古代マヤ文明のロマンに浸る、チチェン・イツァ遺跡ツアーとセノーテ泳ぎ

ここは見逃せないでしょう、マヤ文明最大規模の遺跡ですよ。片道3時間、そして現地は灼熱の太陽が照りつける大変暑い環境と聞く。それに加えトゥルンでの疲労を考えて、このツアーには子どもたちは連れていかないことにした。幼児が遺跡見てもまだわからないだろうし、疲れるだけだろうし、何より私たちがキッチリ見れないからねぇ。


ということで、朝からホテルのベビーシッターサービスを利用。これも前日に日本人スタッフ経由で申込書を書き、リクエストしておけばOKでした。
ホテルスタッフの非番のお姉さん(シッター有資格者)が請け負ってくれるのだ。一時間10ドルで。いいバイトだよね。
この日は、英語とスペイン語が話せるというお姉さんが来てくれて、ほぼ丸一日、二人の男児を預かってくれたのだった。
ずっとホテルの部屋にいたわけではなく、ホテル内のキッズルームに行ったり、キッズプログラムに参加して楽しく過ごしたみたいで安心。ランチもキッズ用のものがあったようで、食べものの心配もなし。
一応、預ける前に、アレルギーの有無や好き嫌いなどを伝えておいた。持参したおもちゃなども渡して。
こういう柔軟なベビーシッターサービスがあるのは、さすがファミリーリゾートだなぁと思う。相手も慣れているから、こちらも頼みやすい。


今回のツアーは、やはり前日にホテルの日本人スタッフに相談して探し出したものだった。
その日は水曜日…。実は、有名どころのチチェンイツァ日本語ガイドツアーは、なぜか火曜と木曜というのが多い。
でもどうしてもこれだけは日本語ガイドで行きたかった。
いろいろ探してもらって、最初見つかったのは遺跡オンリーのツアー。でもそれじゃダメ。私たちは、セノーテ(天然の深い泉)見学もセットになったツアーに入りたいのだ、どうしても。


ホテルのお姉さんの頑張りにより、そんなワガママを叶えてくれる日本語ガイドツアーがなんとか見つかり、晴れて希望通りに決行!
朝、ホテルロビーに迎えに来てくれたガイドさんは、まだ20代後半の可愛いお姉さん!正真正銘の日本人の女の子だよ〜!
しかもラッキーなことに、日本語ガイド希望者はこの日、私たちだけ。ミニバンにはほかに英語ガイドとそのお客さん6人が乗っているだけだった。ツアーと言っても大型バスでわいわい、という感じじゃなくてラッキー。


ガイドさんによると、その日の参加人数によって車の規模が違うそうで、それはギリギリまでわからないんだそう。だから今日は小回りが利きますからツイてますよ!と言われた。むふふ。


車内でさっそく遺跡のことやカンクンの歴史話をしてくれるガイドさん。まだお若いのにしっかり勉強されていて、堅苦しくなく、それでいてツボをしっかり押さえているとてもいい説明。
これはとてもいい方に当たりましたわよ♪


途中、高速道路をガンガン走り、一軒、お土産屋さんで休憩タイムを取った。そこでは、ハチミツのお酒を試飲したり、銀製品を品定めしたり。
そういえば私たち、まだメキシコの土産品を一つも買ってないし、ろくに店を覗いてもいなかったから、これが初めてのお土産屋体験だ。
マヤ暦で自分の生まれ月を示したシルバーのペンダントを3000円くらいで買った。結構可愛い顔した模様。カジュアルに付けられそうで気に入ったよ!


高速道路がなかなかきれいに整備されていて、快適なドライブですね〜、なんて感想を言ったらガイドさん、「それは日本在住の方からは出てこない言葉ですよ〜」と。そ、そうかも。ブラジルの高速を知ったがゆえに思う、この快適さ。日本と比較するとやっぱり揺れてるんだろうなぁ。
そんな方には一度フェルナンジアス街道あたりをミナスの奥まで走ってみたいただきたいです。あの穴ぼこはそうそう体験できないよ…


いまだに残っているマヤ人の村などを通り、ちょっとだけ人々の暮らしぶりを垣間見たりする。独特の作りのカヤぶき住居は今でも健在だって。でもちゃんと電気は通っているし、店もあるし、コーラも飲むと言う現代のマヤ人の皆さん。
ブラジルのインジオのことを少し思い出した。


