これがニッケイ新聞だ!

ブラジルには日本語の新聞がいくつかある。よく知られているのは、ニッケイ新聞とサンパウロ新聞。
サンパウロ新聞はカラーなので、そちらを好む人も多いようだけど、うちはなんとなく紙面の充実ぶりからニッケイ新聞を選んで年間購読契約している。
ニッケイも最近、週に何回かカラー版が出るようになった。


もちろん日本の大手新聞からみたらページ数は少ないけど、故郷の地域新聞よりは多い。だから結構読み応えがあって私は気に入っているよ。
今日はそのニッケイ新聞の紙面をすこしご紹介…。


まず我が家に届くときの姿はこんな感じ。
雨の日も晴れの日も、ご丁寧に細く丸まってビニール袋に入って玄関までやって来る。
しかし友人宅に届くときの姿は、またこれとは違うらしい。なんでも、さらに小さく4つ折?みたいになって届くとか?袋には入ってないとか?
売店の好みによるのかなぁ?それにしても、こんなに手間をかけていただかなくていいから一部の値段を下げて…と思うのは日本人の発想?!



さて、第一面は日本のトップニュースが掲載されている。NHKの全国ニュースで報道されるレベルの大きなニュース。だいたい内容は1日遅れかな。
第2面・3面はブラジルの国内ニュース。ブラジルの大手新聞からトップニュースを抜粋して日本語訳して掲載している。
ポルトガル語が読めないのでブラジルの新聞が読めない、でもニュースは把握したいという日本人にぴったり。サンパウロの事件事故などもここで読むことが出来る。
経済的なネタもある。


続いては読者からの投稿欄が堂々1面設けられている。これが結構おもしろくて、ひそかに全部読んじゃったりする。
移民時代の思い出話とか、日系人の視点から見た日本の社会問題とか、内容はバラエティ豊か。名指しであれこれ批判を書いたり、ということも多くて目を覆いたくなることもあるけど(笑)、基本的にはクスっと笑えるような内容であることが多いかな。
移民1世の方々の投稿には、あちこちにポルトガル語が混ざってておもしろい。
じゃがいものことをバタタとか、ポップコーンをピポッカとか。食べ物の名前は現地語で覚えちゃうものなのかな。


一番裏、いわゆるスポーツ面には、まさにスポーツの記事が掲載されている。
日本のスポーツ記事である。これもだいたい1日遅れかな。



スポーツ面から一枚入ったところ(社会面)には、日系人社会におけるニュース。
県人会がどうしたとか、どこどこの町で移民何十周年行事が行われたとか、日系人の○○さんが個展を開きます…とか、見開き2ページ、しっかり日系人ニュースで埋め尽くされている。
金曜日には「週末の催し」が掲載されているので便利。日系人団体が主催する各種行事の日時と場所が小さく載っている。北海道祭りなんかも、ここに載っている。


興味深いのが、生活面。郷土料理のレシピだとか、それこそ日本の大手新聞の生活面から引っ張ってきたような記事…健康ネタ、育児ネタ、旅行ネタなどなどが登場するのだ。
先日見かけたのは、あら懐かしい、北海道新聞からの記事。このコーナー、私もかつて担当していたことがあったから、そりゃもう懐かしくて。
もしかしたら私の記事も、当時、ニッケイ新聞に転載されていたかも?!なーんて思ってしまった。
ちなみにこの日は、男性向け美容情報…。記者の体験モノであった。北海道新聞購読中の皆さん、読んだ覚えはありますか?
(なぜか北海道新聞からの抜粋が多い気がするんですが…何か関連があるのだろうか、ニッケイ新聞と)

こういったメイン記事のほか、下部に掲載される広告を見るのも結構楽しい。
飲食店とか、デカセギ斡旋業者とか、補聴器とか風呂釜とか、不動産とか法律事務所とか、いろいろある。
旅行会社の広告にはいつも注目している。この日は、秋の紅葉見学:北海道・東北ツアーが紹介されていた。旭川から知床、東京に日光…と、すんごいハードそうなんですけど…人気があるのかなぁ。


と、こんな感じで、毎日結構楽しく読ませてもらっている。
ところでテレビ欄ももちろんあるんだけど、内側の下のほうにちんまりとNHKワールドの「翌日の」内容が載っているのだ。
毎週土曜日には、なぜか「翌々週」の週間番組表が掲載される。
せめて翌週の番組表だとうれしいんですけど… あまりに先のことすぎてちょっと不便。
でもこれは配達にかかる時間を考慮すると仕方ないことらしい。サンパウロなら今日の新聞は今日の早朝に届くけど、たとえば先日旅行したサンタカタリーナ州のとある町には4、5日遅れで届くんだそうだ。
広い広いブラジル、そうだよね、確かに配達の遅延は十分ありえること。
遠い遠いどこかの街で、やはり日本語の新聞を楽しみに待っている移民1世のおばあちゃんもいるんだろうな…と思うと、なんとなく顔がほころんでしまった。