ブラジルの教育史


今日は義母が日本へ帰る日、なんだけれど、知る会の定例勉強会がある。
しーかーも!私が発表担当者なんですけどー。
発表はだいたい数ヶ月に1回のペースで回ってくる、だからそんなにひんぱんなイメージはないんだけれど、こういうタイミングで当たるというのは結構キツい…。
ちょうど直前の週末、ダンナと義母が二人旅(イグアス)に出ていたので、土日の子どもが寝ている時間は発表の準備に充てることが出来、なんとかレジュメ作りも間に合ったのだった。ホッ。


さて今回のテーマは、ブラジルの教育史。
私は、ブラジルが抱える問題のいくつかは、ブラジルの教育水準のばらつきにあるんじゃないか…と常々考えていたから、このテーマは自分にとっても非常に興味深かったので、調べるのも苦にはならなかった。


で、ブラジルの歴史自体、まだたかだか発見から500年だから、そう長くはないわけだけれど、教育という面は、その歴史の中でも本当にまだ浅いものだということがよぉーーーくわかった。
歴史的に見て、教育に力を入れるような体制になかったんだよね、ブラジルは。


今の教育における問題点というかトピックをいくつかここにも書いておこうと思う。あくまで私が調べた範囲なので、正確性はあまり求めないで読んでもらいたいんですが。


・富裕層は私立学校へ、貧困層は公立学校へ…教育の両極化現象が見られる

・大学受験戦争の過熱…国立を含む公立大学は質が良いうえ、学費が無償であるため競争率が非常に高い。優秀な私立学校を出なければ入学は困難→裕福な人々が学費無償の公立大を独占するという矛盾

・義務教育段階での留年と中途退学の多さ…小学校1年生で留年は1992年度44%。6年生の中途退学が約8%。

・生徒人口の急増…学校不足のために、午前もしくは午後、夜間の2部制・3部制がとられている。

・大学の学部数、学生数も急増…94年の学部数は633学部→10年後には1789学部と約3倍。(とりわけ観光業の学部数が10年間で18倍の伸び)

・学生数は官立69・0万人が97・0万人と40%増、公立大学では69・0万人が117・8万人となり、69%増に過ぎないが、私立大学では97・0万人が298・5万人と3・1倍と大幅の増加→大卒は就職に有利?!

※大学は全国に357、連邦大学、州立大学、私立大学がある。

※女子校はほとんど存在せず、教育の面で男女格差はない…ただし貧困地域では、女子の家事労働・早期結婚、妊娠などにより女子生徒数が減少しているところもある。

・中等課程以上(15歳以上)において、仕事をしながら学ぶことは普通。義務教育を受けられなかった成人が、就業後に夜間学校に通うケースも非常に多い。



あぁなんだか真面目な話になってしまいましたね。
この週末、ブラジルでは大統領選挙の再投票(1回の選挙では決まらなかったため)があるんですけどね、教育については二人の候補がどんな政策を打ち出しているんでしょうか。


普通に読み書きができるレベルに達していない学力の人も、いまだ、北東部には25%近く存在するんですよ。大人で字が読めない人(最低限、自分の名前くらいは読み書きできても、新聞が読めなかったり書類に記入できなかったり)が、まだそんなにいるんですよ、ここブラジルには。
日本では想像できない状態でしょう。でもそれが現実…。