可愛い歌姫、ホベルタ・サー


Roberta Sáという名の、まだ若い(確か25歳くらい)の女性シンガーがいる。ホベルタ・サーと読むんだけれど、彼女の名前をヤフーで検索したら、日本語のサイトが結構出てくる。日本でもCD、買えるみたい。なぜか日本でずいぶん紹介されているのね。


彼女のセカンドアルバムが最近リリースされ、タイトルは「Que belo estranho dia pra se ter alegria」と、とても長いんだけれど、その発売記念コンサートが木・金・土・日の日程で開かれた。
もともとはダンナがサンパウロにきて間もないころ、Fnacでたまたま彼女のCDを視聴して気に入ったことから、我が家に彼女の歌声が流れるようになったのだ。
去年も一度、Tom Jazzで行われたコンサートに行ったことがある。CDより生の歌声のほうがいいね、というタイプのシンガーだと思う。
だから今回のコンサートも絶対行かなきゃ!と張り切っていた。


今回は会場がリベルダーヂ、近いしチケットも40ヘアイス(約2400円)とリーズナブルだし…ということで、身近な音楽好きの女友達を何人か誘ってみた。かくして、総勢6人で金曜の夜にリベルダージに繰り出したのである。(ダンナは今夜はお留守番、で、彼は翌日のコンサートに行くわけ。)


FECAPという大学に併設されたホールが会場だったんだけど、こぢんまりとしててなかなかいい感じ。まだ新しいから居心地がいいし、音響もいい具合だった。
金曜の夜のショーなのに、両サイドの座席が結構空いてて、すごくもったいないぞ。日本でもCDを売ってる人気シンガーがこの程度の人の入りで大丈夫か??という心配はまぁ置いといて、ショーである。


新しいアルバムから次々に、ほとんどトークタイムなしに、本当に次々に歌うホベルタちゃん。1曲ごとに水を飲んでのどをうるおしながら。
バンド編成はギター、ベース&シンセ、ドラム、タンボリンなどのパーカッション…という4人。こういうシンプルな構成が私は好き。特にパーカッションの音が気になる、にわかペルクソン練習生の私。
歌声もさることながら、魔法のように器用に左右の手でそれぞれ別々の楽器を鳴らすノッポさん似のパーカッショニストに目は釘付けでありました。ほんと、すごいんだもの。



彼女の曲は、広く言えばMPB、プラジルポップで間違いないんだけど、リオ的なボサノバタッチあり、サンバのリズムありでなかなか楽しい。
声も、前回のショーの時よりぐっと円熟味を増して、いい意味で太く、強くなっていたように思う。若い歌手の、こういう成長ぶりを見るのは気持ちいいよね。
歌いながら軽く、ごく軽くリズムに合わせて踊る様子もすごく可愛くて好き。
目で楽しみ、耳で楽しめる素敵な女性シンガーだわ。


シコ・ブアルキ作の「Pelas Tabelas」という大変ノリのいい曲(O Sambistaというアルバムに入ってます、歌詞にマラカナンやファベーラなどが入っている曲)を1作目のアルバムでカバーしてるんだけど、シコのバージョンより断然言葉が聞きやすく(笑)私はすごく気に入っている。
その曲ももちろん歌ってくれて、やっぱり生歌はいいねぇと感動。
初めて彼女の曲を聴いた私の友人たちも気に入ってくれて、あぁ良かったお誘いした甲斐があったわ…。
音楽の趣味は本当に人それぞれだから、お勧めするのは実は意外と難しいんだけど、まぁそのあたりはわかってくれそうな友人たちなので!


ご興味のある方は、日本のアマゾンでも1作目のCDが買えるようなのでぜひ聞いてみてくださいな。ボサノバの古典もいいけど、今一番新しい彼女のようなシンガーもまた、聞きごたえがありますよん。

ブラゼイロ

ブラゼイロ

O Sambista

O Sambista