お世話になっているパン屋さん(パダリア)

先日、本を紹介した際にちらっとパダリアの話題を書いたので、
今回は我がご近所パダリアのことを少しご紹介。
パダリアとは日本語でパン屋のこと。だけど、日本のパン屋のイメージとは全然違っていて、
私も最初はびっくりした。
ええ?パン屋にチーズとかハムとか小麦粉とか牛乳とか売ってるの?食事も出来ちゃうの?ケーキまであるの?


日本のパン屋さんは概して、パンだけを専門に販売しているよね?
ちょこっとランチタイムにパンに合わせて飲むためのドリンク類程度は置いてるだろうけど、
さすがに小麦粉にマヨネーズにシリアルに雑誌はないだろう。


だからブラジルのパダリアは、イメージとしては「食品中心のコンビニ」みたいな感覚ね、私にとって。
サントスという港町のパダリアを訪れたとき、よりコンビニらしさが強くて驚いた。
食品一般に加え、洗剤とか文房具とか、日用品が結構幅広く取り揃えられていたのだ。
スーパーが近くにない地区にとっては、本当に頼りになる存在なのだ。パダリアは。


私がパダリアを利用するのは、パンや牛乳を買いに行くのはもちろん、コイの誕生会のための大きなケーキやお菓子類を注文したこともあった。
そういうふうに、買い物でお世話になる一方、飲食店としてもお世話になっている。
たとえば一人で手早くランチを済ませたいときや、コイがどうしてもお腹がすいて仕方ない:だけど家に何も食べるものがない…なんてとき。
近所のパダリアでは、食事パンや甘いパンなど、買って帰って家で食べるタイプのパンに加え、その場で注文して作ってもらうタイプの惣菜パンが食べられるのだ。
パンの種類(パンフランセーズかバゲットか)を選び、中に挟む具を選び、冷たいのか熱いのかを選ぶ。熱いの(ケンチ)を選ぶと、こんがりオーブンで焼いてくれて、チーズがとろりととろけて、出来立てをほおばると本当に美味しい!
ちなみに私が好きなのは、Bauru Bife というもの。薄切りビーフが挟まっている。
一つ4.5へアイスくらい、約250円。(ご近所パダリアは少し高いのだ)


ちなみにそのような惣菜パンのことは、一般にサンドイッチと呼んでいるようだ。
日本のサンドイッチのイメージだと、薄切り食パンに具を挟むものだけど、こっちのは全然別物。どっちかというとヤキソバパンとかコロッケサンドのイメージ?うーん、それもちょっと違うけどね。
ころんとしたパンに、具を挟んでいるという点が似ているかな。



朝早く(多分7時には開いてる)から夜遅く(確か閉まるのは22時)まで開いているので、ちょっと小腹がすいたときにふらっと入って、テーブルについてコーヒーとパンを食べたりすることも出来る。ランチタイムには、ご飯とチキンとか、ラザニアとか、軽食メニューも登場するから会社勤めの人たちで結構賑わっていたりする。


だから、日本のコンビニともまた違う、なんともいろんな顔を持っているのがパダリアなのである。すごいなぁと思う。


で、どうしてパダリアがあると住宅街の価値が高まるのか…という話。
いいパダリアには人が集まる、そして夜でもそこは明るいから強盗も近寄りにくい。
従って治安面で安心度が高くなる、ということのようだ。
確かに、夜、人気のない暗い小道などは強盗のメッカだと言われるサンパウロだから、
これは確かに一理あるかな。
幸い、うちのご近所パダリアも人気があって人が絶えないから、確かに夜でも賑やか。
何かしら外で人々の楽しげな話し声がしていると、ちょっと安心できる。大騒ぎ、というほどうるさい人たちもいないしね!


ともかく、日本人の私にとっても、こんなに頼れる存在のパダリア。
パン文化の西欧圏出身の人々にとってはより一層身近で、欠かせない存在なんだろうな。