日本語教師失業と、卒業発表


早くも、フランス人カップルへの日本語レッスンが終わってしまった。
開始から約1か月で早くも日本語教師失業…とほほ。
理由は、彼女たちが帰国を目前にして本業(学業)が忙しくなってしまったから。修了試験だか何だかがたくさんあるらしい。
来週には帰国しちゃうんだもんなぁ。寂しいなぁ。


で、彼女が学業で忙しくなるってことは、同じクラスでポル語を学んでいる私も忙しくなるってことで…。
約2か月のレッスンが、あと数回で終わることになるのだが、レッスンの集大成として(?)、一人ひとりが好きなテーマを選んでみんなの前でスピーチする…という課題が出された。
ええ、もちろんポル語でスピーチですとよ。
一人、最低20分しゃべりなさい、ですってよ。
むーーー。これは確かに大変な課題だ。日本語レッスンの教材を準備している場合じゃないぞ。


そんなわけで、この週末は珍しく大半を家でおとなしく過ごし、卒業発表のための原稿作りをしていた。ふぅ。
私が選んだテーマは、日系移民100周年にちなんで、ブラジルにおける日本人の歴史と今。なんだかたいそう立派なテーマですが、相手は、サンパウロを知らない外国人たち。
サンパウロにどれだけ日系人がいて、どれだけ日系の学校があって、どれだけ日本食レストランがあって、どれだけ日本語が通じるか…
そんなことをつらつら語るだけでも、彼らにとっては興味深い話。


それだけでもいいんだけど、せっかくだから、もっと歴史的な部分まで突っ込んで話がしたい。
幸い、ブラジルを知る会で学んだ「移民史」のレジュメたちが手元にある。参考文献もいくつか持っている。
これらをざざっとまとめて、ポル語に直せばいいわけだ。


それにしても日系100年の歴史はとてもドラマティックで壮大で、読み返せば読み返すほど奥が深い。
あれもこれも語りたい。
農業面での貢献については絶対にはずせないし。
今のブラジルと日本の関係を語るにおいて、デカセギのこともはずせない…。
そうやってウンウンうなりながら、とりあえず日本語で原稿を作った。それから、自分の持てる範囲の語彙を駆使して、ポル語に訳していった。
すると、ざっと読んで軽く20分を超える壮大な(?)ポル語の原稿が出来上がったよ…。


発表は3〜4人ずつ、2回にわけて行われるんだけど、今日は初回組の3人がスピーチした。
ドイツ人のステファニーは、ブラジルにおけるアフリカンダンスについて。
イタリア人のアンドレアは、専門である心理学の話。
フランス人のラウラは、サルサ音楽とダンスについて。
ノルウェー人のウーリは、パンデイロ(楽器)について。


それぞれ、実演あり、ビデオ上映あり、大きな図解あり…で、バラエティーに富んでいておもしろい。
何よりすごいのは、みんな、ほとんど原稿とか資料を見ないで、完全なフリースピーチ状態ですらすらとポル語で発表していること!
さすが西欧言語圏だよ。すごいよ。ずるいよ…。
私は…どどどうしよう。原稿なしでどこまでできるだろうか。最初に断わりを入れて、もう完全に「読み」の体制に入っちゃおうか。
でもこれはオーラル(口頭)の訓練だからなぁ。やっぱり、原稿を極力見ないようにしないと…。


と、悶々としております。
私の発表はあさって水曜日。さてどうなることやら?!