魚と触れ合える美ビーチ、ポルト・ジ・ガリーニャス一日観光(ノルデスチその⑮)

ノローニャからまたレシフェに戻り1泊して翌日にサンパウロに戻ることになっていた。
帰りの便は夜の7時半。したがって、最終日も丸々一日、フリータイムがある。
ホテル前のビーチでのんびりしても良かったんだけど、せっかくここまで来たのだから、駐在仲間の誰もがオススメしてくれる「ポルト・ジ・ガリーニャス」まで足を伸ばすことにした。
行った人だれもが口を揃えて「素晴らしかった」と顔を輝かせるビーチ。それはもう、ちょっと無理してでも行くしかないでしょう!


レシフェのツアー会社が企画する日帰りツアーでは、帰りの空港までの送迎バスの時間に間に合わない。
仕方ないから、ホテルのフロント経由でタクシー(大型バン)を一日150ヘアイスで貸し切った。結果的に、着いてからのいろんな手配もその運転手さんがしてくれたので、お願いして正解だったと思う。


道中、ビール工場や食品工場が立ち並んでいたり、あおあおと茂るサトウキビ畑を見たりして車窓を楽しんでいると、1時間半がすぐに感じられた。
サトウキビが背の高い椰子の林に変わったら、もうそこはポルト・ジ・ガリーニャス!



ポルト・ジ・ガリーニャスは直訳すると「鶏の港」。街のシンボルはもちろん、ニワトリである。
いたるところに木製のニワトリ人形が立ち、公衆電話もニワトリデザインだ。


なぜにニワトリか。
昔ここは、奴隷貿易の拠点だった港。アフリカから連れて来られた奴隷達は、ニワトリと呼ばれ、つまり人間以下の扱いを受けていたそうだ。
その名残から、この街の名前が付いたんだそう。
美しい海と、奴隷と。はるか遠くから連れて来られた彼らは、この海を見て、どんな思いを抱いたんだろう…

さて、この街はまたレシフェのビーチやノローニャとは一味も二味も違っていた。
おしゃれで可愛いお土産店やレストランが立ち並び、歩道も美しく整備され、スッキリと気持ちのいい整ったリゾートタウンの印象だ
これまで自然派がウリのノローニャにいたからこそ、その対照的な雰囲気を強く感じ取ってしまったんだろう。
自然もいいけど、こういうリゾートらしいリゾートもいいなぁと素直に思った。
そんな素敵な街。



まずはレストラン兼貸しロッカーのようなところに荷物を置き、そのお店の人の勧めにより、バギーで周辺ビーチを巡ってみることにした。
一日貸切でお願いしているタクシーじゃ行けない場所なの?と聞くと、砂の中を走る部分もあるからバギーじゃないと無理だと…なるほど商売上手だ。

今にも止まっちゃいそうなオンボロバギーに乗り込み、4ヵ所ほどビーチを回ってもらった。
中でもすごく良かったのが、高級リゾート施設が立ち並ぶエリアに程近いビーチ。名前を忘れてしまったんだけど、天然プール状態で波はかなりおだやか。
透明度もバツグンで、わぁきれい〜!!と思わず声に出して叫びたくなるような美しさ。
ここで30分ほど水着になって水遊びした。こんなにきれいなビーチが、島に渡らなくても体験できるのねぇ。これはいいわねぇ。
アレックスのような赤ん坊にもちょうどいい、とことん穏やかで優しいビーチ。ブラジルのビーチは波が高くてサーフィン向きが多いから、こういうところにくるとホッとするね。

2時間ほどでレストランに戻り、ランチを食べながら、いよいよ本日のメインイベント・引き潮時を狙っての魚観察シュノーケルを待つ。
なぜ「待つ」かというと、それを楽しめるのは引き潮の時だけ、で、引き潮の時間は日によって違うのだ。
この日は午後2時半ごろからちょうどいい引き具合になるとのこと。私たちがここを離れなければならないのが4時… うーんギリギリだわね、早く潮よ引け引け!!という思いで、しばし海を眺めていた。
しかし一向に、写真で見るような、環礁がむき出しになってあちこちに潮だまりが出来ているような光景は現れない。
それでも3時過ぎになって、いくつか沖に向かって帆かけ船がお客さんを乗せて出始めた。
それじゃ私たちも!ということで、慌てて水着になって帆かけ船をチャーターした。一人8ヘアイス。

岸から100メートルくらい進んだだろうか、船はそこに止まり、人々は海に入り海中の魚を眺めていた。
ほほぅ、ひざ丈くらいまでしか水がないのね!こんなに岸から離れているのにすごいすごい!
そして目の前に群がる魚・魚・魚… そりゃそうです、しっかり餌付けされているのだもの。帆掛け舟のお兄さん、ペットボトルにえさをたっぷり入れて、お客さんに配るのだ。
コイも大喜びでえさをまき、集まった魚にタッチしようとする。ほんとに触れちゃうんだな、これが。痛いくらいに群がってくるんだもん。これはおもしろい。


海の色が少し変わっている部分は、深くなっているところ。そこをシュノーケルで覗くと、より多くの種類の魚に会える。
でも結構大きな波が時々ざぶーんとやってきては水面を大きく揺らすので、結構な沖だし、ちょっと怖い。しっかりコイをつかみながら、恐る恐る水面を覗く感じだった。
もちろん義母もシュノーケルこそしないものの、帆掛け舟の上から魚を間近に眺め、写真を撮り、満足していた。
ちなみにアレックスは、岸でタクシー運転手のお兄さんが見ていてくれたのだった。

帰りの時間を気にしつつ、砂浜で繰り広げられるカポエイラをちょっとだけ見て、いそいそと帰り支度。
名残惜しかったけれど、4時過ぎに街を出た。
ここはセンスのいいお土産やさんも充実しているから、もっともっとショッピングも楽しみたかったなぁ。
みんながいいと言う理由がわかる、そんな楽しいリゾートだった。

帰りの飛行機もスムーズに飛び、やはりリオ経由で、サンパウロのグァルーリョス国際空港に着いたのは深夜0時近く。疲れ果てたけど、大充実の、海づくしツアーだった。
ブラジルのまた違った一面を見ることが出来た。ブラジルは本当に奥が深い国…。
まだまだある未知の街、ひとつでも多く足を運んでみたいな。