初乳を与える


日本では盛んに母乳育児を推進しているような動きがあるけれど、
諸外国では母乳を嫌がるママも多いと聞いていたから、さてブラジルでの母乳事情は
どうなんだろう?と思っていた。
入院前に「私はぜひ母乳で育てたいんです!」などと先生や産院に話していたわけでもない私は、
まぁブラジル式に、なるようになればいいか…と産院のやり方に任せようと思っていた。


さて、産後1時間ちょっと過ぎた頃、いったん私の横から離れていた赤ちゃんが
再び、看護婦さんに抱かれてやってきた。きれいに洗われて、きれいな服を着ている。
看護婦さんは「コン フォーミ」(おなかがすいているのよ)と赤ちゃんを見て言いながら、
おもむろに私の母乳の出具合をチェックし始めた。
おぉ、ここで初乳を与えるわけね。
実は私は出産前から乳腺が開通していたようで、母乳もどきがすでに出始めていたのだ。
だから母乳生産体制はバッチリ整っていたわけで。
看護婦さんも「ベン!」(いいね〜)と言って、すぐに赤ちゃんに乳首をくわえさせた。


これがまた驚くほど上手に吸うんだ。
生まれて数時間のヒトとは思えないほど、慣れた手つきならぬ口つきでゴクゴクと飲むよ。
これには心底驚いた。どこで練習してきたんだい、キミは?と思わず聞きたいくらいだよ…
長男のときは、もっとお互い下手だったよね。なかなか口にふくめなくて、
私も勝手がわからなくて、ちょっぴりイライラしたりしていた。
とにかく、たまらなく懐かしいこの感覚がうれしくて。あー気持ちいい!と心の中で叫びました。


というわけで、この産院では、生まれてすぐに初乳を飲ませる方針だったのですね。
日本でも、初乳を飲ませるタイミングは病院によって違うはず。
長男を産んだ病院では、出産翌日になってはじめて授乳指導があり、そこで初乳だったのよね。
その時は、1日も経っているのにこれって初乳って言うのかしら?とやや疑問だったのだ…。
だから今回は、まさに産後すぐのお乳を飲ませることが出来て、
私は満足だったのだ。