歴史ある可愛い町、パラチーへ①

週末、海沿いの町Paratyへ1泊2日の小旅行に出かけた。
歴史あるコロニアル調の街並みと海が素敵な観光スポットということで、
前々から憧れていた街。サンパウロから320キロ、ちょっと遠いけど、そろそろ子ども達も大きくなってきたし、パンタナルでの長時間ドライブでも特に問題なかったので、思い切って4時間の旅を決行した。


サンパウロからドゥトラ街道を走り、タウバテからオズワルド・クルス街道を海に向かって降りていく。天気予報では週末から冷え込んで雨も降る…という、決して旅行日和ではなかったんだけど、途中雨にも当たらず(霧は出たけど)、スムーズに到着。
9時半ごろゆっくり出発し、午後1時半にはパラチの町へ。ほんとに4時間かかったな。

町の門をくぐると、おぉ、カラフルな屋根!可愛い建物がさっそく目に飛び込んでくる。
そしてなんともまぁ、ものすごいガタガタ道だこと。
聞いてはいたけど、ものすごい石畳だ。小石みたいな可愛いもんじゃなくて、大石だ。
がたんごとん、という感じで何とかタイヤが回ってるという感じ…。
狭い路地は車が通れるところが限られていて、うろうろ、ぐるぐるしながらまずは目的のランチスポットへと到着〜。
シーフードが美味しいと、ブラジルの旅行雑誌で読んだ店、Refúgio。港の近くにあって、すぐそこに海を感じながら、昼間からピアノの生演奏(トム・ジョビンの曲がお得意なピアノマン、素敵だった)を聞きながら食べるエビは最高だった…。

ランチ後、宿にチェックインし、またしばしうっとりした気分に浸る。
今回の宿は、ちょっと奮発して、観光の中心部である歴史地区のど真ん中にある素敵なポウサーダ(和訳するとペンション)にしたのだ。ここが実際すごく良いロケーション、窓から見える景色がもうすでに絵葉書のよう。

荷物を置いて、部屋で一休みしたら、さっそく街歩きへと繰り出した。
ホテルの玄関を出れば、もうそこがメインストリート…というくらい、この歴史地区は小さくて、すぐに歩いて一回り出来てしまう。
それにしてもこの石畳… さすがのブラジル版巨大ベビーカー(日本のものの何倍も車輪が頑丈)をもってしても、進めないような石畳だよ。
大人が歩くのにも苦労する感じ。街並みとしては味わい深くて素敵なんだけどね、実用的じゃないよなぁ、石畳って。


しかしそんなことは問題にならないくらい、この街は楽しい。
どの建物も、白い壁にカラフルな色使いの窓があり、それぞれがお土産屋さんやレストランになっていて、どれもこれもおしゃれでセンスがいいのだ。
しかも日が暮れるにつれ、街に灯りがともり、これまた美しいのだ。


ここパラチーは、町の規模の割に教会が多い街として知られていて、確かに歩いているといくつもの趣が違う教会に出くわす。
そもそもこの町は、18世紀ごろ、内陸のミナスジェライス地方の金鉱でとれた金をへ運ぶ港として栄えた街。そのための労働者(奴隷)や、労働者を使う側のお金持ちなど、いろんな階層の人々が過ごしていた街なんだそう。
そして当時は、階層によって使う教会が違っていたとのこと。そんなわけで、こんなに小さい町なのに、ざっと見ても4つも大きな教会があるのだ。


この写真は、ヘメジオス教会。ブルジョワ階級によって建てられたものだそうで、確かに堂々たる雰囲気だ。ライトアップが美しいなぁ。教会は夜いっそう素敵になるものだなぁ。

ランチが遅かったので、夕食はどうしようか…と思いつつ部屋に戻り、とりあえずシャワーを浴びて疲れを癒した。するとおなかがすいてきたので、もう9時を回っていたけど、子どもたちを連れてまた町へ出ることにした。
といっても、玄関を出て数メートル行けばレストランがごろごろ転がっているからね。
本当に宿のロケーションって大事だと思った。特に子連れには。
これだけ便利な場所だと、出かけるのがおっくうにならないから。


夜もとっても開放的な雰囲気の街だ。そぞろ歩きが楽しい街って、こういうところのことを言うんだろうなぁとしみじみ思う。
お店も10時くらいまで開いているし、レストランでは生演奏が9時半や10時から始まったりする。道端にも、絵描きやミュージシャンが出てきて、賑やかに活動を始める。
もちろん、人々もたくさん歩いている。とても楽しそうに。
ここには観光地の賑わいというか、リゾートの華やかさがあるなぁ。

山の中や、海辺の一軒宿も素敵だけど、たまには夜の温泉街を浴衣で歩くのもいいよね〜、なんていう感じに似ているかな。
そして夕食はCafe Paratyというライブレストランへ。歩いてすぐだったし、ちょうどこれからMPBのライブが始まるというので。
小さなステージにバンドメンバーが立ち、歌なしの演奏をはじめた。私の好きなWaveや、イパネマの娘などのスタンダードが続く。いい気分〜!

さてここで私はカイピリーニャを飲んだ。カイピリーニャは、ブラジルのお酒・ピンガさとうきびから作るお酒)をベースとしたカクテルで、砂糖とフルーツが入っていて甘くて結構飲みやすい。
今までアルコールといえばビール一辺倒だった私だけど、ここではピンガを飲まなきゃ!と思っていた。だって、パラチーのピンガは高級で美味しいということで有名。
美味しいピンガを使ったカクテルが美味しくないわけがない、でしょ!

これが確かに美味しかったのです。さすがだな、と唸りました。
美味しいお酒は美味しいのねぇ。


こんなふうに、夜のそぞろ歩きを十分満喫し、パラチー一日目を終えたのでありました。