宗教儀式、カンドンブレー見学へ


今日からまたまたブラジルは4連休…となるところが多いのであります。
今日は木曜日で、Corpus Christiという祝日。


明日は祝日ではないけれど、祝日と土日に挟まれた金曜日ってことで、多くの学校や企業はまたお休みになる。
この時期、連休が続くのよねぇ。


今日はまぁまぁ天気も良く、ちょっと遅めのランチをポルトガル料理店で食べてから(これがかなり美味しくて、アタリだった!)、少し海辺を散歩。
泳ぐにはちょっと涼しい季節になっちゃったなぁ。やっぱりサルバドールにも四季があるのだ…。
でも海は気持ちがいいね。日常の真ん中にある海、いいなぁ。


夕方からは、サルバドールに来たら行ってみたかったところの一つ、カンドンブレーの儀式へ行ってきた。
たまたま昨日、大学のクラスメートのドイツ人から情報をもらい、簡単な住所と儀式をする代表者の名前だけを頼りに車で向かってみた。
やはりサンパウロ同様、初めて行く場所は緊張する。道がよくわからないからね。
でも今回は、だいぶ土地勘がついてきたのか、地図を見ながらほとんど迷うことなく到着した。ま、途中、3回くらい人に聞いたけどね。


カンドンブレーとは、西アフリカ起源の密教の一つだそうで、ブラジルに奴隷として来たアフリカ人がもたらしたんだそうだ。
それが今の時代にも受け継がれている。
密教。儀式。アフリカ…
いったい、どういう雰囲気の場所なんだろう?どういう人が来てるんだろう???
かなり謎だよね。
地球の歩き方にも、あまり詳しい情報はないしね。


ドキドキして敷地内に入ったら、普通に駐車場があって、なんだかすごく広いぞ。
車を止めて外に出たら、黒人の血が強く入っている顔立ちの子供たちがわらわらと集まってきた。ニコニコしながら。
「ジャポネーザ!」とうれしそうに指をさす。


この子たち、敷地内に住んでいるんだそうだ。
聞くと、この敷地内はちょっとした村のようになっていて、ここで暮らしている住民は結構多いみたいだし、学校なんかもあるんだって。
密教という言葉からイメージする、ちょっと怪しげな雰囲気は全然なくて。
なんだか意外だわ。


友人からは、17時からと聞いていたので、日本人な私たちは時間厳守で17時半ごろ到着。って、厳守じゃないし(笑)
しかし、儀式会場の中も、屋外にも、ほとんど人がいないよ…。どーーーなってんの???
スタッフらしき人に聞くと、「人が集まり次第、開始するよ」と。なんとまぁ、不確定な時間よ…。集まり次第って…。
こんなところに、人が集まるのかねぇ。
でも他に行くところもないので、しばし、待ち続ける。


驚くことに、続々と人が集まりだしたのは午後7時過ぎ。さっきまで閑古鳥が鳴いていた会場はみるみるうちに埋まり、立ち見の人も現れ、まるでサンバのエンサイオ状態!
7時半ごろ、ようやく儀式がスタートしたのであった。
なお敷地内は撮影禁止。そのへん、しっかりしてます。


儀式… それは盆踊りのようなダンスで始まった。
太鼓などの打楽器を使った音楽が流れるんだけど、これがまた、ちょっぴり村祭り風の音色でね。
それに合わせて、白を基調にしたバイアーナドレスを着た女性たちが、まったりとした手つき、足取りで輪になって踊る。
この手の動きがなんとなく盆踊りなんだよなぁ。


いつの間にか、中央に位置する大きな椅子に、中心人物らしき女性が座っていた。
踊りの途中、彼女の前を通過する人は、ひれ伏したり、体を床に付けたりして、何かを表現していく。
その辺りから一気に密教色が強まって行き…


いつの間にか、踊りの輪を抜け出して、輪の中心部に入り、フリーダンス状態になっている人が数人現れる。
白目をむいて、明らかに放心状態で踊る人。
奇声を発しながら激しく体を動かす人。
目をつぶりながらぐるぐる回ってる人。
バリエーションはいろいろ。だけど、みんないわゆるトランス状態っていうの?完全に何かが乗り移ってる感じ…。


もしかしてあれは演技?
と思わなくもないけど、あれを演技で出来たらかなりの演技派だ。
っていうか、どう見ても普通のおじさん、おばさんなんだもの。役者には見えないし。
あれはやっぱり、何かが乗り移ってるんだ…。
笑うことも、手をたたくこともできず、凝視するしかなかった。そんな儀式。


かれこれ2時間くらい続くのだろうか。私たちは1時間半ほど見て抜け出してしまったけれど(子供たちがもう限界で。)。
観衆の中には、やはり何かが乗り移ったように奇声を発する人や、同じように祈りの歌を歌う人ももちろんいたけれど、観光客も多かったな。
後ろの席にいた女の子軍団は、ヨーロッパのどこか違う国の言葉で会話していたし。
サンパウロから旅行中だという日本人の方にもお会いした。(わーい日本語で会話できた!うれしかった!!)
実は結構有名なスポットなのかも知れない。それにしては場所がとってもマニアックだけど。


サルバドールの大切な文化として、これは知っておくべきだと思う。儀式の曜日が決まっているので、旅行日程によっては難しい場合もあると思うけれど、もし行けそうなら足を延ばしてみる価値はあると思います。
旅行代理店などで、送迎付プランもあるとのこと。ちょっと割高だけど、やっぱり安心だし、おすすめです。
普通にタクシーで来ている人もいました。オンジーナあたりからだと、片道30レアルくらいってとこかなぁ。


なお私たちが行ったのは、São Gonçalo という地区にある、Mãe Stellaというところ。ステラ母さんが、生きた神様なんだね。