いらっしゃいませ北海道の雪だるま!夏のサンパウロ大盛況!!!


すみません、まだ頭の中にヴィラマリアの歌詞が残ってまして。ポル語の中に突如現れる「イラッシャイマセ」のフレーズがどうしても耳に残っちゃうんです。
ということで、はるばる北海道は安平町からやってきた巨大雪だるまくんに、サンパウロ市民を代表して心からいらっしゃいませと言いたいです。




お披露目の日は、真夏のブラジルらしいかんかん照りの30度を超える暑さ。あぁ一刻も早く冷たい雪に会いたい…と我が家から15分ほどの北海道協会に車を飛ばしたら、あらまぁ、お披露目開始の15分前だというのにすでに駐車場はいっぱい!
それどころか、ひっきりなしに人がやってくる。気付いたら建物の周りはものすごい行列が出来始めていた。び、びっくり。
肝心の雪だるまはどこに???と思ったら、建物奥の屋外スペースに現在設置中とのことだった。
ほどなくして、奥からミニクレーンが出てきた。そうか、これで土台の上に雪の塊を載せていたのねのぇ。


そしていよいよ人々がどっと動き始めた。雪だるまに向かって進み始めた。
そ、それにしてもものすごい人だかりだ…。例えるなら、東京のデパートの初売りバーゲンセール初日って感じ?われ先にと雪だるまに向かう人々…。
でもなかなか進まないよ。


やっとの思いで辿り着きそうになったら、今度はテレビ局のレポーターやカメラマンがいっぱいいて大変。顔出しレポートを撮影したりしている。お客さんの入りもすごいけど、メディアの注目度もすごく高くて驚きだ。
客観的に見て、そこまで注目されるのものかね…と言う気がしなくもないけど(笑)でもやっぱりここはブラジル、真夏のブラジルに日本から本物の雪だるまが来たんだもの、話題性は抜群だわね。





さて私にとっても実に5年ぶり?くらいの雪。会いたかったよぅ。恋しかったよぅ。
高さ2メートル、重さ1.3トンという巨大雪だるまは台座に載せられ見上げる高さだったので、足もとに触れるのがやっとだったけど、その周りにちりばめられたミニ雪だるまくんたちはナデナデするのにちょうどいいサイズで。
一眼レフをぶらさげてなければぎゅっと抱きしめるのに〜、と本気で思った道産子の私であります。

アレックスは大胆にも巨大雪だるまの台座に上がり、果敢に手のひらをあてがった。しかし、すぐに怖くなったのか、2回ほど触れただけで顔をしかめる始末。
せっかくブラジルの新聞社に写真撮ってもらえるチャンスだったのにねぇ、カメラ向けられたらいきなり雪だるまにそっぽ向いちゃって。
コイは雪は初めてじゃないけど、日系ブラジル人の子たちと同じように、笑顔でミニ雪だるまの冷たいボディをすべすべとさすっていた。




ひととおり雪だるま詣でを終えたら、さきほどのレポーターがマイクを向けてきた。お、ついに私もブラジルテレビデビューかっ?!
というか、それ以前に、ポル語なんですけど…。質問の意味がなんとなくしかわからないんですけど…。
でもせっかくなので勢いで答えてみたよ。聞かれてもないことをまずはアピール。「エウ ソウ ド ジャポン、ド ホッカイドウ!エンタォン、ムインタ サウダージ ネ!」と(直訳「ワタシ、ニホンカラキマシタ。ホッカイドウ。ソレデ、スゴイ ナツカシイ」)。
すみません、ポル語が分かる人が聞いたら、何いってんの?って感じですが、マイクを向けられてとっさに心から出た叫びがそれだったのだ。
本当に、長旅を無事に乗り越えてきた本物の雪を見たら、懐かしさで胸がいっぱいになり、本当にサウダージだったんだよぅ。(微妙に泣きそうな顔でインタビューに答えちゃった)



その後、子どものころ雪でどんな遊びをしたのか、という質問が来たんだけど。雪合戦をとっさにポル語に出来なくて。球をつくってぶつけ合う、という説明で終わってしまった。あとは、雪の家を作って中でお菓子などを食べる、と話した。
かなりメチャクチャなポル語だったので、意味が伝わっているかは不明。でも、いい経験させてもらったわ。だって、天下のGLOBO(グローボ)局だったんだよ。


巨大雪だるまを過ぎると、壁に安平町のパンフレットや、雪だるま制作中の写真などが展示されているコーナーがあったり、かき氷販売コーナーがあったり。



ミニ雪だるまがズラリと並ぶテーブルもあり、そちらでは割とゆっくりと皆さん雪に触れることが出来たみたい。
来場者は日系人が9割という印象だけど、そのうち何人くらいが北海道出身者なんだろうか。そのうち何人が、日本語話せる人なのだろうか。
1世らしきおばあちゃんの姿も多いけど、3世・4世くらいの若い親子も多い。そのくらいになると、雪も、北海道も、日本すらも未知の世界と言う世代だ。そりゃもう、このイベント、新鮮でしょうよ!


