エレベータは自分で開ける


ブラジルに来て驚いたことの一つに、エレベータの扉の開閉は「自分で」する、ということがある。
ボタンを押せばカゴが来て、扉が自動的に開くという日本スタイルのエレベータに慣れていると、「自分で」開閉するということが何のことなのか、ピンと来ないかも知れない…。


どういうことかと言いますと、
エレベータのカゴの外側、つまり各階のエレベータ乗り場には、エレベータのカゴとは別にもう一つの扉があるのです。
東京の方なら、都営地下鉄の新しい駅をイメージしてもらえばいいかな。あと、ゆりかもめとか。
乗り場に扉があって、そこに地下鉄車両が止まると、乗り場の扉と車両の扉が両方開いて乗り込むというスタイルね。あれと同じ。
あ、あれは、乗り場の扉も自動で開閉だけど、ブラジルのエレベータはそこが手動なわけですよ。

ボタンを押してエレベータを呼んだら、階数表示を見て、自分の階にカゴが着いたかどうかをまず確認。
ときどきこの階数表示が狂っていることがあるから要注意。
で、ガタン!と音がして、自分の階にカゴが到着したのを確認したら、自分で取っ手を引いてヨイショっと乗り場の扉を開いて乗り込むのです。
なかなか重厚な扉、小さい子ども一人では開閉しにくいタイプの扉です。



この重厚な扉を開けてはじめて、到着したカゴの扉が開くのです。
逆に、カゴが自分の階に到着していないときは、乗り場の扉は開きません。


最初、これに慣れなくて、カゴが到着したのにじーっと突っ立って扉が開くのを待ち続けたものでした。まさかエレベータの扉を自分で開けなきゃいけないなんて!日本にいたら、想像もしないでしょ?


新しいビルとかホテルのエレベータは、全部自動のタイプになってきているけれど、我が家のような築30年クラスのマンションなどはまだまだ手動式。
安全面から見ると、これがいいのか悪いのかわからないけれど、今ではすっかりブラジル式に慣れちゃった。
両手にたくさんの荷物!なんてときにはちょっとつらいけれどね。