山村に生マグロ


我が家は、駅や病院や商店などがある町の中心部から約7キロ、車で10分弱の田畑の真ん中にある。
こんな人里離れた場所ながら、連日、意外と人の出入りが多いのだ。
宅急便や新聞配達、郵便局はもちろんのこと、物売りの車が結構来る。


週1回のペースで定期的に来る牛乳屋さんとパン屋さんに加え、単発で数ヶ月置きに来る業者さんもある。
たとえば富山の置き薬屋さん。
私が子供のころから使っている木の薬箱に、ときどき薬を補充・精算に来る。
昔は豆腐屋さんやかまぼこ屋さんも来ていたけど、最近は見ないらしい。


で、珍しかったのが生マグロ売りのおじさん。
残念ながらその時わたしは不在だったので現場写真を押さえられなかったのだが、対応した母いわく、見るからにうまそうで新鮮なマグロを積んでいたそうだ。
そして思わず、母も500gほど購入したのだ。お値段は結構したらしいけど、あまりにおいしそうだったのと、私がかねてより「マグロ納豆丼、マグロ納豆丼」と唱えているのを覚えていたんだそうだ。
好物は唱えてみるもんだ(笑)


その日の夜、さっそくその生マグロをぜいたくに使い、念願のマグロ納豆丼を食べた。
つやつや、ふっくらの炊き立て道産米にマグロをふんだんに乗せ、納豆もたっぷり1パック分乗せ、うちでとれたとろろ芋を乗せ、美味しいしょう油をかけて…
まさに至福の味!
美味しすぎて、写真を撮る余裕もありませんでした。


マグロ屋さんは旭川から来たらしい。
当然、うちの周辺は山だから、海の幸とは縁遠い。だけど、こんな風に、思いがけず良質の食材がやって来る事がある。
ちなみに、母いわく、マグロ屋さんが来たのは3年ぶりくらいじゃないかと。
次にいつ食べられるかわからない、届きたてのマグロによるマグロ納豆丼…。そう思うと、うまさも倍増なのでありました。