日本語の新聞


先日、ポル語を学ぶことについて書いたときに、
「ここでは普通にポルトガル語が話され、テレビも新聞もポルトガル語だ…」と
いうようなことを書いたけれども、
実は、テレビも新聞も、日本語のものもあるのが現実なのだ。


テレビはおなじみNHKのワールドプレミアム。
ブラジルのケーブルテレビのほとんどが、NHKチャンネルを持っているので、
日本人のほとんどが日本語放送を日々、視聴していると思われる。
私もその一人。夜と朝のニュースはほぼ毎日見ているし、ドラマも見ている。
朝の連ドラ「風のハルカ」は家族全員で欠かさず見ているし、
先ごろ始まった土曜ドラマの「氷壁」、大河ドラマの「功名が辻」も見ているよ…
はっきり言って、日本にいたとき以上に、NHKのドラマを見ています。
というか、他に選択肢がないからねぇ。
見てみると結構おもしろいのね、氷壁なんかは結構ワクワクするよ。
ニュースも天気予報もリアルタイムだから、NHKつけてると、全然ブラジルにいる
気がしません。本当に。

そして新聞。
日本語新聞は「サンパウロ新聞」「ニッケイ新聞」の2種類が有名。
日本のトップニュースが1〜2日遅れくらいで掲載されるほか、
サンパウロ市内での事件事故、ブラジルの政治経済などのニュースが日本語で
書かれている。
それに加え、多くの紙面を、日系人関連の話題が埋めている。
どこどこ地区の日系人コミュニティが70周年を迎えた…だとか、
日系人アーティストの○○さんが個展を開きます… などなど。
日本の地方紙みたいな感じで、親しみやすくて、私は結構好き。
定期購読はしていないので、東洋人街に行ったときに買ってくる程度だけど、
かなり楽しめる。(NHKの番組表も毎日掲載されている!)
中には、ポル語と日本語が半々くらいの割合の新聞もあって、
漢字の書き順とか、日本料理の作り方のコーナーもあったりしておもしろい。
(写真は、年始の書き方と、ウナギの作り方)

あと…日本語の通じるお店は市内にたくさんある。
東洋人街のスーパーでは、日系人のみならず、肌の色が違う店員さんですら
日本語を話していたりする。
フェイラにも日系人の魚屋さんや八百屋さんがあるし、
日本語メニューのあるレストランも多い。


こんな感じだから、たとえポルトガル語がわからなくても、生活するには
日本語だけで十分とも言える。
話に聞いてはいたけど、ここまで日本語でなんとかなる街だとは思わなかった。
正直、カルチャーショックだったよ!ほんとにここは外国なのか、と。
そして危機感もおぼえた。このままぬくぬくと日本語環境に甘えていては、
本当にポル語は身につかないぞ、と。


日本語は確かにラクだし、別に30過ぎたいまさら語学を頑張ることも
ないのかも知れないけど… 
いや待てよ、外国に住んでその土地の言葉をマスターすることは、
小さいときからの夢だったじゃないの!


ちょっと甘えれば日本語でなんとかなる、という、外国としては非常に特殊な環境の
この街で、外国語をマスターすることは結構至難の業かも知れない。
ホントにしっかりとした強い意志と目標がなければダメだね。
小さいときからの夢、外国に住むという最初のステップは運よくクリアできたわけだから、
その先の夢も実現させないとね。