっぱり和食なのである。
海外に住むと自然にその国の食べ物を好んで食べるようになるんじゃないのかな、と以前は思ってたけれど、どうやらそうではないのね。
人が、幼い頃から口にし続けてきたものの味というか、味覚というのは、いくつになってもどこに住んでも、変わらないものなんだなぁと実感する。
私なんて、割と何を食べてもおいしいと感じるし、和食はもとより洋食もエスニックも大好きなんだけどね、気付いたらやっぱり食卓に上る料理は和の味付けのおかずが多いな。そして白いご飯はごはん鍋(土鍋)で毎日炊き、味噌汁も必ず作っている。


ここはたまたま日本の食材が手に入りやすい街だけど、一方で海外ならではの食材もたくさん手に入る街。イタリア系移民も多いから、パスタの種類も豊富だし、その系統の食材も多い。だからいろんなジャンルの料理に挑戦しやすい環境。なんだけど、気付いたらダイコンとかネギとか白菜とか…アジとかイワシとか豚肉とか…そういうのばかりつい買っている自分がいる。


ちなみに今日はイカの煮物と、おでんと、サーモンの刺身。
ほんと、うちの食卓みてると、ここは日本?と思っちゃう。食器も日本から持ってきたものばかりだし。だけど、だからこそすごく落ち着くよね。食事は生活の大きな一部分を占める大切なものだから、そこが心地よいのは本当にありがたいことだ。
おでんの具であるコンニャクとちくわは、ブラジルのメーカー(アグリニッポだったかな)のもの。コンニャクのキメは粗いし、ちくわは煮込んでると恐ろしく巨大化するけれど、まぁまぁ、食べられない味ではない。カラシは日本からの輸入物(ハウス食品)、確かR$5(約250円)くらいで買えたはず。



私が育った環境には、フランス料理やイタリアンはもちろん、エスニック料理などのレストランは存在せず、もっぱら素朴な田舎風の家庭料理を食べていた。大学で上京してからは、それこそ今まで知らなかった味にたくさん出会い、それらの魅力も知ったけれど、自分の根底にあるのはやっぱり白いご飯に味噌汁に、しょうゆや味噌で味付けした料理の味なんだよなぁ。
それだけ、子どものころに繰り返し食べたものの味というのは、その人の根っこに深く絡んでくるんだなぁ。


それにしてもこの街はほとんど日本と変わらない日本食材が手に入るけれど、そんな街は世界中探しても他にはないと思う。
他の街や国で暮らしている日本人の皆さんだって、やっぱり日本の味を中心に食べたいでしょうに、どうやって食材を調達しているんだろうなぁ…。
納豆や豆腐を自作するという話は聞いたことあるけど、それってすごいことよね。
だけどわかる気もする。食べたいと思う気持ちが、人を料理に向かわせるからね(笑)