子連れパンタナールツアー①旅の計画と出発〜クイアバ空港到着まで


金曜から月曜までの3泊4日で、パンタナール旅行へ行ってきた。
7月のこの時期、ブラジルは冬。パンタナールは乾期。ほぼ毎日雨が降らず、蚊などの虫が少なくて、動物たちもよく見られる観光のベストシーズンだということで、行き先をそこに決めた。(最初はサルバドールにしようと思ったんだけどね、旅行にはシーズンも大切ということで急きょ、行き先変更!)


パンタナールとはポルトガル語で「大沼地」とか「大湿原」という意味を持ち、ブラジル、パラグアイボリビアの三つの国にまたがって広がる広大な地域だ。
動物や鳥類の宝庫と言われ、そのほとんどが原生の自然。保護活動が進められる一方、ブラジル人のみならず近隣諸国からも観光客が訪れる、エコツアーやアウトドアのメッカとして人気のスポットだ。
地図で言うと、右の図で緑に塗られているあたり。なんと面積は日本の本州とほぼ同じで23万平方キロもある…。
(地図はhttp://www.parqueregionaldopantanal.org.br/projeto/geoprocessamento.phpより)

これだけ広いので、一口に「パンタナールに行ってきたのよ」と行っても、エリアによって全然話が違ってくると思う。私たちが行ったのは、左の図の茶色い部分。Poconé、ポコネーというあたり。
今回は、大規模な移動を必要とする大自然系の旅行だったので、個人旅行は無理。なので、日系の旅行代理店に日本語ガイド付きのツアーを組んでもらったのだ。それがたまたまこのエリアで、いわゆる「北パンタナール」と言われる方面だった。


朝6時に家を出て、タクシーで約15分ほどで国内線専用の空港、コンゴーニャス空港に到着。あぁなんて近いんだ。楽なんだ!前回、初めて飛行機旅行をしたときには国際線も発着するグァルーリョスだったから(http://d.hatena.ne.jp/caolin/20060413#p2に記述)、行くだけで大仕事という感じだったけど、今回はラクラク〜。札幌で言うと、新千歳じゃなくて丘珠集合っていう感じかな。


今回は初めて格安運賃で知られるGOLという航空会社を利用。最初、代理店が提示してきたのはTAMという航空会社だったけど、これがまた高いのだ、運賃が。TAMが大人往復R$939、GOLにするとR$518(約2万6千円)…と、倍近く違うのだ。ま、GOLは直行じゃなくてブラジリア経由だから1時間くらい多くかかっちゃうけど、ケチケチ我が家、1時間くらいなら安いほうがいい、ってことでGOLに変えてもらったのだ。だって、それでトータル5万円くらいツアー代金が安くなるんだもん、これは大きいでしょう。


GOLはオレンジ色がテーマカラー。案内役のお兄さんお姉さんの服装も鮮やか。

そして航空券はまるでレシート…。バーコードがものを言う、実にシンプルなもの。
一応、座席番号や乗客名が印字されている。もちろん、搭乗する時には機械になど通すわけがなく…お兄さんに手渡し、そしてちぎられた半券を持って乗り込むのである。
これで人数管理するのは大変なんじゃないの?と思うけど、バーコードでちゃんと計数するから意外と大丈夫なのかも。



ちなみに、今回の荷物は、リモワのスーツケース1個と大型ベビーカー、それにアレックス以外の3人がそれぞれリュックを背負い、おんぶっこバギーも一応持っていった。リモワと大型ベビーカー以外は機内持ち込み。
このおんぶっこバギー、かなり重宝した…。コイの時代から大活躍で超お気に入りだったもので、相当年季が入ったシロモノだけど、今は日本でも手に入れるのが難しいとか?
とにかく軽くて小さく折りたためるので、機内上部の荷物入れにも軽々入るのだ。
大型ベビーカーを預けてしまった後、広い空港内を移動し、機内に入るまで子どもを乗せておけるから非常に便利なのだ。


赤ちゃん一人抱えていると、ホントに手が使えないからね。抱っこひもは必須。
その点これは、抱っこひも感覚で使える便利さがあるから、本当に気に入っている。
ブラジル人も皆、珍しそうに眺めていく。中には、「これはどこで売ってるの?」と真顔で聞いてくるママも…。ええ、ええ。欲しいでしょう。でも確か、これを製造しているメーカー(マンテン)は倒産しちゃって製造中止だという話よ。と、ポル語で説明したわけはなく、とりあえず「日本のものなのよね」と答えるばかり。
ほんと、すごーく優れものなのにね、もっと生産して宣伝すれば絶対売れるのに。



…と、すっかり話はそれたけど、今回はしっかりイデンチダージ(身分証明書)の「本物」を持っていったので搭乗手続きも超スムーズ。カウンターのお姉さんも気が利いていて、家族全員を横並びの席にアレンジしてくれた。(っていうか、普通当然でしょそれが!⇒前回の怒りの記録はこちら。帰りのハプニングhttp://d.hatena.ne.jp/caolin/20060416#p1


こんな具合で、いい感じの旅の始まり。7時40分、ほぼ定刻どおりに離陸したGOL機は、1時間30分ほどで経由地の首都ブラジリアに到着。そこで30分強、乗客の乗り降りがあって、すぐにまたフライト。そこから1時間20分ほど、10時半過ぎには、マットグロッソ州の州都で、パンタナル観光の拠点となる街Cuiabáクイアバ空港に到着した。
機内ではコイもアレックスもよく眠り、朝早い出発の疲れをすっかり取った模様。
みんな元気いっぱいでロビーに降り立ち、迎えに来てくれたクイアバ在住の日本語ガイド:ジューリオさんと握手をした。



可愛い鳥のイラストが鮮やかな、空調の効いたクイアバ空港のロビーを一歩出ると、そこは南国の空気!
あぁ、ブラジル…やっぱり広いのね。サンパウロの涼しさが嘘のように、暑い暑い暑い。
気温は真冬にもかかわらず30度を軽く超え、照りつける日差しはまさに真夏だ。
すごいな、ブラジル。さすが、ブラジル。と、もうこの時点でビックリした私である。


日本語堪能な日系2世のジューリオさんの案内で4駆のRV車に乗り込み、いざ、パンタナルへと出発だ。
クイアバの街から、目指すホテルまでは145キロもある。しかも道路は途中から舗装されていないデコボコ道になるという。
さて、パンタナル。どんな風景が待ち受けているんだろう???