ブラジルの政見放送

10月15日に、ブラジル大統領を選ぶ選挙がある。
日本と違って、ブラジルでは国民の直接投票で大統領が選ばれるのだ。
外国人である私には、選挙権も当然ないし、あまり関心もなかったんだけれど…
今日、ドラマでも見てみようかと思って夜9時にグローボ(ブラジル最大のテレビ局)を
つけてみたら、なにやら政見放送らしきものをやっていた。
おもしろそうだったので、しばし、見てみた。


さすがブラジルというか、何というか。
候補者はそれぞれに自身のテーマ曲みたいなものを持っていて、
ドラマ仕立てで、生い立ちとか、過去の功績なんかを紹介している。
もちろん、本人からのメッセージもあるんだけど、これがまた、ポル語学習中の外国人に
ぴったりという感じの、ゆっくり・はっきり、聞き取りやすいしゃべり方なのだ。
単語がわからないので、言ってることは全て理解できないけど、だいたいわかる。
そういうレベルの話し方である。


おそらく、有権者の大多数を占めるのが、貧困層といわれる人たち。
彼らは、満足な教育を受けていない。字が読めない人も多い。
きっと、難しい単語(政治用語とか)も知らないだろうから、子どもでもわかるような、
平易な話し言葉で、候補者たちは訴えているのだろう。


大統領候補者のコーナーが終わったあとは、国会議員?かな? 同日に行われる、
他の選挙の候補者が登場していた。
彼らは、ドラマ仕立てやオリジナル音楽はなく、ただ普通に語っていた。
ときどき日系人らしき候補者もいたりして、なかなか興味深かった。


新聞にも、候補者の顔入り広告が掲載されていた。
こういうのって、規制はないのかなぁ?
政見放送も、明らかに長い時間を費やしている候補者と、割と短い候補者がいたような気がするんだけど… 制限時間というものはないんだろうか?
日本では制限時間がとても大切だから、お国変わればずいぶん制度も変わるんだなぁと実感。
(ニュースで選挙特集を編集するとき、候補者の顔が出る時間尺をちゃんと揃えなきゃいけないので大変だったんだよねぇ)



選挙当日が近づくと、公開討論会もテレビで放映されるんだって。
それもきっと日本のとは雰囲気が違うんだろうから、ぜひ見てみたいと思う。