サンパウロの桜、満開!

まさかサンパウロ市内で桜の花見が出来るとは… ここに来ることがわかった時点では想像もしなくって、満開の千鳥が淵を歩いては「あぁ、今度満開の桜を見ることが出来るのは何年後だろうか」などと淋しさにふけったものだった。
がっ、しかし、さすが世界最大の日系人コミュニティを持つサンパウロなのです。
ちゃーんと桜の木がある公園があったのです。


市内中心部から車で45分ほど走るだろうか、東部にパルケ・ド・カルモという大きな公園がある。
ここを知ったのはつい最近、ニッケイ新聞で「桜まつり」の記事を読んだからだった。
地図を見ると、ほぉ、イビラプエラ公園より広いくらい? ずいぶん大きいのね。
ちょうど日曜日がフェスタ・ジ・セレジェイラ(=桜)だというので、天気も良かったし、ドライブを兼ねて出かけてみた。


途中、車から見た風景。中心部からずいぶん離れるというのに、高層マンションがまだまだ多いのね…と驚く。中心部より安いんだろうな。ベッドタウンといったところかな?


着いた公園は、確かに広い…。子どもが遊ぶ広場が、ずいぶんと広い。
さすが休日、子どもを遊ばせつつまったりと過ごす家族連れが多いね。
中心部の、いわゆるハイソ(死語?)な人たちが暮らす地域の近くにあるイビラプエラ公園とはやや雰囲気というか客層が違っていて、ハダカ率、はだし率がかなり高かった。すごく庶民的で、のびのびとしてて、ブラジルのイメージにぐっと近い感じ。
裸足でサッカーボールを蹴る子供達もいっぱい!

少し木が生えているエリアでは、ハンモックを吊り下げてお昼寝している人がいたり、
カポエイラをしている青年グループもあったり。これはおもしろいぞ。
ところで桜は一体どこに…???
広い池の周りをずんずん歩き進むと、どこからか和太鼓の音色が。そちらに向かって進むと、おお、あったあった。桜祭りのステージだ!

この手の日系まつりには付き物の、和太鼓に盆踊り。ここでも、しっかりと着物やハッピを着込んだ日系人のご婦人たちがなめらかに踊っておりました。
そうそう、この手つき、足つきがジャポネースダンスよ!サンバ文化のみなさん、よーく見ておいて!と思わず叫びたくなる私。
炭坑節とか、なぜかここでも大人気なの?の「きよしのズンドコ節」に合わせて、ブラジル人の飛び入り参加も交えて楽しげに盆踊りが繰り広げられておりました。
惜しい、北海盆歌ならば私もカンペキに踊れるのに!


しばしステージを眺め、お世辞にも上手とは言えない(失礼!)演歌カラオケショー(素人の方々によるものと思われる)を聞き、さて花より団子!ということで、これまた日系まつりには付き物のヤキソバを買うことにする。
これがまたものすごい行列で… ヤキソバ、作っても作ってもそのそばからすぐに売れて行く状態。ま、ヤキソバかシュハスコ串くらいしか、食事っぽいものがなかったからね。
売り場で対応するのは日系人のおばちゃん、おじちゃん。そしてバックで懸命にヤキソバの具を作り続けていたのは生粋のブラジレイラの女性でありました。

ヤキソバは1パックR$8、約400円。いい商売です。
ちなみに午後3時過ぎ、すでにビールもコーラも水も、すべての飲料が売り切れ状態でありました。すごい人気だなぁ。


で、そういえば桜はいったいどこに???
すっかり花見のことを忘れつつあったのだが、今日のメインは桜なんだから!
ふとヤキソバ屋台の裏を見ると、サクラ園の入り口という門があったのだ。なるほど、特別なエリアがあったのね。
入ってみると… おおお、見事なピンクのトンネル!!

ご覧の通り、ブラジル人カップルが思わず抱き合いながら記念写真を撮りたくなっちゃうような美しさです。
私、ブラジルのサクラって、どっちかというと河津桜みたいな、色の濃いピンクの力強いタイプを勝手にイメージしてたんだけど、ここに植えられているのは、淡いピンクの、桜らしい桜でありました。でもソメイヨシノとはちょっと違うような???


青空に満開の桜、やっぱり素敵です。華やいだ気分になります。
ほどよくベンチなども設置されていて、ほどよく缶ビールやアイスキャンデー売りもやって来て、気持ちよくお花見が出来ます。
レジャーシートを広げてのんびりしているブラジル人家族連れもいたりして、なんだか不思議で、うれしい光景。

だけどやっぱりここはブラジル、と思うのは、桜の背景に緑の椰子の木がスッと立っていること…。日本じゃなかなかない光景、だよね?


満開というより、少し散り始めで葉桜ぎみの木もあったけど、十分にその見事さが伝わった桜祭り。
日系人の方々というのは、本当にいろんな文化を、ここブラジルに持ち込み伝えているんだなぁ…と、またひとつ実感したのでありました。