産後2日目の涙


この病院は、産婦以外に一人だけ個室に宿泊することが許されている。
ダンナ様が泊まることが多いんだろうね、通常。
泊まるといっても普通のソファがあるだけだから、そこで眠ることになるのだけれど。


そして3歳児はというと、午後9時以降は入室できないことになっている。
だから我が家の場合、夫は病院に泊まらず、長男を連れていったん帰宅することに。
私も2度目の出産だし、どちらかというと夜は一人の方が落ち着くから
そのほうが助かるんだけれどね。
そんなわけで、産後2日目の朝は、一人でのんびりと迎えた。赤ちゃんも新生児室だし。


今日もきれいな天気だ。朝焼けが美しい。
おいしいパンとカフェオレ、しぼりたてのオレンジジュースにフレッシュなパパイヤが
朝食として届いた。
ひとり静かにいただいていると、ふと、いろんな思いが頭にふわふわと浮かんできた。


・出産時、長男をババさんに見ていてもらえたこと。ババさんに助けられ、
私は安心して出産に挑めたのだ。
・幸いにして、日本語のわかる女医さんに出会えたこと。
彼女との出会いがあったからこそ、私は安心してブラジルで出産できたのだ。
・私がブラジルに来るまでの間、一人で病院探しや医者探しをし、周辺事情を調べ、
つたないポル語で頑張ってくれた夫のこと。
・妊婦のママを無理させないようにと、この1年間ずっと抱っこも我慢して、
3歳児ながらにいたわってくれた長男のこと。
・妊娠初期の頃の、大変だった海外引越しのこと。
・何より遠かった、ブラジルへの道のりのこと。いつもいつも、お腹の子と一緒に
長旅を乗り越えてきたこと。
・そして何事もなく、今こうして我が子をこの世に迎えることができたこと。


いろんなことを思うと泣けてきた。昨日はとにかく身体が疲れていて、
頭がからっぽだった。
今朝になって、一気にいろんなことが頭に浮かんできたんだな。
今こうして、赤ちゃんと私が元気で朝を迎えられているのも、
ここまで支えてくれた多くの方々のおかげだ。
日本で心配してくれている方々にも、早く元気を伝えたい…。


ぼろぼろと一人で泣きながら、久々に飲む濃い目のカフェオレは、絶妙な味がしたよ。