ワクチンおばあさん登場


ブラジルの子どもは、生まれた直後から予防接種を受けるのである。
受けるべき予防接種の種類も回数も、日本のそれより多い。
だけど、一度に複数の種類を接種したり、何種類もの混合ワクチンを
使っていたりするから、
トータルで見ると日本よりラクかも知れないね、親としては。


さて、次男の生まれて初めての予防接種は、生後2日目であった。
朝、部屋に次男がやってきてしばらくすると、
ワゴンを押して一人のおばあさんが入ってきた。
彼女こそ、ワクチン接種人である。
え、こんなおばあさんが?というくらい、年配なのである。(推定70歳)
これがまたよくしゃべるおばあさんで…。
ポル語でペラペラとまぁ…。


「オゥ!ピッケーノ ジャポネジーニョ! キ リンド!!」
(まぁなんて小さい日本の赤ちゃんよ、かわいいこと!)
と何度も繰り返しながら抱いてくれる。
それにしてもジャポネジーニョなんて表現、あとにも先にも彼女の口からし
聞いたことないよ。
ブラジル人は、小さいもののことを「○○ジーニョ」「○○ーニョ」といった具合に、
単語の語尾に「ニョ」を付けて話すんだよね。
たとえば足のことを「ペ」というけれど、小さい赤ちゃんの足は「ペジーニョ」と
いうように。
日本人はジャポネス、で、小さい日本人の赤ちゃんだからジャポネジーニョかい?!


と、話はそれましたが、彼女は一通りワクチンの説明をして
(製造年月日とか、メーカー名とか)
おもむろに赤ちゃんをワゴンに乗せ、右腕に注射を打った。
これはBCGの注射。
続いて今度は左足に。これはB型肝炎の注射であった。
さすがに痛いらしい、赤ちゃんはビェ〜ンと泣いていたよ。生後2日目の試練であったよ。


ちなみにこれは希望者のみに行われる接種であって、別に全員が生後2日目と
義務付けられているわけではないのだ。
後日、自分で別の機関にて接種してもいいんだけれど、生後まもない子どもをまた連れて
接種に行くのも大変だからね。多くの人はこのように産院で済ませてしまうみたい。