さていよいよ到着したチチェン・イツァ遺跡は、それはそれは大規模で、正直、驚いた。
まず敷地が広いこと広いこと。これはただ歩くだけでもいい運動になるぞ。
まずシンボルともいえる巨大ピラミッドが目に入る。ものすごい急な石段が、ビルの5回くらいは裕にありそうな高さまで続いている。少し前まで、観光客もこの階段を上って頂上に行くことが出来たらしいが、今は禁止されている。
どうやら、短い期間に二人続けて転落して怪我したらしい。それが禁止になった原因らしい。
確かに、きっかり45度の角度の階段は、はたから見るだけでもかなり急で、怖い…。上るのはまだ良くて、降りるのがものすごく怖いんだってね。
ちょっとそれは体験してみたかったけど。


このピラミッド、何の意味があるかと思いきや、宮殿でも教会でもなくて、ただただ、カレンダーなんですって。マヤ暦、なんですって。この巨大な物体が!
ガイドさんの説明を聞いていると、なるほど、これがカレンダーを意味していることがよく理解できる。階段の数が365に近似してるとか。そう、1年365日という概念が、はるか昔の古代文明(6世紀〜10世紀)のころからすでに確立されていたってことですよ。


このほかにも、秋分春分の日にしか現れないピラミッドの影の不思議とか…
石造りの壁が何層にもなって作られている建物とか…
球戯場の壁には不気味ともユニークとも言えない不思議な絵が彫られていたりとか…
ピラミッドの前で手を叩くと不思議な鳴き声みたな音に変化するとか…
とにかく、謎でいっぱいの遺跡だ。


神へのいけにえとして人の心臓を捧げていたというこの遺跡では、心臓を置く像「チャック・モール」も有名。高い遺跡の上の方にあって、近づくとその姿が見えなくなるのだ。だから遠目から望遠で撮影。
腹筋がつらそうな状態のヒトをかたどっていて、おなかの部分に心臓を載せていたそうだ。



これ以外にも、とにかく、見どころ満載の遺跡群。常時、私たちのそばには日本語ガイドさんがいて、それぞれの建造物にまつわる話を詳しくしてくれるからこそ、見どころ満載と言えるのだろうと実感。
だって、先日のトゥルン遺跡は説明をまともに聞かなかったから、正直、その意義や価値を半分も理解していないもの。景観をただ楽しんだだけにすぎない。
やっぱり歴史ある場所については、わかる言葉でしっかり説明を聞かないとね。楽しみ半減どころか、8割減くらいになってしまうと思う。
これまで個人バックパッカー旅行での遺跡見学しか経験したことのないダンナも、今回のガイド付きツアーには大・大・大満足。やっぱり旅は、贅沢するとこで贅沢しないとね!


冬だと言うのに照りつける太陽はとても強烈で、帽子にサングラスに水は必需品。それに日焼け止め。さらには半ズボンがおすすめ。もちろん日焼け止めをしっかり塗ってね。
ちなみにガイドさんは連日のガイド業で日焼けが大変恐ろしいということで、長そで長ズボンで頑張ってました。それもわからないでもない…。
っていうか、冬でこれですから、真夏に来たらどうなるんだ…。恐ろしい暑さであることは間違いない…。


古代文明によく見られる、ちょっとおとぼけ気味の不思議な顔のデザイン壁などを、そういえば私は初めて見たことになる。今まで海外旅行はたくさんしたけど、遺跡は未体験だった。
遺跡は、不思議もいっぱいだけど、なんかそこにいるだけでチカラを感じると言うか、写真や映像では伝わらないホンモノの底力みたいなものがひしひしと伝わってくる。
遺跡めぐりにハマる人の気持ちがわかる気がする。そして私たちもハマりそうかも。


広い敷地内は、実は周りを青々としたジャングルに包まれている。天文台はそれほど高さはないけれど上ることが出来たので上から周囲を見渡したら、確かに深い森がすぐそばに迫っていた。
こんな山の中に、古代人はどうやってこれほどの巨大遺跡を作ったんだろう。どれだけの期間で、何を考えながら?
それにしても石だけでここまでキッチリした三角ピラミッドを作れるものかね?
数字に大変強く、暦に非常にこだわったというマヤ人… 驚くべき高度な頭脳の持ち主だったんだろうね。


これまで遺跡というものにそれほど興味がなかった私だけど、目の当たりにすると、自然といろんな想像が浮かんでくるものだ。これが遺跡マニアだったら、それこそもう、頭の先からつま先まで自然とマヤワールドにトリップ出来ちゃうんだろうな。
そんなパワーを、遺跡は持っているんだな。


