拾い食い…肉を食らう男


いやぁ、びっくりしたぁ。
アレックス、手になんか持ってるよ。ガラガラ?でもあんな肉色のガラガラなんてないぞ?


…よーく見たら、それはホンモノの肉であった。
骨付きチキン。
なんでそんなもの持ってるの?!
しかも、すっごくナチュラルにかじりついてるよ?!


確かに、その日の夕食は、骨付きチキンのポトフであった。
だけどさっき皿に盛りつけたのは、私のチキン一本と、コイのチキン1本。
私のはしっかりお腹の中だし、コイだってさっき私の目の前でかじってたけど…?
だとすると鍋の中に残っているチキンを、アレックスが自分で取り出したの?
…それはありえない。


さては拾い食い??
そう、アレックスは、とにかく落ちているものを何でも拾っては、食べる。
ほんの爪の先ほどのパンくずだって、すかさず見つけて、食べる。
不思議と、最近は、食べ物以外のものはなんとなくわかっているようで、ヘンなものは食べなくなったんだけどね。
自分の食べこぼしはもとより、お兄ちゃんの食べこぼしすら、狙っている。


コイよ…
アレックスがお肉食べてるんだけど?あのお肉、どうしたんだと思う?


…さっき下に落としちゃったの。
きっとそれを見つけて食べてるんだよ!


だって。
やっぱり。拾い食いか。
っていうか、そんな大きいものを落として平気な顔してちゃダメでしょ、コイよ!!
(私が先に席を立って何かを取りに行っているすきに、コイ、落としたままごちそうさまをしたんだな)


それにしても肉を食らう1歳児の姿…なんだか、野生を見た気がする。
妙にハマっていたのよ。