サントスで日本移民の歴史を学ぶ


久しぶりの知る会の見学会。行先はサンパウロから一番近い海の町、サントスである。
サントスには家族で何度も来ているけれど、海辺のレストランで食事するとか、サッカーのサントス戦を見に行くとか(我が家はサンチスタ)、友達に会いに行くとか…
日本からの移民船「笠戸丸」が着いた港、という歴史的にとても重要な街でありながら、そのあたりにスポットを当てた観光はしたことがなかった。
なので今回の見学会はとても興味深いものだった。




まずはモンチ・セッハの丘という展望スポットへ。急な上り坂を可愛らしいミントグリーンのケーブルカーに乗って進む。
落っこちないか心配だよねぇ、落ちた場合ブラジルではすべて乗った客の自己責任になっちゃうからねぇ〜、などと話しながら上る。
途中、緑が生い茂る中に、バナナの木がありましたよ。こういう姿で、バナナは実をつけるんですねぇ。しかも、花のつぼみが「ぶらさがって」いますよ。これがバナナの花なんですね。
恥ずかしながら、生でその姿を見たのは初めてであります。ちょっと感動…




ケーブルカーが登り切ったところには、かつて上流階級の社交場であったカジノの跡地があり、今でもパーティ会場として活躍しているようでした。
カジノの屋上が見晴らしスポット。サントスの港から海まで一望できます。
ここで、ガイドのみつえさんによる街の解説が入ります。なるほど、あの埠頭に笠戸丸が入港したのね…
そして今はコンテナが山積みになり、輸送の拠点であるサントスの現状がよくわかります。



港にはいろんなものが出入りするようで、オレンジジュースをいっぱいに詰め込んだトラックなども通ります。
石油輸送車のように、タンクにジュースが詰まってるんだって。さすが、世界一のオレンジジュース輸出国のブラジルです。
日本のオレンジジュースも、9割がた、ブラジル原産だそうですよ。いったんアメリカに入りそこで加工されて日本に来るのかな?だからジュースの箱にはアメリカ産と書かれているようですが、実際はブラジルなんですって。



続いて本日のメインイベント、サントスのコーヒー博物館見学へ。
歴史的なヨーロピアン建築物が残るセントロ地区にある、堂々たる風情の建物です。かつてはコーヒー取引所だったため、中に入るとセリ会場(といっても床は大理石:イタリアから取り寄せたものだし、ダークな木目が美しいイスや天井のステンドグラスは大変豪華…社交サロンみたいだ)。


そして2階が展示場になっていて、ちょうど見学会の翌日まで、「日本移民とコーヒー」なるテーマで特別展が開かれていたのです。それを見るために、今回の見学会が企画されたのでした。



大きな写真パネルが展示物の多くを占めている。話で聞く苦労話より、一枚の写真が目に訴えかけてくるインパクトは大きいよね。
幼い少年まで駆り出され、コーヒー農園で作業していたんだな…、とか。



農園の真ん中で、なぜかしっかりした身なりで記念撮影している家族写真。
この家族は、日本ではどういう暮らしをしていたんだろう。どうしてブラジルに渡ってきたんだろう。ブラジルでどんな経験をして、今はどうしているんだろう…
いろんな想像が頭をめぐる。それぞれの家族に歴史がある



それにしても各種展示物がなかなかオシャレな雰囲気に仕上がっていて興味深かった。
たとえば、移民の父と言われる水野龍氏の日記。字体とか色づかいとかデザインが素敵…と思って、すっかり見入ってしまった。





この特別展示はこの日記を書いている時点でもう終わっているけれど、続く特別展示も日本移民関連の第2段だそうです。これも行ってみたいわ。


1階にはコーヒー豆などを売るショップとカフェがあり、ひきたての高級豆は大変美味しくて人気だそう。我が家はまだ在庫があるので今回は購入をあきらめましたが。
豆は輸出される際、生豆の状態を乾かして、白いままで出荷されるんだそうです。

豆が入っている麻袋のデザインが、ブラジルコーヒーのシンボルで大変可愛い。このマーク入りのマグカップとかをお土産用に作れば売れると思うんだけどねぇ。マーク入りグッズはこの麻袋のみ!
この袋、家にあってもどうしようもないよねぇ…。



この時点でお昼になったので、海の見えるレストランでランチすることに。
その名も、Terraco Chopp、生ビールテラスですわよ!
この日はとても暑かったので、生ビールがとても美味いっ。見晴らしのいい高台からの眺めもすがすがしく(でも海の色はなんであんなに黒いの???)…

料理は私が強くリクエストしたエビのニンニクオリーブ炒め。海沿いに来ると必ず食べたくなる、ビールのお供なんです。




メインは、カウデラーダという魚介類の煮込み。ムケッカと違って、ココナツミルク風味ではなく、トマトなどの野菜がベースになったスープ煮込みです。
ごろごろと入ったジャガイモやゆで卵も私好み。ボリューム満点で、3人前×3皿を15人で食べても余る勢いでした。美味しかった〜〜〜。



ほろ酔い気分も手伝って、帰りの貸し切りバスの中ではほとんど熟睡。気付いたら家の近くの解散場所に到着していたと言う夢のような移動でありました。

やっぱりこれがあるから知る会はやめられませんなぁ〜。ふふふ。
(今期、11期の募集はまだまだ継続中ですよ!今からでもぜひご連絡くださいね〜。)