まさにドイツ!のブルメナウパレード


さていよいよオクトーバーフェストの町、ブルメナウへ。今回は初めてブラジルでレンタカーを借りてみた。
セントロにはLocaliza社の支店しかなく、利用したいHertzは空港店のみ。まぁセントロから空港までのタクシー代を考えてもHertzの方が安いよね、ってことで、ホテルから空港への移動覚悟でHertzをネット予約していた。
で、ホテルのフロントでその話をすると、いやいやHertzの方からここまで車を持ってきてくれるはずだ、ちょっと交渉してあげる、と頼もしい声。ではでは、ということでお任せしたら本当に車を持って来てくれたよ!
手続きもそこで済ませ、いざ出発。ジョインビレからは約100キロ、道路もちゃんと整備されていて走りやすく、のどかな田園風景が広がっていて快適なドライブ。



ここで初めてブラジルの水田を目にする。これはまぎれもなく、田植え後まもない水田であろう。
この写真はずいぶん水が多くかぶっているように見えるけど、大部分の田んぼは、水面から苗が20センチほど顔を出した状態のあおあおとした風景だった。
そうかー、ブラジルのお米はサンタカタリーナでも作られているのねぇ…。
水田を見るとやっぱりふるさと風連を思い出す私である。もう風連の田んぼは今年の仕事をすっかり終えて、来年の春までお休みだなぁ、などと思いし、ついでに父や母の顔を思い出して目頭が…
って、ビール祭りと風連の不思議な関係(笑)


しばらく行くと、道路わきに立派な観光案内所の建物があった。これがすでにドイツ風のレンガづくりで可愛い!
日本でよく見かけるような、観光案内版も立派に立っていた。あまりブラジルでは見たことがないような気がするんだけど…。ブルメナウがいかに観光に力を入れているかがよくわかるね。
案内所の中には英語も話せるスタッフがいて、観光パンフレットも各種豊富に揃っていた。すごい、日本みたいだ〜。
やっぱりここはブラジルといえども一味違う地域だなぁ、と実感する。


そこでいただいた地図のおかげで、特に迷うことなくブルメナウの街に着いた。まずは腹ごしらえ、ということでガイドブックに載っているドイツ料理の店を探していくことに…って、ショッピングセンターの中にあるよ。なんかちょっと味気ないのぅ。
でもお腹がもう限界だったので、そこに入ってみる。Grut Azulという店。行ってみると土曜日はランチブッフェであった。ソーセージからマレッコ(カモ肉?)まで、ひととおりのドイツ料理が揃ってていずれもなかなか美味しい。アラカルトで食べるより断然お得な値段でドイツ料理を味わえた。満足満足。
ショッピングセンターの中を歩くだけで、すでにもう我々日本人は目立つ存在になっている。それもそのはず、やっぱりヨーロッパ系の人が断然多い。とにかく目が青い!
そして日系人らしき人の姿はほとんどない。アジア系自体、全然見かけない。
だからもう、人々は日本人の子供を見て大喜びである。ジャポネジーニョ!キ カベーロ ボニート!と、なぜかストレートのサラサラヘアをほめてくださるご婦人が多い。なぜ???
ストレートのサラサラって言ったって、もう伸びきってザンバラ頭なんですが。こんなんでよろしかったでしょうか?
ともあれ、悪意を感じる目線では全くなく、むしろほほ笑ましいわね〜という感じで見てくれるのでありがたい。


食事をのんびりしすぎたので、ホテルにチェックインする時間が予定より遅れてしまった。5時からのパレードに備えて、3時にはホテルに入るつもりだったのに、気づいたらもう4時半近くだ。
慌ててまた車でホテルに向かったら…なんとすでに交通規制中!そうだった、ホテルの前がパレードの出発地点。馬車やら民族衣装の人々やらですでにごった返している。
宿泊客くらい駐車場に入れさせてよ、とガードマンにお願いするも、ダメダメ。ホテルフロントにかけあうも、ダメダメ。
仕方なく街をぐるっと回って、そのへんの有料駐車場に止めた。なんかもったいないけど、かなりくやしいけど仕方ないわね…。


そしてさっそくパレードルートの沿道に場所を陣取り、座り込む。この様子はまさにディズニーランドのパレードを待つのと同じである。
パレードをやる日は祭り期間中の何日間かに限られていて、いつでも見られるわけではない。だからこの日を狙ってきたのである。ビール以上に実は楽しみにしていたかも!
沿道にはすでに黒山の人だかり。一眼レフをぶらさげてる観光客の姿も多い。よし、ここなら堂々と写真が撮れるのじゃ!

