ノローニャ、イルカ湾とブラジルNo.1ビーチ、サンショ海岸(ノルデスチその⑫)


ノローニャ3日目もフリータイムである。
今日は、子ども達と義母がホテルでお留守番してくれるというので、私たち夫婦二人で身軽に行動することになった。
ならばバギーを借りて自由に島をめぐろう。行って見たいスポットが、まだまだあるからね。


バギーとは、大きなタイヤで悪路をもガンガンすすむ、頼もしい車。オープンエアで、リゾートの気分もばっちり味わえる。
でも子連れにはちょっと怖かったので、昨日は敬遠していたのだ。
今日は二人だからね、これでガンガンいこう!

まずは午前中、イルカを見下ろせる湾、Mirante ao Golfinho というスポットへ。
やはりでこぼこ道を進み、車を止めてから15分ほど歩くのだ。
この道は結構歩きやすく、周囲の緑を眺めながら、ちょっとしたトレッキング気分も味わえる。これは子どもでもおばあちゃんでも大丈夫ね。


イルカスポットにはすでに多くの人が来ていた。イルカが現れるのは早朝から午後2時くらいまでだそう。
私たちは9時過ぎに着いたけど、おぉ、いるいる!ものすごい数のイルカの群れが見えるよ!
肉眼でも小さくきらきらとグレーのつやつやした背中を確認することが出来るけど、やっぱりここでは双眼鏡が大活躍である。
双眼鏡を通せば、さすがに顔までは見えないけれど、動きははっきりと手に取るように見える。


すごいのは、水族館のイルカばりに、空中2回半ひねりのような曲芸や、華麗なるハイジャンプを軽々とこなす姿だ。
みんながみんな曲芸をするわけじゃなくて、やっぱり、運動神経のいい、遊び好きなイルカがいるんだろうね。
見ているとね、ほんとに楽しそうに遊んでるんだなって雰囲気が不思議と伝わってくるのだ。


ボートツアーで至近距離で見たときは、こういう曲芸は見られなかった。
ボートツアーより、私は、ここから見下ろすイルカの動きのほうがおもしろかった。コイや義母にも見せてあげたかった。
(翌朝、ダンナは義母を連れてここを再訪した。そのときは私が留守番をしてね。義母も大喜びだったよ)


ここからの眺め自体、とても素晴らしく、珍しい海鳥もたくさん見られたので、
たとえイルカが見えないとしても、素敵な展望スポットであることには変わらないと思う。
尾の長い不死鳥みたいな白い海鳥は、何ていう名前なんだろうな。見たことのない鳥だった。


続いて、いったん駐車場に戻り、今度はPraia do Sancho 、サンショビーチへつづく小道を歩いた。
このサンショビーチこそ、ブラジルのビーチナンバーワンに輝いた、憧れのビーチである。
しかしここは、子連れにはおすすめできないと言われていた。今回、義母が留守番役をかってでてくれなければ、行くことの出来なかったビーチである…。


さて、子連れにおすすめできないビーチとは、まさに難所つづきの行程であった。
高度50メートルのがけっぷちまでたどり着いたら、なんとなんと、暗い穴の中に人々がはしごを伝って降りていくではないか!
こ、これは怖い…。
しかもみんなビーチサンダルだよ。だいじょうぶかいな?
私たちは、ある程度のトレッキング状態を予想していたのでしっかりスニーカーなんだけど、みんなビーチ仕様のサンダルだよ。


なーんて人の心配をしている間に、自分の番が回ってきた。下を見たらくらくらしそうなほら穴へ、90度のはしごを伝って降りてゆく…
10段ほどのはしごを降りきったら、岩の間の狭いスペースを少し進む。するとまた別のはしごが出てきて…といった調子。


やっとの思いでビーチにたどり着くと、その見事さに一瞬くらくらする。
さすが、ナンバーワンビーチだ。きれいだ。きれいすぎる…。


こんなにきれいな海に会えるなら、あの難所を降りる価値もあるってもんです。
とにかく美しい。透明度が素晴らしい。


この海でまたシュノーケルをした私たち。結構波が高いので、魚のいそうな深みまで進むのに一苦労だったけど、苦労するかいもあるってもんです。
ビーチ両端の、岩場があるあたりに、魚がうようよいてビックリ。初日のボートツアーで見た魚ほどカラフルではないにせよ、細長い魚が大量に群れを成していたりするのを、こんなに波打ち際の近くで見られるのは感動ものです。


私は見逃したけど、ダンナは、小さいエイを見たそうだ。エイを見たことを他の人に伝えたくて、ダンナは砂浜にエイの絵を描いていた。
だってポル語でエイって何ていうかわからなかったんだもん。さすがのくもんでもエイという単語は出てこなかったなぁ。


これだけの難所を通らなければならないとあって、それほど人が多いわけではないから、ビーチ自体とても静かで快適。
ここには、日陰をつくってくれる大きな木が1本あって、みんなそこで一休みしていた。
トカゲもうじゃうじゃいた。自然がいっぱいだ。


いつまでもここにいたかったけど、途中、雨が降ってきたし、留守番の子ども達も心配なので、1時間ほどで引き上げた。
難所は、帰りはそんなに怖くなかった。降りるほうが、上るより怖いものだよね。
ここはさすがに、抱っこで上り下りはできないよなぁ。子連れには厳しい、ブラジルナンバーワンビーチなのでした。