神聖さと不思議さを秘めた遺跡だけれど、実際は結構俗っぽいところがあって(笑)
敷地内には、地面にござを敷いて民芸品などを売る人がそこかしこに存在する。ちょっとどころじゃなくて、かなりショッピングモール状態になっているところがスゴイ。これは、前回のトゥルンにはなかった光景だ。
そして、さすがマヤを代表する遺跡、世界遺産である。とにかく観光客がものすごい!!
私たちは割と朝の早い時間(10時半ごろ)に着いて、すいている段階で見て回れたけど、帰り際、午後1時過ぎにはあちこちに団体グループがいて、ものすごい人数だった。


後半、ガイドさんと離れて自由時間が少しあったけど、とにかく広いので目的地に移動するだけでも大変!
ちょっと離れたところにあるセノーテ(泉)に行った。ここは直径と深さが50メートルほどもあるという巨大な天然の泉。やはりここも生贄をささげる場所として使われていたそう。怖い。



集合場所に急ぎ足で戻り、入場時に注文しておいた「自分の記念日をマヤ暦で表現してくれるサービス」を受け取った。これは、誕生日でも結婚記念日でも自分の好きな日付をマヤ文字の日付で紙に印刷してもらうもの。これが絵的にとても可愛くておもしろいし、色もオレンジベースで綺麗なので、自分へのお土産にピッタリ。
顔みたいな絵文字、それらを組み合わせたら年月日になってるんだって。すごい。楽しい!


ふたたび車で移動して、二つ目のスポットへ。今度は生贄とは関係のない、観光用のセノーテだ。トイレや土産店も整備されていて、まさに泳ぐためのセノーテ!
このために朝から服の下に水着を着てスタンバイしていた私たち(そうするまでもなく、トイレで着替える時間は十分あったんだけどね)。つめたそう…と言ってしり込みしている外国人の目にも負けず、まっ先に泉の中へ!
その後、大型バスが到着したようで、続々と観光客が到着。私たちに続いて、次々に水に入った。


上から見ると真っ黒くてちょっと怖い感じの水だけど、実際はとても澄んでいて、奥深くまでよく見える。真っ黒い魚がそばを泳いでいて、それもまた神秘的だ。
飛び込みコーナーがあって、男性も女性も勢いよく泉に吸い込まれていく。ダンナはやったけど、私はそこまでの勇気がないので…。
代わりに、勇敢なビキニ女性の姿を掲載することにします。リアルでしょ?!


すっかり泳ぎ疲れて、おなかぺこぺこでバスに戻る。もうすでに2時近くなっているよ…。このツアーはどれもだいたい昼食がこのくらいの時間になっちゃうんだって。その意味でも、子連れは辛いかもしれないなぁ。おやつや食料をたくさん持参しないと、小さい子は持たないかも。
ランチは観光客向けのビュッフェレストラン。とは言え、なかなかアタリでありました。ステージでは民族舞踊のショーがあったし、料理では美味しいタコスも味わえた。飲み物代だけはその場で支払ったけど、食事大はツアー代に含まれているのもうれしい。



おいしいドスエキスビールを飲み、暑さも疲れもふっとぶランチタイム。帰りは当然のごとくバスの中で爆睡…と思いきや意外と寝付けなくて、可愛いガイドさんと世間話に花を咲かせたのでありました。それもまた楽しい。日系人ガイドさんの多いブラジルでは、ガイドのためだけに日本から来ている日本人の女の子というのはほとんどありえないものね。とても新鮮な気持ちで、彼女の話を伺いました。
いつかブラジルにも遊びに来てね、RISAちゃん!本当にありがとう。


なおRISAちゃんの所属する会社は、IMCと言って、主に英語圏のお客さんが多いんだそう。日本語ガイドはたった二人だけということで、IMCのツアーに入ればRISAちゃんに会える確率が高いかも!
というか、RISAちゃんご指名でぜひどうぞ。ブラジルから来た日本人夫婦の紹介で…と言えば、きっと、我が家のこと思い出してくれるはずですから。


ということで相変わらず長くなりましたが、ここはカンクンに行ったらぜひ足を伸ばして欲しいスポットですね。
っていうか、カンクンは、素晴らしい海があるだけでも魅力的なのに、こんな遺跡まであるなんてちょっとおいしすぎ!ずるい!と言いたくなるくらい、やっぱりすごいスーパーリゾートなのであります。