受け入れ団体である北海道協会の若手グループ「ひぐま会」の面々は、お揃いの特製Tシャツを着て会場を仕切ってくれていた。
写真は、ミニ雪だるまが梱包されていた発泡スチロール製のケースを抱いてはしゃぐスタッフたち。皆さん、北海道にゆかりのある青年たちであります。




さてこのケース。中はこんな風になっていて、すっぽりと成形雪だるまくんが収まるスタイル。足元には目や口のパーツが入っています。
外側には「禁暖房」の文字。ブラジルは暖房はないけど、暖房並みに暑いね!
これは、早来郵便局から全国にゆうパックで発送可能らしいです。町おこしの目玉として開発された画期的「商品」だわね。




ミニ雪だるまを珍しそうに触り、とってもうれしそうに写真を撮っていた親子に話を聞いてみました。雪だるま、どう感じました?って。
すると、「雪の人形(ポル語で雪だるまのことはboneco de neve、直訳すると雪の人形となるの)と言われても最初、全然意味がわからなかったの。そもそも雪がどんなものか知らないし、人形と言われても何のことか…。でも今日来て見てよくわかったわ、とても素敵!」と興奮気味。
確かにねぇ。おっしゃる通り。
コイくらいの年頃の金髪の男の子は、「雪の人形はサンタさんと一緒にいるものだと思ってたよ」と素朴な感想。そ、そうだね、北海道からサンタは贈れないよ…。



実際の雪だるまは、ちょっとやそっとじゃ溶けないようにと、かなりギチギチに雪を固めて作られていたから、私たちが子供のころ作った雪だるまというより、雪祭り雪像のような質感で。氷に近い状態にがちがちだった。
これなら、かなりの時間、存在感を示し続けることが出来るのではないかな…と思った。けど。
やっぱりお披露目開始から1時間もすると、ミニだるまくんの体は足もとから少しずつシャーベット状になってきていた。
淋しいなぁ。はかないなぁ。でも、だからこそ、雪だるまなんだよなぁ。
でもやっぱり、最後、溶けてなくなっていく姿は見たくないよ…。


そんなおセンチな道産子母の思いなどつゆ知らず。子どもたちはしっかりパパにかき氷をねだり、おいしそうに食べていた。雪よりかき氷かいっ!!
出口は、広いホールをいったん通る順路になっていた。ホールでは、はっぴを着た女性たちが移民100年記念音頭??のような曲に合わせて踊り始めていた。ここも大盛況でびっくり。


イベントに付き物のヤキソバもこの日は飛ぶように売れたとのこと。
入口の物販コーナーでは、北海道協会の若手女性たちが手作りしたという可愛いミニ雪だるまマスコットの姿も!
入場は無料だったけど、案外、経済効果はあったのかも知れないね。




それより何より、ブラジルの人たちに、北海道の存在をアピールできた効果は大きいと思う。私が思っていたよりずっと大きなインパクトを、ブラジル社会に与えたのではないかな。
北海道の皆さん!安平町の皆さん!雪だるまプロジェクトの皆さん!今回の企画は大・大・大成功でしたよ。道産子代表の一人として、ここに、堂々とご報告させていただきますよ。


そのことを実感したのは、実はその翌日。
たまたま乗ったタクシーが簡易テレビ付きでね。(これはまだまだブラジルではかなり珍しいんだけれども)
日本人が乗り込んだと見たら、運転手の兄さん、いきなり雪だるまの話を振ってきたのよ。さっき、このテレビでブラジルに雪だるまが日本からやって来たニュースを見たけど、知ってるかい?って。
おっ、テレビ?ニュース? もしかしてこの顔、映ってなかった? 私、インタビューされたのよ!と得意げに答えたら。兄さんも調子良く乗ってきた。そういえば出てたよ、きみがその本人とは!!!と話を合わせて来た。


その後、近所の薬屋に行ったら、そこにもテレビがあったので店番のおじさんに聞いてみた。今日のニュースで、雪だるまの話、見た?と。
そしたら、ついさきほど映ったよ!すごくきれいだったね、との感想。
すごいじゃないのよ、こんなにも一般ブラジル人に浸透しているのねぇ、このニュース。


試しにヤフーで「雪だるま ブラジル」と検索したら、日本の多くの新聞でも取り上げられていたことがわかった。すごいすごい。
そして実は私、本当にテレビに映っていたんです…。どなたか、ブラジルでご覧になった方、いらっしゃいますでしょうか。
これは私のかーなーり恥ずかしい姿なんですが、グローボ局(ブラジル最大のテレビ局)が総力を尽くして作成した(?!)雪だるまドキュメントレポート(なんと総尺3分47秒も!)。
ぜひ日本の関係者の方々にもご覧いただきたいので、リンク、貼っちゃいます。以下をクリック下さい。
http://video.globo.com/Videos/Player/Noticias/0,,GIM788319-7823-EXPOSICAO+INUSITADA+PARA+CELEBRAR+OS+ANOS+DA+IMIGRACAO+JAPONESA,00.html

雪だるま設置シーン、輸送時の様子振り返り、当日の賑わい、早来郵便局長のインタビュー、資料映像として北海道の冬の様子(これは当日、ステージ上のスクリーンでも流されたらしい)、日系来場者インタビュー(子どもからおばあちゃんまで)、全体の様子、ひぐま会インタビューなどなどと内容盛りだくさん。
私のPCだと映像と音声が途切れ途切れで厳しいけど、日本からだとどうでしょう?滑らかにご覧いただけますように…。