幼稚園で面談


10月も今日で終わり。本当に1ヶ月、早くて早くて。
ブラジルに来て、あと数日で2ヶ月になるんだなぁ。
そして息子が現地の幼稚園に通い始めてから今日で1ヶ月になるんだなぁ。


1ヶ月経ってみて、幼稚園での息子の様子はどうなのだろうか?
ちゃんとなじめているんだろうか?
来月からも、ここにお願いして大丈夫だろうか?
親として、そんなことを思う1ヵ月後。日本語でなら、毎日のお迎えのときに、
「今日はどうでしたか?」なーんて先生に気軽に尋ねられるけど、
ポルトガル語では、いまだ質問はできても相手の話がすべて理解できるレベルではない…。
まだ、聞くより読むほうがましかな、というわけで、
幼稚園の連絡ノートに昨日、いくつかペルグンタ(質問)を書き連ねてみた。
「1ヶ月経ちましたが、息子の様子はどうですか?」
「友達と一緒に遊びますか?」
「先生の言うことをよく聞きますか?」
ポルトガル語を理解していますか?」
「幼稚園で日本語を話していますか?」
などなど。


すると、今日の迎えのときに、園長先生が時間を作って息子の様子を話してくれる、
というお返事がノートに。
うえぇ、やっぱりヒアリングが必要じゃ!
でも書き文字より、会って話すほうがもちろんいいに決まっているからね。
幸い、今日はダンナも夕方少し時間をつくれるというので、夫婦そろって園長先生のもとへ…。


園長先生は、開口一番、「エリ エ ムイント ボン!」と来た。
「彼はとてもいい子よ」という意味かな。
どうやら、いい子にしているらしい…。
まだ不安げな顔をしている私たちを前に、先生はそれからもいろいろと彼の様子を語ってくれた。
友達とよくカンフーごっこ?ジュードー?テコンドー? らしき遊びをしていると。
マックスという名の男の子とよくふざけて戦っていると。
(ちなみにカンフー、ジュードー、テコンドーは先生の口から自然に出た言葉。
ここブラジルでも、アジアンな格闘技はすっかりポピュラーなのねぇ)


そして友達とはポルトガル語でコミュニケーションしているんだと。
マックスが話すポルトガル語を、息子が繰り返して言い、それで少しずつ覚えているようだと。
へぇ〜。なかなかやるじゃないの、息子よ。
家では、「ポルトガル語ぜんぜんわかんないんだもーん」と時々、泣き言を言うくせに。
結構、頑張っているんだなぁ。
そして日本語はしゃべっていないらしい。プール授業で、他の学校の日本人生徒と会うときには
日本語を話しているみたいだけれど。


最近、私たちと一緒に出かけるときなど、とてもやんちゃで、聞き分けがなくて、
ほとほと疲れ果てることが多いんだけど、幼稚園ではそんなふうに騒ぎ立てることはないのか?
最近の心配はそこだったんだけど、その点もどうやら大丈夫みたいだ。
「行動的」だけれど、「問題はない」という表現だった…。
ま、その言葉どおりに受け止めることにしましょう。


それから、この1ヶ月間にやった授業の成果物も見せてくれた。
先日、絵の具で描いた絵を見て感動した私たちだけれど、今日みた成果物もなかなかちゃんとした
ものだったので、心底、安心しました。
ぬりえとか、数字にスパンコールみたいのを貼ったりするのとか、ブラジルの国旗の色を理解し
そのとおりの色を塗るとか… 結構ちゃんといろいろやってるんだなぁ、ここも。
何より、異国の地で、言葉もろくに通じない中で、みんなと机を並べてこういう活動をしている
息子の姿を想像すると、母さん、目頭が熱くなってしまったよ…。
子どもってすごいなぁ。


まだ少し時差ぼけがあるのかわからないけど(先生はそうとらえているみたいなんだけど)、
ときどき、机に座って居眠りをしていることがあるみたい。
ちょうど午後の授業のときに眠ってしまうみたいだから、日本でのお昼寝感覚が
まだ抜けていないのかも知れないなぁ。(休みの日は絶対お昼寝いやがるくせに!)


…と、まぁ、幼稚園での様子がとてもよくわかったので、この面談は非常に有益だった。
どうやら、私のポル語理解力も少しはアップしているようで、
園長先生に、「ママィン(ママのこと)はずいぶんポルトガル語がわかるようになったわね!」
と驚かれた。
た、たしかに、ここに最初に来たときは、完全にダンナ頼りで、なーんにも話せないひと
だったからねぇ、私。
その頃と比べると、知っている単語や言い回しも増えたし、何より耳が慣れてきた気がするよ。
だけどいかんせん、言葉が口から出てこない。
「だいぶ言ってることは理解できるようになったけど、話せないんです」と言うと、
園長先生は真顔で、「え、どうして??」と聞いてくる。
聞けるなら話せるだろう、と普通に思っているみたい。
「だけど家で一人でしゃべらないですから…」と答えると、それなら子どもとポル語で
話すといいね、とアドバイスしてくれた。
これからますます子どもは言葉を覚えるから、それをママも覚えていけばいいと。
逆に家でポル語を子どもに教えて、それを幼稚園で話させるようにすればいいと。
ま、そのとおり、ですわね…。はい、頑張ります…。


最初の印象どおり、園長先生の人柄もいいし、園の雰囲気も、やっぱり私たちに合っているようだった。
そのことが、1ヶ月経って少し確信できたような気がして、うれしかった。
来月もよろしくお願いします、と言って、来月の月謝を払って、ユニフォーム(幼稚園の
ロゴ入りTシャツと、ジャージ上下ね)を購入して帰ってきた。