いよいよパレードのスタート。向こうからにぎやかなバンド演奏の音色が聞こえ、大きな旗を掲げた騎手がさっそうと馬に乗って登場してきた。
華やかだ。そしてドイツだ。これがまさに私の見たかったドイツのパレード!



大小さまざまな約90の団体が、次々にそれぞれのテーマ性を持ってパレードに登場する。バレエ学校のチームだったり(この街にはロシア仕込みの有名なバレエ学校があるのだ)、パン屋さんのチームだったり、母の会だったり。



衣装がまず可愛いし、登場する人々がすごく可愛い。とにかく目が青い人が多い。ドイツ人ってこんなに目が青いものなの?吸い込まれそうな青。



小さい子どもが可愛いのはもちろん、まさにこれこそビールっ腹!というおじさんも、移民一世?と思われるおじいさんおばあさんカップルも、それぞれが素敵な笑顔で、心から祭りを楽しんでいて、すごく可愛い。


祭りには欠かせない、きれいどころの軍団。ミス・ブルメナウやら、オクトーバーフェストの女王やら…。これもみなブラジル人でありますよ…。ウットリ。



ここもやはり移民の町、ということで移民の歴史を表現するチームも。ドイツから17家族が到着したのがこの街の始まり、ということで当時の家族を再現してました。



ドイツ料理には欠かせないキャベツと紫キャベツをテーマにしたものや、ビールを作る工程をモチーフにしたもの、おじいさんたちだけで構成されるドイツ音楽バンドなど、どれもこれも魅力的。約2時間、本当に飽きることなく楽しめた。
ほんとにドイツにいるみたいだ…。
パレードの背景にはドイツ風の家並み。ここは15 de Novembroという通りで、市内でも特に歴史的な建物が残されている人気の観光ルート。
それだけに、そこかしこがドイツ風。さらに祭りの装飾も加わり、このパレード中はブラジルにいることを忘れていたよ。



というのも私、結婚前にドイツ・スイスを一人旅したことがあり、たまたま1泊したドイツの町・ディンケルスビュールで子供祭りというのに遭遇したのだ。
その街はロマンチック街道沿いにあり、ローテンブルクなどと並ぶ歴史の古い可愛い街。そこで見た祭りがものすごーーーく良くってね。街の歴史絵巻を表現した、村人たちによるパレード劇なんだけど、とにかく絵になるし素敵だったのだ。
そのイメージを期待して今回も来たわけだけど、まさにそれに劣らない、本場さながらのパレードでありました。最高!!!


ちなみにパレード中もビール飲み放題?と思うでしょ。それが残念ながら違ったのですよ〜。
パレード出場中の人たちはジョッキ片手に歩いてたけど(それも演出)、観客はじっと我慢の子…。ま、あの大観衆がみんなでビール飲んでたらえらいことになるか(笑)
ビール祭りといえば大人のイメージが強いけど、この夕方のパレードは出演者にも子どもが多いし、観客も親子連れが多い。子連れでもかなり楽しめるイベントでしたよ。
アレックスもパレードを見て喜んで手拍子打ってました。コイより間違いなくノリがいいな、さすがブラジレイロ。


パレード後もその衣装のまま街を移動し、夜の会場へ行っちゃう人たち。いいよね、私もあの衣装着たい!でもあの容姿だからこそ似合うんだよねぇ…。
一緒に記念撮影に収まってくれたカップル、やっぱりこうであるからこそ似合うんだよねぇ…。またまたうっとり。