ノローニャ、一日100人限定の天然プール、アタライアビーチ(ノルデスチその⑪)

ノローニャ観光2日目はフリータイム。
さて、フリーと言われても、どうしましょうねぇ?なんせ、事前情報がほとんどなかったもんだから、私たちも正直、どうやって過ごすべきか事前にあまり考えてなかったのだ。
到着時にもらったオプショナルツアーのパンフレットを見ても、結局、ボートツアーかバギーツアーでビーチを巡るというものばかり。
子連れの私たちが、大人数で行動するようなツアーに入るのは厳しいかな…と思ったので(なんせここ、道路のものすごさはハンパじゃないのだ)、個人的に動ける方法を考えた。
しかし、とにかく行動するには足がない。みんながレンタルしているバギーを借りようか、でもオープンエアに大人3人と子ども二人は怖すぎない???
じゃあ運転手つきの車、つまりタクシーをお願いしてみようよ、ということでホテルのフロントにてタクシーを手配してもらった。


朝10時にタクシーに来てもらい、まずは私が絶対行きたいと思っていた天然プール、Praia da Ataraia、アタライアビーチへ向かった。
ここは、環境保護の観点から、一日100人しか入ることが許されていない、特別なビーチである。
午前11時から30分おきに25人ずつ入れる。つまり、25人×4回しか入れないビーチだ。この先着100人にもぐりこむためには、列に並ばなければならない。
ホテルの人によると、11時の1時間前くらいに行けば大丈夫、とのことだった。
が、着いたらすでに結構な列が出来ていて、私たちは第3グループ、12時半からの回に入れることになった。ほっ。




さて、この列、人間が行列を作るわけではない。車の列を作るのである。
さすがに炎天下、人間が並んだら海に入る前に干からびちゃうよ…。
車さえ列に並べれば、あとは、手前のビーチ、Praia da Sueste、スエスチビーチで遊んでいればいい。
ここには、ビーチパラソルやチェア、それにシュノーケルセットの貸し出しや、ドリンクを売る店がある。
このあたりのビーチは、陽をさえぎる木陰がないので、パラソルがないととってもキツイ。だから、このサービスは助かったなぁ。


エスチビーチは、海岸沿いにマングローブ林があることで有名だ。小さな砂丘を隔てて、マングローブ林があり、その間に池のようなみずたまりがあって小魚が泳いでいた。


それと、ここの波打ち際には、ブラジルには珍しい「海草」が大量に打ち上げられていた。コンブじゃないけど、なんだろう?茶色い海草の山。ここに埋もれてコイはおおはしゃぎ!


こんなふうにしばし遊んでいたら、私たちの第3グループの時間が来た。タクシーの運転手さんが呼びに来たので、車に戻った。
そして走ること10分ちょっと、結構なでこぼこ道、これもまた自然のままである。
着いたところは結構な高台。見下ろす先に、それはそれはきれいな水色の海が広がっている。
こ、ここを頑張って降りるのですね…。


ビーチサンダルで、アレックスを抱いて丘を降りていくのは至難の業だったけど、あの美しい海に入るためなら!
頑張って海辺にたどり着いたら、監視員のおじさんが海に入る際の注意点を話し始めた。
もちろんポル語オンリーの説明なので100%理解はできなかったけど、さんごを触ってはいけない、バタ足で泳いではいけない、警告の笛が鳴ったら注意しろ、というようなことを話していた。
とにかく、自然保護にものすごく力を入れているノローニャである。この海だって、こうやって厳重に注意を促し、本当に限られた時間だけ開放しているのだ。
だからこそ、このアクアマリン色の海が保てるんだろうなぁ。


説明が終わっていよいよ人々は海に入り始めた。その美しさにまず歓声があがり、その後は、海の中の風景に吸い込まれていくように、みな静かになる。
私たちはアレックス当番を交代しながら、少しずつ海に入った。


ここはもう、きれいすぎてどうしようもないくらい、きれいな海だった。
魚がうようよいて、その数は、昨日のシュノーケリングの海どころの騒ぎじゃない。
さすが天然プール、環礁に閉じ込められてしまった魚たちが、その場にたたずみ、泳いでいるのだ。
潮が満ちたら、環礁を越えてまた遠くの海に戻るのだろう。
とにかくもう、くらくらするほどきれいなのだ。
ときどき、警告の笛がピーピー鳴るのを聞きつつ、はっもしかして今わたしバタ足しちゃった?なんてハラハラしつつ、目は海の中に注目!!!
だって30分しか許されていない海の楽園なんだもの。


あっという間に次のグループの時間になり、海をバックに記念撮影をして、降りてきた丘の道を登った。
ここは来て良かった。水着なんて…と海を敬遠していた義母も、ここの美しさには感激していた。しっかり海に入り、マスクをつけて魚たちと一緒に泳いだよ。

その後、街の中心部にあるポルキロレストランで遅めのランチをとり、タクシー運転手さんが連れて行ってくれた展望台のようなところから景色を楽しんだ。
Braco de Raquel(ラケルの穴)という奇岩などを見下ろせるスポットだ。


ここから見る海も、息を呑むほど美しい色だった。やはり環境保護の観点から、それは、人が泳いではいけない海だった。
手付かずの自然、人の手の入らない海は、なんて美しいんだろう。
環境保護ということを、知らず知らずに考えさせられる、そんな島なのだ。