長男との再会

出産から2時間半が経過した。
分娩室で休憩していた私のもとに、移動式ベッドを押した看護婦さんがやってきた。
なんだか大げさだけど、どうやらこれに乗って入院する個室へ移動するらしい…
まだ産後間もなくて、ずっしりと重い体を、ヨイショっと起こしてベッドからベッドへ
乗り換えた。
ま、陣痛がひどいときに、ベッドから分娩台に上る辛さと比較したら
全然痛くもかゆくもないですけどね。(いやほんと、出産間際の分娩台への移動って、
ものすごく辛いことだから、日本でもやめたらいいのに…と心から思う)


途中、産後妊婦?それともこれから産む妊婦?よくわからないけど、
たくさんの妊婦さんがベッドに横たわる部屋(分娩待ちの部屋かなぁ?個室ではなくて
大部屋を利用する人?いやしかしこの病院はすべて入院は個室のハズ…)を通り、
エレベータに乗って私の部屋へとやってきた。4階の一番奥の角部屋であった。


部屋に入ったら、窓から晴れた青空が見えた。
こんな気持ちのいい日曜日に出産できたなんて、なんてラッキーなんだろう!と
素直に感動した。
部屋には夫だけがいた。ん?長男とババさんは?
聞くと、ちょっと買い物に出ているという。あぁ早く長男の顔が見たいなぁ。
…と思っていたら、すぐに二人は戻ってきた。


ババさんは満面の笑みで私に頬ずりしてくれた。(なんともブラジル式な!)
そして長男は、ベッドに横たわる私の頭をなでなでし、
「がんばったね」と声をかけてくれた。
3歳児が、なんとオトナっぽいことを!
驚きと感動で、また涙が出そうになったよ。
ママが頑張ったこと、わかってくれていたんだね。


感動の再会を果たし、ほっとしたところで、急にお腹がすいてきた…。
ちょうどお昼。ランチが届くのが心から待ち遠しかったー。
病院の食事、しかもブラジル。どんなもんかな?とやや不安だったけれど、
疲れた身体に優しい味で。思ったより味付けが濃くなくて、ホントにおいしかった。
ちなみにメニューは、
チキンソテー、ニョッキ、インゲンのソテー、野菜のポタージュ、
ココナツプリン、ピーチネクター でした。