晴れて卒園の日…


ブラジルの学校は、始業が2月で終業が12月。
二人が通う幼稚園〜小学5年までの一貫学校も、12月2日に卒園式が行われた。
ポルトガル語では、Festa de Encerramento。フェスタ・ジ・エンセハメント、耳慣れない言葉ですが。


会場は去年と同じ、サンパウロ市内から車で約1時間ちょっとの町にある郊外型貸会場とでも言いましょうか、ビュッフェレストランと、屋外広場と、プールとミニサッカー場と遊具などがある施設。
ここを一日借りきって、午前中にセレモニー&お遊戯発表をし、午後はフリータイムで遊び放題というスタイルだ。


集合時間が結構早くて、我が家を7時半ごろ出発。現地で用意された簡単な朝食をとり、子どもたちを先生方のもとに連れて行き、親たちは即席ステージ前に用意されたイスに座って開始を待つ。
今年、コイは年長だったので、幼稚園卒園のセレモニーがある。卒園児の親には、最前列2列が特等席として用意されていた。助かる〜!


式はまず園長先生の言葉から始まり(日系人だけれどポルトガル語オンリーで)、まずは小学部の5年生の卒業式。日系の子がほとんどだけど、中にはどこからどうみても非日系な女の子もいて、でもよく名前を聞くと日本の苗字が入っていたりして。
卒業証書を受け取って、一人ひとりが言葉を述べた。学校への感謝の気持ちや、今後の抱負。もちろん全員きれいなポルトガル語だ。
5年生ともなればしっかりしたもんで、聞いてて感動するような立派な言葉をすらすら述べている。すごいなぁ。


続いてコイたち年長児(プレ)の卒園式。ここでは我々夫婦も登場した。子供と手をつないで入場行進するのだ。ほんの10数メートルの世界だけど、照れくさいような誇らしいような、親として初めての感情を味わわせてもらったよ。



一人一人名前を呼ばれて前に出て行き、証書をもらい、担任の先生と園長先生(いずれも女性)と抱き合って頬にキス。ブラジル式の挨拶は、こういう公的なシーンでも見られるんです。
その時のコイの嬉しそうな顔と言ったら!はにかんだような、ちょっと得意げな。
5歳児なりに、状況を理解して、いま自分が主役だってことを実感していたんだろうね。


この子たちはお言葉はなし。ちょっと聞いてみたい気はしたけどね、5歳児のポルトガル語…。


そんなシンプルなセレモニーが終わると、今度は賑やかなお遊戯発表会!
去年と同様に、まずは1歳児から5年生まで全員が登場しての全体ダンス。大きい子から順に登場し、最後にアレックスたちおちびちゃんがチョコチョコと先生に連れられてステージに。可愛いのぅ。
全員が白に身を包み、手にカラーリボンを持って、「木曽節」をアレンジした曲で踊った。
アレックスのレベルでは、ただ立っているのが精いっぱいだけど、それでも踊りの輪を乱すことなく、一つのまとまりになって存在していることに、ただただ感動であったよ…

その後は、各クラスごとの発表。
今年の全体テーマが「ritimo」(ヒッチモ、と読んで、リズムの意味)なので、各クラス、マンボとかフラとかサンバとか、世界のいろんなリズムにちなんだ曲を使って踊るのであった。


わが子たちのクラスはいずれも大爆笑!
まずはアレックス。フィフティーズを意識しているんだそうで、ジーンズにTシャツ、それになんと、でっかいでっかい色メガネ!サングラスというより、あえて色メガネと呼びたい…。
もうその姿を見てるだけでおかしくて。踊りはほとんど踊りになっておらず、べろーんと舌を出してみたり、ときどき体を左右に揺らしてみたり、なんなんですかそれは!とツッコミたくなる箇所、満載。

それにしても若干2歳の子が、親を前にして泣き帰ることもなく、いや泣きながら耐えている子もいたけど(っていうかそっちのほうが偉いよね)、しっかり曲のあいだ定位置に立って、精一杯頑張っているなんて…
わが子じゃなくても涙腺ゆるむってものです。素晴らしい。
幼稚園、ブラボー!!!
アレックスが家にいる時よりずっと偉大に見えました。


さてコイのクラスはと言うと、これまた大爆笑。
なんと曲は、サルバドールのカルナヴァルで大人気、イヴェッチ・サンガーロですよ。彼女の代表曲、ブラジル人なら誰でも口ずさめる「ポエイラ」ですよ。
それだけでおかしいんだけど、すごいのが衣装、っていうかかぶりものである。
女の子はキンキラテープで毛染めロングヘアーを表現。
男の子は思いっきり巨大なアフロヘアかつらを着用。つのだひろ氏もびっくりのアフロである。


この姿で、超ノリノリで、飛んで跳ねての大騒ぎ!
張り切りすぎたコイ、途中でかつらが落下。おいしすぎるぞ、きみ!!!
そしてこのカツラ姿が、ママそっくりとの声多数。しかも、ママがパーマに失敗した様子にそっくりと言う。
って私のパーマ失敗を見たことあるんかいっ!!!(…私も見たことない、けど、くやしいけど容易に想像がつく…かなり当たってる…)

今年は一眼レフを使ってかなりアップで表情を撮影できたから、それも楽しかった。
このために買ったようなものだもんね。


ランチタイムは親子みんなでシュハスコなどのビュッフェ。仲良しのお母さんたちとの話も弾み、ビールもすすむ。
子どもたちはそれぞれプールだサッカーだと自由に遊びに行く。天気も良くて、最高の日曜日。


日本の卒園式を想像すると、全然別物だけど、こういうのもいいよね。
コイも晴れて、来年からは一年生だね。まだまだ、実感はわかないけど。
とにかく、ブラジルでの幼稚園生活、2年間よく頑張りました。おめでとう、卒園。