10,000Samba!ありがとう宮沢さん


ブラジル日本移民100周年で宮沢さんといえば、Boomの宮沢和史さん。
7月にはブラジルでもライブをし、駆け付けた日本人の友人・知人も多かったはず。私もブラジルにいたら、絶対行ったのに〜〜〜!と、悔し涙を流したものでした。
(ダンナはサルヴァドールからサンパウロに行きましたよ、だって宮沢氏の大ファンだもの→去年の一時帰国では、宮沢氏のライブ見たさにわざわざ横浜から高知まで出向いたほどであります…)


ブラジルでのライブはすごく良かったみたいで。各方面から、感動のレポートを読ませてもらいましたよ。
さてその興奮さめやらぬダンナから横浜でのライブの話を聞いたのはかれこれ1か月ほど前だったかな。「その日、横浜にいるのなら、行かないわけにいかないだろう!」と熱く語るダンナ。
なになに、しかも無料のライブですって!
しかも、ブラジルからジルベルト・ジル氏もやって来るんですって!
これは何が何でも行かねば〜〜〜。


で、昨日のライブ。行って来ました、淋しく一人で(笑)
いや、何人かにお声をかけてはみたんですけどね、当日、開演3時間前の午前10時から整理券を配るという情報が入り…。
さすがに子連れで朝10時からの長丁場はツライ…ということで子連れ仲間は積極的にお誘いできず。
会社勤めの義弟やわが妹は、もともとそれほど興味がないうえ、それぞれ埼玉からの参加となると、う〜ん横浜に10時はチト辛い、と。
そんなわけで単身、ライブ会場に乗り込みましたのよ。
(会場ではミクシィつながりの同級生とそのお友達に会えましたけどね♪)


さすがに私も10時到着は辛くて。チンタラと10時半近くに家を出て、馬車道通りを歩き、会場に着いたのは11時半近く。
もしかしたらもう整理券ないかも〜、と思ったけどまだまだ大丈夫だった。A1の300番台の券だった。


これさえあればあとはのんびりランチして、ぷらぷらとグッズ売り場などを見て…。
ブラジルがらみの屋台がずいぶん出ていて楽しかった。アサイーのドリンクが割と人気のようだったよ。缶のフェイジョアーダをご飯にかけて750円で売ってたりもした。私は食べなかったけど(苦笑)



そして開演30分ほど前に会場へ。すでに熱狂的なファンの皆様は最前列ベストポジションを陣取り、盛り上がっている。
私は券に従いA1へ…っと、ここがなかなかいい場所でねぇ。かなり前の方、ステージから見て右端になるけれど、前の人の頭でさえぎられるストレスもなく、肉眼で宮沢氏の全身がちゃんと見えた。


さらに、背景にはインターコンチがそびえて見えるロケーション。あぁ、なんて素敵なの♪(9年前の思い出の場所なのだ)
写真撮影禁止のアナウンスもなかったし、持ち物検査もなかったので、えーっと写真OKなのね???と解釈して数枚撮っちゃいました。

ほとんど定刻に始まったライブは、まずThe Boomのステージから。ブームといえば「風になりたい」と「島唄」くらいしか知らない私だけど、あの宮沢氏のヘン顔による熱唱ぶりには、理屈抜きで魂を揺さぶられる。
ヘン顔なんて言ってゴメン。でも、正直あそこまで顔をゆがめなきゃ気持ちが入らないものなの?と思わず突っ込みを入れたくなるような表情なんだもの。
しかし次第にその表情にも慣れ(笑)、むしろ、声と顔ぜんぶで歌を表現しているその潔さがカッコよく見えてきた。
前述の2曲は歌われることなく、45分間でブームはステージを去った。


そして約15分間のインターバル後、ジルベルト・ジル氏がブラジル人バンドメンバーを引き連れて登場!
ペルクソンのエヴァウド先生に似てるよなぁ〜(わかる人にはわかるね?)、とか思いながら、久々のポルトガル語による生歌に懐かしく聞き惚れる。
ちなみに登場時の音楽は、ブラジルの携帯の典型的な呼び出し音。ジル氏も、携帯を耳に当てるポーズでステージに現れた。でもあれって、ブラジル人にしかわからないアクションだろうよ。
私は思わずクスっとしちゃったけど。


