マリーザ・モンチに酔いしれる


コンサート会場は、いわゆるセントロにあるTeatro Pedro Ⅱというところ。ホテル(Brack Stream)からまっすぐ歩いて5分ほどだった。
建物が歴史的で堂々たる風情だったので、すぐにわかった。なんとその隣が、有名なショッペリア「Pinguim」であった。
そっちもすごくカッコイイ建物。二つ並んでると、ここはヨーロッパの歴史地区みたいな気がしてくる。
この街はかつて、コーヒー景気に沸いた街だそう。周辺がかつてコーヒーの一大産地だった。日系移民もたくさん入っていたと聞く。
いまでも、サンパウロ州内陸部の中核都市として結構栄えているらしい。お金持ちが多い街だとか。


セントロといえば、サンパウロではとても夜に歩けたもんじゃないけど(治安が悪いから)、このテアトロ付近は華やかに賑わっていて、治安が悪い感じはしなかった。
無人だったけど、交番みたいな小さい建物があったし。ほかでは見たことがないな、こういうの。



開始時間までまだ少しあったので、まずはペンギンでショッピだ!と意気込んだものの…こんな夜、当然満席である。
名前をウェイティングリストに書いてもらったけど、あと8組後だよ。これじゃ間に合わん!ということで、急きょ、近くにあった店に行くことに。
ソーセージ先生「Doutor Lingiça」という愉快な名前のお店、ショッピはなかなか美味しくて、つまみのリングイッサとから揚げのベーコン巻きが大変香ばしく、かなり満足させていただきましたよ。
そしていよいよ会場へ…。


外観からしてクラシックな雰囲気が漂うが、内装もまた重厚な歴史を感じる建物であった。
室内交響楽が似合いそうな感じ。ヨーロッパの小さい劇場みたい。
こういうところでマリーザ・モンチが歌うのね…と思うと、それだけでわくわく。

席に着き、予定時間の20分遅れで、ステージ上の大型スクリーンにブラジルの自然をイメージしたような映像が音楽つきで流れ始めた。
なかなかカッコいいじゃん、と思ってみていると、最後にnaturaのロゴが。ほほう、お気に入りのナトゥーラが今回のツアーのスポンサーだったのねぇ。
これでまたうれしくなる私。
っと、これ以降はネタバレになるから、これからコンサートに行く人は読まないほうがいいかも?
そして今回も特に写真撮影禁止ではなかったもんだから、フラッシュなしで写しまくってしまいました。みんな写してました。おおらかというか何というかブラジルって…。
(だからこっそり掲載しちゃう)



スクリーンが消え、会場が真っ暗になり、今度はマリーザの歌声が聞こえてきた。
お、もうステージにマリーザが入ったのね?
でも真っ暗で何にも見えないよ…。
と思ったら、後半、ステージの一部にスポットが当たり、そこにマリーザの顔が浮かび上がった。(ちょっと怖いぞ)
会場、大歓声に沸く。
この曲は、あとでわかったけど、もう一つの最新アルバムの1曲目に収録されているものだった。神秘的な感じの曲。
この始まり方にふさわしい曲だ。


それから照明がつき、本格的にショウが始まった。わぉ、知らなかったよ、彼女はギターも弾くのね。
周りに何本ものサイズ違いのギターを置き、曲ごとに持ち替えていた。すごいすごい。
そして生で聴くマリーザの歌声…。やっぱり素敵。うまいなぁ。ホンモノ、って感じがひしひし伝わる。

私の好きなアルバムからも何曲も演奏された。サンバ調の1曲目も早い段階で歌ってくれた。会場も盛り上がる。
でも皆立ち上がることなく、しっとりと耳を傾けている感じだ。いいねぇ、こういうの。
日本の人気アーティストのコンサートも好きだけど、ほら、aikoとかは最初からオールスタンディング状態になっちゃうじゃない?
正直、ちょっと体力的にきついときがあるのよね(笑)
こうやって落ち着いてじっくり生音楽を楽しめるスタイルは、とても好きだ。
今回はさすがに会場内での飲食はなし。ステージ外にバーコーナーはあったけどね。
だから心から音楽に集中できて、それはそれで良かった。(イヴァン・リンスの時みたいに、ビール片手にカジュアルに!というのも好きだけど)


バンドメンバーもバラエティ豊か。おもしろいと思ったのは、弦楽器が結構多かったこと。ヴァイオリンとかチェロとかがあった。
そしてマリーザ本人も、ギター以外にハーモニカなど小楽器を演奏していた。芸が細かいっ!!!


あとで調べてわかったけれど、彼女は曲も作るし楽器もやるし、トータルコーディネイトまで自分で手がけるのだそうだ。
すごい。マルチな人なんだ。
そしてやはり彼女もカリオカ。リオなまりのステージトークはやわらかく気持ちいい響きであった。
お父さんは有名なサンバチームのトップだったんだって。なるほど。幼い頃からサンバのリズムに育まれてきたのね。彼女の音楽のルーツはサンバにあるのか…。


真っ黒い髪と真っ黒い眉毛がとてもエキゾチックな印象のマリーザ。なんとなくエジプトとかトルコとか、そのあたりの血を感じるのだけれど、どうなんだろう。
幼い息子さんがいるそうだが、美しい立ち姿は、出産経験があるとは思えないものであったよ。
雰囲気あるなぁ。

静かに歌声に聞き入っていた聴衆も、最後には激しくアンコールの嵐。マイス ウン、マイス ウンの大合唱だ。
そしてすぐにマリーザ再登場。今度はみんな立ち上がって迎えた。
アンコール後、2〜3曲披露し、終演となった。約1時間半強のコンサート、とっても大満足。
まだ彼女のCDは2枚しか持ってなかったけど、今日でかなり好きになっちゃった。過去の作品もぜひ集めよう。
やわらかさと力強さを兼ね備えた、本当に器用な歌い手さんだと思う。世界にはばたくマリーザ・モンチ。よかった、ブラジルで見ることが出来て!


実は彼女、この5月29、30日に、東京は渋谷のオーチャードホールで日本公演を行うのだという。
日本ではどういうステージになるのかな。聴きに行かれる方、ぜひぜひレポート書いて下さいね!
名古屋のZepp NAGOYAでも5月26日にあるそうです。名古屋の方、チャンスよっ。
ブラジルが自信を持ってお届けする、今最高の歌姫だと思います。なんか回し者みたいだけど(笑)聴けばあなたもきっとスキになる…彼女の魅力にはまること間違いなし。
まだチケットって取れるのかなぁ?
っていうか、日本でも有名なのかなぁ?
すみません、私は日本にいたときは全然お名前すら存じ上げませんでした…。ごめんねマリーザ。


日本語でとてもわかりやすい紹介が書かれているサイトがあったのでリンク貼っておきます。
http://www.ints.co.jp/marisa_monte/index.htm


ああ。ブラジルにいるうちに、もう一度くらい生声ききたいなぁ。
(しばらくはシドニー→名古屋・東京→ソウル→マカオと回るらしい。すごいねぇ、世界中にファンがいる…)

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