別所哲也さんと握手…サンパウロ国際短編映画祭にて

別所哲也さんと言えば、NHKの連ドラファンの方々には「風のハルカ」のお母さんの恋人役でおなじみ。
ミュージカルファンの方々には、東宝レ・ミゼラブルでのジャンバルジャン役でおなじみ。
J−WAVEファンの方々には、東京コンシェルジュのパーソナリティとしておなじみ、でしょうか。
実は私たち夫婦、上記のすべてを見聞きしておりまして。レミゼに至っては、2回くらい別所バルジャンを舞台で拝見しております。
実はこれって結構ファンかも?


さて、そんな別所さんが、なんとなんと、サンパウロの国際短編映画祭というイベントで舞台挨拶をするという。たまたま金曜日のニッケイ新聞で知ったのだ。
生で別所さんを見られるチャンスなんて… これは行かねば!!と鼻息も荒く、日曜の夜、会場となるヴィラ・マリアーナ地区のサーラ・シネマテッカへ向かった。
(実は日曜は、前夜のカート疲れでぼーっと過ごしていて、危うくそれを忘れるところだった。危ない危ない、夕方になって思い出して良かったよ)


サーラ・シネマテッカは自宅からも程近く、以前、たまたま迷い込んで前を通ったとき、レンガ造りでなんとも味のある素敵な建物だなぁと思っていたところだった。
中に入るのは初めてだったけど、天井が高くて、シックでおしゃれな空間。とてもいい感じ!

映画が上映されるまでにくつろぐスペースでは、飲み物とお菓子などを食べることも出来る。
ぐるっと見渡すと、おぉ、一番奥に座っているダークなスーツ姿の彼こそが別所さんではないかっ!!!(下の写真の、手前の黒い背中です)

まだ気付いてなかったダンナに、「ほらほら、もう別所さんあそこに来ているよ!」と教えたら、なななんと彼はおもむろに別所さんに近づいていった。そしてなんと、声をかけているではないか!
(後で聞いたら、普通に「こんにちは」って声をかけてみたんだってさ)
あわてて私もそこに合流、短い時間だったけど、ジャンバルジャン拝見してます〜、サンパウロは初めてですか〜いや今朝ついたばかりで頭がボーっとしてます〜この街は食べ物がおいしいですから満喫してくださいね〜…などなどと会話した。
(しかし、この期に及んで食べ物の話をする私って一体…)
あつかましくも、一緒にカメラに収まってもらい、握手までしてもらっちゃった。(握手を求めたのは私じゃなくてダンナですから、念のため:ダンナ、なかなかやるな)


間近で見る彼は、背が高くて(186センチくらい?)かっこ良かったです、はい。
話し方も落ち着いてて、イメージ通り。彼の知的な感じが好きなんだけど、その思いが一層強くなりましたよ、ええ。


そして肝心の映画祭。
これはショート・ショートというジャンルの、1作品が15〜20分程度の短編映画を各国から集めたイベントだ。それを日本で最初に始めたのが別所さんで、現在も日本のショート・ショート界の中心人物として活躍しているのだ。
サンパウロでは今年が17回目になるらしいけど、別所さんが来たのは今年が初めてだそう。
で、今夜は、日本の短編特集。
150人ほどが入るだろうか、こぢんまりしたスクリーンの前で、別所さんが上映に先立ち、日本での歴史とか、作品の説明などを、お得意の英語でスピーチ。
それを、若い日系の女性通訳が、ポル語にして観客に紹介していた。
別所さんの英語はとても流暢で、聞き取りやすかった。うーん、そんなところもやっぱりかっこいいのだ。

ところで別所さん、空港で預けた荷物が出てこない、いわゆるロストバゲージというトラブルに巻き込まれちゃったそうで。サンパウロで急きょ、スーツなどを買い揃えたんですって。
それをアクションつき(どう、似合う??とやっている)で話している様子がこちら。
到着早々、大変だったのですね…。お疲れ様でございました。



そしてショート・ショートを4本、トータル1時間ほど鑑賞した。
これが想像以上におもしろくてびっくり。なんせ、1作品が15分ちょっとで終わるから、
すべてを集中させて画面を見られるのがいい。私には2時間映画は長すぎるのよね〜。
短い中にストーリーがあり、美しい映像があり、かーなーり楽しめます。
4本のうち、石原良純主演の「The Street Show」はとってもおかしいコメディで、会場も笑いに包まれていたし、柄本明主演の「東京天使」では、ちょっとシュールでハラハラする内容に思わずぐぐっと引き込まれてしまったり。
「東京天使」と連作の「シロタク」では、かつて住んでいたエリアのお台場の夜の映像がものすごく印象的に表現されていて、懐かしさもあってか、なんだか涙が出そうになっちゃった。
やっぱり映画ってのは、ストーリーや演技も大切だけど、映像の美しさが大きな要因を占めるよなぁ…と妙に納得させられてしまった。
この作品は、東京らしい部分がふんだんに描かれていたから(風景もそうだけど、人々のせわしなさとか、街のスピード感とか)、ブラジル人に今の日本を伝えるのにもぴったりの作品だったと思う。


なお、別所さんは、今月いっぱいはサンパウロに滞在しているとのこと。
どこかですれ違うかも知れませんよ、サンパウロ在住の皆さん!