ブラジル音楽のノリってこうだったよね〜、となんだか妙に懐かしい。体の揺れ方も、日本の曲を聞いてるよりなんかしっくり来てる。
彼の音楽を聴くのは初めてだけど、レゲエがお好きなのね。レゲエテイストが入った「イパネマの娘」はなかなか新鮮なアレンジで楽しかったよ。
ビリンバウも入って、バイーアのサンバ、リオのサンバなども歌ってくれた。後ろにいた日本人男性二人連れが、「なんだあの楽器???」とビリンバウの音色を不思議そうに聞いてたのが印象的だったねぇ。
ついつい解説を入れたくなる気持ちを抑え(笑)、一人懐かしんでいた私であります。


最後のステージは、宮沢氏率いるインターナショナルなバンド、ガンガズンバ。すごい響きだけど、この名前は確か、ブラジルのインディオの名前。インディオのために尽力した英雄のひとりだったと思った。
とにかく、ブラジルをすっごく意識したバンドなのね。
彼らのライブは去年の高知が初めてだったけど、そりゃもうものすごい盛り上がりようで、日本人のライブじゃないみたいなノリだったのよ。楽しかった。
今回もだからとても期待していたけど、期待を裏切らない素晴らしいショーでした。


しっとりと聞かせてくれた「足跡のない道」。これは日本ブラジル移民100周年を記念して宮沢さんが作った曲なんだけれども、歌詞がもうね、聞いてると涙が出てくるのよ。
笠戸丸移民の最後の生き残りと言われた故・中川トミさんからお話を聞いてイメージをふくらませたとのことだけど、ほんとに素晴らしい。ちょっとでも移民のことを勉強した人なら、あの歌詞にぐっとくるに違いないです、はい。
宮沢さんの思いがしっかり伝わってきましたよ。素晴らしかった。


ライブには欠かせない一曲(?)「ディスコティック」も良かったし、「シェゴウ・アレグリア」の歌詞にもまた泣きそうになり。
なんか最近、涙腺ゆるいみたいでね…。
「幸せは悲しみを知る人にやってくる」だなんて、泣かせると思いません??


だんだんマニアックな日記になってきましたのでこの辺で締めますが。
ラスト、アンコールで全員が登場して歌い上げた「島唄」は最高でした。イントロのあのギターの音色。出だしを宮沢氏が、そして次のフレーズをジルベルト・ジル氏が日本語で情感たっぷりに歌い上げて。
すごく不思議なコラボレーション。ジル氏の日本語、良かったよー。っていうか声がものすごくいい。島唄に合ってた。
「ジル氏と島唄を一緒に歌うのが夢でした」と語っていた宮沢さん。いろんな思いが混じって、胸が一杯だったことでしょう。すごく顔に出てましたよ、有り余るほどの気持ちが。


ここまでブラジルに思い入れているアーティストを私は他に知らない。
トークも一部、ポルトガル語を交えて。会場にいた、少数派のブラジル人(ほとんどが日系)のお客さんのことも忘れずに。(ポル語、上手だったのよ。後ろにいた賑やかな日系若者グループが感心してたくらい!)


とことんやる姿勢が、とても素敵だと思う。
たまたま自分もいまブラジルとかかわりがある暮らしをしているから、余計に感動しているわけだけど、逆にブラジルにそれほど興味がなかった宮沢ファンの人たち・たまたま無料だからライブに来てみた人たちが、この日をきっかけにいろんなことを考えるようになったらいいよね。
別にブラジルと日本のために何かをしようと思わなくてもいいし、無理に思う必要もないけれど、
なぜここまで彼がブラジルにのめり込むのか。ブラジルに何があるのか。何が良くて、何が問題なのか…。
そんなことをふっと思うだけで、人って全然違ってくると思うんだ。
音楽の力って結構すごいじゃないの、と久々に思わされた一日。ありがとう宮沢さん。次はどこで、あなたの生声を聞くことができるかしら。