公園でクラシック


有名なサックス奏者が、うちの近所の公園で演奏会をするという。ダンナのギター教室の先生からの情報だそうだ。
時差ボケ解消のため、おひさまが出ている間はおひさまに当たろう…と、家族で出かけてみた。


その公園に行くのは初めてだけど、入口付近には子どもの遊具があったり、ボールで遊べる芝生があったりして、なかなか楽しそうだ。
遊具を目にしたアレックス、迷わず突進!!!



そもそも黒人率が高い街、サルバドール。日系の姿はほとんどなく、私たちは目立つ目立つ。
アレックス自身は、肌の色も何もおかまいなしに、どんどん子どもたちの中に入っていく。すごい、純粋っていいなぁ。
純粋なのは黒人の子も同じ。私を見ると、物おじせずに近づいてきて、「シネーザ?」と声をかけてくる。…おいおい、また中国人って言われてるよ。
すかさずジャポネーザだと訂正し、少しポル語を話すと、さらに驚いたような顔をしてがんがん質問してくる。
どこに住んでいるの?
日本語も話せるの?
どんなテレビ見てるの?


3つ目の質問はなぜに???という感じだが(笑)
とりあえずフッチボールと答えておく。


中には鋭い子もいた。
私の発音、アマレーラ(黄色の意味)をしつこく直してくる。わ、わかってるわよ、rとlの発音がおかしいんでしょ!!!
ついでにラランジャって言ってやったら、さらに笑われた…。子供は素直じゃのう…。


この間、コイとパパは持参したナイキのサッカーボールを使ってパス練習。
そろそろ帰ろうよと二人のそばに行くと、黒い子たちと試合のようなことをしている…。な、なんて無謀な…。
聞くと、子どもたちから誘ってきたんだって。
どうやら、ナイキのボールを使ってみたかった模様。ボールを見て、嬉々として近寄ってきて、「これ、ロナウジーニョが蹴ってるボールでしょ!」と目を輝かせたんだって。


そうか。
そう言えば、ここでボールを蹴ってる子たちのボールって、本物のサッカーボールじゃないよ…。
安っぽいゴムのボールだ。いわゆるおもちゃのボールだ。
本物のボールなんて買えないんだよね。本物のボールが売られている、まぶしいショッピングセンターになんて行ったことのない子どもたちばかりだ。
そんな経験、サンパウロのイビラプエラ公園では、したことがなかったよと言うダンナ。
これが、貧富の差というか。サンパウロバイーアの所得格差というか。
思わぬところで実感させられる。


ま、お互い楽しくサッカー出来たみたいなので、良かったけれど。ボールを盗もうとするような子もいなかったし。
あの子たちは純粋に、ただただ、本物のボールを蹴ってみたかったんだね。


さて、コンサート。公園内のステージのようなところに、所狭しとオーケストラが乗り、真ん中でサックス奏者が甘いメロディーを奏でていた。
ものすごい群衆が集まっていた。けれど、クラッシックじゃないみたいな、カジュアルな雰囲気。おしゃべりしながら、ビール飲みながら、犬を連れながら…
普段、オーケストラに触れる機会などなさそうな、普通の庶民にとって、こういった無料のコンサートはすごくいい機会だと思う。サンバだけじゃない、生の音楽の魅力を知るって大事なこと。


コイとアレックスの反応はというと、まぁそれなり。
おかしいなぁ、私もダンナも、幼少時はクラシックのレコードを結構気に入って聞いてたのに。親と同じ傾向には育たないものなのね?!
一曲だけコイが学校で歌ったことのある曲があったようで、それについては真剣に聞いていた。
ま、それで良しとしましょう。アレックスに関しては、泣いたり騒いだりしなかっただけで良しとしましょう。


この日の時差ボケ解消策は功を奏したかというと…
うーん…
結局、買い物して食事して家に着いたのが18時なんだけど、みんなそのままベッドへ。
そのまま朝の4時まで眠りました。怒涛の10時間睡眠。
おかげで今朝、月曜の朝はスッキリと目覚め、みんな元気に初登校しましたとさ。私も朝型生活(たぶん2週間限定…)スタートじゃ〜