サンバの練習見学ツアー

ブラジルといえばサンバ、と言うけれど、私たちはどれだけそのサンバのことを
知っているだろうか。
打楽器の激しいリズムに、半裸状態の女性がセクシーに踊るというイメージ?だよね?
けれど今日、サンバチーム見学ツアーに参加して、そのイメージは一変したよ。


今日の見学ツアーは、日本人にもっとサンバのことを知ってもらおうと開催されたもの。
夕方から夜にかけて、市内にある3つのサンバチームの拠点を訪れ、
今月24日に迫ったカーニバルを前に山車や衣装の制作をしている様子を見たり、
踊りの練習をしている様子を見せてもらったりした。
もちろん、普通は絶対に入れないような場所。特に、本番前に今年の内容を見せることは
チームにとってタブーだからね。カーニバルもれっきとした審査競技、各チームが
優勝目指して密かに練習を重ね、当日ばばーんと披露するものだから。


山車はどれも非常に巨大でびっくり。
この手の祭りは、札幌のよさこいソーランくらいしか見たことがないから、
どうしてもそれと比較してしまうんだけど、そうね、よさこいの山車の3倍くらいは
あるだろうか。
驚くことに、そのような巨大な山車を、人力でひくのだそうだ。エンジンを使用することは
禁止されているのだそうだ。
山車の上には当然踊り子が何人も乗り、さぞや重いだろうに…。すごいことだ…。


それから衣装。カラフルな羽を多用した、いかにもカーニバル!という雰囲気ムンムンの
ものもあるし、それぞれのチームのテーマに沿った多種多様な衣装がおもしろい。
私たちが見学したチームでは、おそらく観光客用に展示・試着ができるコーナーがあり、
もちろん私たちも喜んで頭にかぶってみましたよ、派手派手な帽子を。
かさが大きいから、さぞや重いだろうと思ったけど、意外にも軽いのね。
そりゃそうよね、これをかぶって1時間踊り通すんだから。
重かったらムチウチになっちゃう?!
それにしても、ほとんどノーメイクの日本人顔に、なんて似合わないんだサンバの帽子は…
自分で自分を笑ってしまいました。

3つめに訪れたチームでは、「エンサイオ」というイベントをやっていて、
そこにツアー一同、参加させてもらいました。
これは一種の練習会?なんだろうけど、会場びっしりに人・人・人。
ステージの上ではバテリア(打楽器隊)が本番さながらに太鼓を打ち鳴らし、
歌い手が朗々と歌い、その音楽に合わせて会場を埋め尽くす人々が皆サンバを踊る。
すごいよ…圧巻だ…
普通の人(に見える)が、いとも簡単にサンバの複雑なステップを踏んでいるのがすごい。
とにかくかっこいい。なんなんだあれは!



私たちツアー客は、その会場のわきに設けられた「安全地帯」(と言っても簡単な
柵に囲われ、プラスチックのテーブルとイスが置かれた休憩所みたいなところ)に入り、
そこから踊りを見学するわけだけど、開始直後、まだ人が少なかったときには
みんなでフロアに出て、一緒に踊ったよ。
バテリアの前に陣取り、調子に乗って踊ってたら(いや、踊ると言うより
怪しく揺れるだけ)、取材に来ていたどこかのテレビカメラにばっちり映されちゃったよ。
確かに異質だったものなぁ、肩車されて手を頭の上で打ち鳴らして踊る3歳児と、
そのわきでニヤニヤしながらぎこちなく揺れてる日本人女… テレビカメラ的には
イタダキ!と思うキャラだったかも。(自分が取材側にいたことがあるだけに、それが
痛いほどよくわかる…ぶはは。)
しかしどのテレビ局なんだかわからなかったから、いつか放送されても見られるわけが
ないけれど。
(もし偶然見たら笑ってやってください、サンパウロ在住の読者の皆さま)


会場では、飲み物や軽食を売っているカウンターがあり、それはさながらディスコのよう。
(ディスコって…もう古いですかね…?)
サンバの練習をする、というより、みんなでサンバのリズムに酔い、一杯飲んで
夜を楽しむという感じに見えました。
今夜ここで踊っている人たちが、カーニバル本番で衣装をつけて踊るのだろうか?
詳しいことはよくわからなかったけれど、とにかく、サンバって楽しくて、
ブラジル人がサンバ大好きだというのがよーくわかりましたよ。
そして、サンバチームというのは、ただカーニバルのときに盛り上がるだけの組織では
ないということも。
地域に根ざした組織であり、社会貢献事業をしたりするチームもあるんですって。
たとえば少年サッカー用のグランドを作って運営したりしているんだそうです。
このようなイベントを実施して収入を得たり(今日は確か、入場料R$10、約500円)
Tシャツを作って販売したり。そういうこともしているんだそうです。
ひとチーム数千人規模で動いているんだもの、それなりの組織だよね。
サンバはブラジルの大切な文化の一つであることを実感しましたよ。


そして私も大好きになっちゃいましたよ、サンバ。絶対、踊れるようになりたいし、
できるなら太鼓も叩けるようになりたい。(夫婦そろって意見が一致してしまった)
それ以前に、今年のカーニバル、絶対見に行きたい!
今からでもチケット取れるだろうか。
ババさんのあてもついたことだし、何とかチケットをゲットするのだ。
(頑張れ、ダンナよ)


そもそも日本では札幌のよさこいソーランを愛し、みずからも踊り、祭り大好きな
我がダンナ。
今回のツアーでも、「これは、まさしくよさこいだ!」と感激。
そしてサンバを巧みに取り入れた応援ソングで知られるJリーグの清水エスパルス
我が家はエスパルスファンである。
バテリアの激しい太鼓演奏を聞いては、「これは、まさしくエスパルスだ!」と感激。
…どちらも、まず先にブラジルのカーニバルありき、だと思うんだけどね…
いずれにせよ、もともとサンバ系が大好きな我が家、本場のサンバを好きにならない
わけがない。
私までもがついつい「帰国したらエスパルスの応援隊で太鼓叩きたいな…」と
つぶやいてしまったよ。わはは。