今と昔が共存する、美しい教会の街サン・ジョアン・デル・ヘイ


一夜明けて土曜日、朝食を済ませるとすぐに宿を出てサン・ジョアン・デル・ヘイの街に出かけた。今日は1日、たっぷり市内観光をするのだ。
この街は、ミナスでよく知られるオーロ・プレットの街と同じように、1700年代から1800年代にかけて金鉱で大いに栄えた街。とにかく金がたくさん採れ、当時、ブラジル全体の人口の1割?(確か)がこの地域に集中し、黄金がもたらす繁栄を味わったという。とりわけ、ポルトガルからやってきた金鉱主や商人たちが築いたコロニアル(植民地)の街並み、いわばポルトガルを中心としたヨーロッパをそのまま持ち込んだような街の風景が今も残されている。シダージ・イストリカ(歴史都市)と呼ばれ、ブラジル国内の観光地の中でも人気が高い場所だ。
ちなみに街の名前のジョアンとは、植民地時代の後半にポルトガルからやって来て国を統治していた皇帝の名前だ。


まずは朝いちばん、10時発の蒸気機関車に乗ろうと駅に向かった。この街とチラデンテスという街を結ぶ昔ながらの列車が、人気観光ルートの一つとなっている。駅の場所は昨日確認済みだからスムーズに到着、定刻まであと30分もあるし大丈夫でしょ〜と思ったら、なんと駅の外まで長蛇の列…
さすが連休、ものすごい観光客の数だ。もしかしたら10時の列車には乗れないかも…と思ったら案の定、次の12時もしくは3時のチケットしかないと言われた。びっくり、こんな小さい街だけど立派な観光地なのねぇ。


とにかくチケットを確保し、駅から歩いて歴史地区を散策することにした。街の規模はそれほど大きくないので、10分ほど商店街を歩いたら、すぐに最初の教会、ノッサ・セニョーラ・ド・カルモ教会が目に飛び込んできた。堂々と大きく、凛とそびえ立っている。あそこを目指せばいいのね、という具合に、地図がなくてもすぐにたどり着ける。教会は街のランドマークだなぁと思う。


1レアル払って中に入り、写真を撮った。



教会のすぐ前の通り、ジェツリオ・ヴァルガス通りは、とても素敵な昔ながらの建物がそのまま残っていてすごくいい雰囲気。石畳もそのままで、ときどき馬車も通る。建物は今も飲食店や事務所、それに民家として生き続けている。
昔から変わらない風景なんだろうな。ひとつ変わった点は、石畳の道の両脇にびっしりと車が停まっている点。1700年代の風景に、現代の車が並ぶ。正直、ミスマッチだけど、これが現実だよねぇ。



この通りの右側に、街で最も古いという1721年建立のカテドラルが立っていた。これまた大きい。
中が素晴らしく豪華!ときどき撮影禁止の教会があるけど、ここはOKだったので、フラッシュなしで写してみた。
さすが金鉱で栄えたミナスの都市、金をふんだんに使ってかなりゴージャスだ。だけど安物の金メッキなどと違って、本物の金はどっしりと渋く輝き、決してギラギラしていないのね。
白い壁に生える赤ベースの天井画がまた見事で、おもわず寝そべって天井全体を写したくなったよ。



カテドラルわきの細い石段を上ると、見晴らしの良い丘の上にこぢんまりとしたメルセース教会があった。ここは教会そのものはあまり特徴はないけど、眺めがいい。薄紫の花をつけたジャカランダが街の風景にマッチして、とてもきれい。


水色の壁がさわやかなロザーリオ教会は外観だけ見て通り過ぎた。汽車の時間が迫っていたから。
街の真ん中を流れるレニェイロ川(川と呼べるほどの川ではなく、今では細い水路という感じだったけど)を渡るための橋が何本もかかっているんだけど、人間しか歩けないサイズ、車も通れるサイズ、つり橋風、石造りの貫録あるもの…などなどバラエティ豊かでおもしろい。どれも年期が入っている。


今回、石畳だし汽車にも乗るし、ということでアレックスはベビーカーなしで行動したんだけど、歩きと抱っこ&肩車が半々くらい?でそれなりになんとかなりました。もう13キロを超えてるから抱っこはキツイんだけど、要所要所で歩いてもらったのでなんとか楽しく散策できましたわ…。