さえぎるもののない青空に


先日、たまたま車の中でつけていた地域FM「てっし」のパーソナリティーさんが、こんなことを言っていた。
「名寄のいいところって何ですか?と聞かれても、札幌から来たばかりの12年前は、正直、答えられなかった。でも今は胸を張って言える。名寄のいいところ、それは、広い空!」


なーるーほーどー。
そうよそうよ、それなのよ私が感じていたことは。


星空がキレイなのは、夜のネオンが届かないような場所だから。人工の光がない場所だから。


それはわかる。


でも、
朝も昼も夜も、いつ見ても空が広くて美しいのはどうしてか。


それは、空をさえぎるものが何一つないからだ。
つまり、東京やサンパウロやサルバドールの街にあふれている、背の高いビルが一つもないのだ。
そんな当たり前のことを、今更のように気づいた。


広い広い空の下で育った私が、高層マンションの低層階に住み、周りも同じようなビルだらけで空が全然見えなかったサンパウロ時代。
あのとき、ときどきふと妙な寂しさが込み上げてきたのは、空がなかったからだ。
寂しさというか、落ち付かない感じと言うか…。


高層マンションの高層階に住む友人宅でベランダから眺めた空が、あまりに高く、広かったので、ひどく驚いたことを覚えている。
同じ街にありながら、こんなに空が見えるなんて!と。
サンパウロの家はとても気に入っていたけれど、思い起こせば、空が足りなかったんだなぁ、私には。
家から、広い空が見える環境に住みたい。そんな思いが、実は私の根底にあるのかも知れないなぁ…。


大好きな今井美樹の曲。
「さえぎるもののない青空に ただ帰りたかったの」
確か、そんなフレーズがあって。大好きな曲の一つです。
いま、その青空のもとにいられることが、とても幸せです。