ゲイパレードinサンパウロ

よく晴れた土曜日の今日、サンパウロのメインストリート、パウリスタ通りでゲイパレードが行われるということだった。
ゲイがどうこう、と深く考えることもなく、ただただ「パレードがおもしろそう」という思いだけで街に繰り出してみたよ。


パレードの開始は確か午後2時、だけどもう1時過ぎくらいから大音量で音楽が流れ、通りにはものすごい人・人・人!
パウリスタ通りの、ブリガデイロ駅付近から、もう人がうようよと現れ… どんどん西に向かうごとにその数は倍増していく…。
そして、そこに集う人たちのファッションがまたすごいのだ。
彼らこそがゲイであるのだ。いやもちろんゲイじゃない人たちもかなり多いと思われるんだけど、とにかくファッションというか仮装がものすごくて、ここはサンバ会場か?それとも仮装大会か?と思える光景。
もう、行き交う人を見てるだけで楽しい。これぞ、マンウオッチングの醍醐味なり!



まずはテレビのインタビューを受けていた、胸がサッカーボールなお姉さん。
強烈です…



それから、紅白の小林幸子をほうふつとさせる、背中に銀の巨大な羽を背負ったお姉さん。そこにかぶさってくる(おそらく接吻中)のお姉さん。



そしてそして。ついに出ました。華麗なる転身を遂げた見事なボディを惜しげもなく…
こんな姿が許されるのも、1年に1度の祭典だからこそ、なのでしょうな。



ゲイパレードというくらいだから、ある地点からある地点まで、こういった方々が行進するわけだけど、それをリードするのが大きなトラックをベースにした「山車」。
それこそヨサコイかサンバか、という状態である。
山車の上には、これまた思い思いの衣装で気持ち良さそうに踊っている男女(というのか?男男か?)。
流れる曲がサンバではなくロック調、というところがこの山車の特徴かな。
音楽に合わせて、通りにあふれた人々が次々に踊り始める。うーん、確かに体がノリノリに動き出しちゃうのもわかる雰囲気!
なお、虹色がテーマカラーのようで、服装とか小物にレインボーカラーを取り入れている人がたくさんいたよ。



ワールドカップ真っ最中、ということもあって、仮装の中にもやっぱりブラジルカラーを意識したものが多かったし、ブラジルTシャツ着用率もとても高かった。
そして通りにはいろんな物売りが現れるのだが、カラフルな羽のロングマフラーみたいなもの(ひとつ5ヘアイス、約250円)だとか、カツラを売る人もいた。
ただ単に見に来ただけ、という人も、ここでこういったプチ仮装グッズを購入して輪の中に入っていくのだ。



今回、私は二人の子連れで繰り出したため(残念ながらダンナは出勤だったのだー)、パレード開始地点まではさすがにたどり着くことは出来なかったんだけど(あまりにすごい人出で…)、それでも十分、熱気と雰囲気を体感することが出来た。
このパレードの意味合いというのは、いつもはひっそりと、あまり公には出られない立場(と想像される)ゲイの人たちが、今日は自分達が主役!思いっきり盛り上がろう!ということだと思う。
と、同時に、多くの人に自分達の存在をアピールする日なんだと思う。


観客は、やっぱり若者が中心だけど、子連れのファミリーやお年寄り夫婦、それに車椅子の人たちなども結構いて、皆それぞれに楽しんでいた。
パレードの目的は、十分に果たされているんだろうな…と思った。
マイノリティーであるという立場は、普段生きていく中でいろいろと難しい面もあるんだろうと想像する。でも、こんなふうにみんなのはじけた笑顔を見ていたらそんな心配も吹っ飛ぶ気がした。


ちなみに、こういったゲイパレードは、世界の各都市で開かれているらしい。
でも、ここサンパウロのものは、中でも特に規模が大きいんだそう。
うんうん。それこそ、イマドキの若者の標本みたいな感じで、いろーんな若者の姿を見ることが出来たからね。世界最大規模っていうのも納得。
(しかし、若者若者と連発する私って… もうトシだわね、全く…)



それにしてもサンパウロって街は、本当に「なんでもあり」の街だなぁと実感。
なぜここが世界最大規模のゲイパレードの街なのかはナゾだけど、やっぱりブラジル、オールウェルカムの精神が根底にあるからだろうか。


サンバとはまた違った意味で、これまた必見のイベントでありました。